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11 2015

J・マイケル・ストラジンスキー&マイク・マッコーン他/ファンタスティック・フォー:シビル・ウォー

ファンタスティック・フォーシビルウォー表紙

「聞けや。お前らはクズだ。
 やっと心が決まったぜ、オレは自分の信じる道を行く。
 登録法を支持する気がねぇのは…愛国心からだ。
 だから政府ともやり合わねぇし、犯罪者扱いもされたかねぇ。
 だったらこうするしかねぇわな。
 この国を出ていくよ。心配なんざしてくれるな。
 二度と戻らねぇ」


WHOSE SIDE ARE YOU ON?

超人登録法の衝撃は、ヒーローコミュニティを真っ二つに切り裂いた。

その余波は、ヒーローの代名詞たるファンタスティック・フォーをも直撃し、各々の心はかつてない動揺に揺れる。

仲間達が登録法に疑念を示す中、リーダーのMr.ファンタスティックは、独り、その徹底に尽力する。

長年、共に戦ってきた4人は、このチーム存続の危機を乗り越えられるのだろうか…。

マーベルコミックスの“ファースト・ファミリー”ファンタスティック・フォー混迷の日々を描く注目作登場!

君はどちらに付く?


◆収録作品

2006年08月:Fantastic Four #538
2006年09月:Fantastic Four #539
2006年11月:Fantastic Four #540
2006年12月:Fantastic Four #541
2007年01月:Fantastic Four #542
2007年02月:Fantastic Four #543


◆関連作品過去記事
【ロード・トゥ・シビル・ウォー】
【シビル・ウォー】

◆DIVIDED WE STAND
リブート版ファンタスティック・フォーの公開タイミングに予め合わせていたのか、今月のヴィレッジブックス通販限定タイトル「シビルウォー・クロスオーバー2」として「ファンタスティック・フォー:シビル・ウォー」が刊行!
ファンタスティック・フォーのまともな邦訳本ってめちゃくちゃ少ないから、なかなかに貴重な一冊ですね。

シビル・ウォー本編ではジョニーが序盤でいきなりボコボコにされて一旦退場したり、リードがソーのクローンやファントム・ゾーンに監獄を作るといういまいち印象の良くないキャラになっていたりなど、クロスオーバーイベント特有の登場人物の多さゆえに仕方ないとはいえ彼らの出番の少なさと微妙な扱いにちょっとゲンナリしていたので、ファンタスティック・フォーがしっかり掘り下げられるタイインがようやく邦訳されたのは素直に嬉しい。

ちなみにファンタスティック・フォーのコミックはロード・トゥ・シビル・ウォーにも前2話(#536-#537)が収録されているため、予め読んでおくことをオススメします。

◆CIVIL WAR:FANTASTIC FOUR
「スタンフォードの悲劇」によって市民の超人への反感が高まった結果、ファンタスティック・フォーのメンバー、ヒューマントーチことジョニー・ストームが襲撃されてしまい、彼は意識不明の重体に陥り入院する事となった。
ジョニーが入院している病院に集まるファンタスティック・フォーのリード、スーザン、ベン。
このような事件が起こっても頑なに「法律には従うべきだ」という意志を曲げず、アイアンマンらの元に付き登録法を支持し続けるリードに対し、何度も説得を試みる妻のスーザン。
しかしリードが自分の考えを変える事はなかった。

次の日、登録法反対派のヒーロー達が、賛成派によって捉えられた仲間達が収容されている護送車の襲撃を企てるという事件が発生する。
だがこの混乱に乗じて、ビランであるシンカーとパペットマスターにより操られた戦闘機のパイロットがミサイルを発射、さらには街に仕掛けられた爆弾の爆発を許してしまう事となってしまった。
ヒーロー達は一時戦闘を中断し、市民の救出に尽力したものの、対応が遅れた結果として罪も無い市民を一人死亡させてしまう。
どちらの陣営にも属さず、市民を守る事に力を注いでいたベンはこの事態に怒り、街の惨状を見ても内戦を止めようとしないヒーロー達に呆れ返る。

とうとうブチ切れるベン

登録を強制する国、そして登録法に振り回されるヒーロー達の姿を見て、ベンはついにこの国を出て行く決心を固めるのであった。

一方、バクスター・ビルディングでは、スーザンが登録法を支持するリードに考えを改めるよう再度説得にあたっていた。
ルールを破るという事、何より家族を守ろうと思うからこそ現在の地位を失う事を恐れるリード。
「後ろ指を指されたって立ち上がるべきだわ」と、ファンタスティック・フォーが今ヒーローとしてどう行動すべきかを諭し続けるスーザン。
だがそれでもリードは結局登録法を支持するという考えを曲げる事はなく、スーザンを家から追い出してしまう。

超人登録法によってバラバラになってしまったファンタスティック・フォー。
それぞれに大きな溝が出来てしまい、チーム存続の危機に陥った彼らの行く末は……?

◆感想
面白かった!!
ファンタスティック・フォーのメンバーの心の動きが丹念に描写されていて、人間ドラマとして読み応えのある一作でした。
特にリードがファンタスティック・フォー、いやさ家族の中で一人頑なに登録法を支持する理由がしっかり掘り下げられていたのがデカい。シビル・ウォー本編だけだとよく分かんないけど登録法賛成派なアイアンマンを盲信しているゴムの人って印象だっただけにね!
かつてリードには賑やかでエキセントリック、そして世間が作ったルールなんて気にしない大好きな伯父さんがいたんだけど……その伯父の悲惨な最期を見たからこそどうしても法に逆らう行動が取れなくなってしまったのだとか。
まあその辺の詳しい描写はぜひ本書で。

あと本作は基本メンバーの軋轢を描くシリアスなストーリーなものの、何気にギャグ展開も盛り込まれているのに注目。
アメリカを出てフランスにやってきたベンがパリで「ル・エロス・ド・パリス」というヒーローチームに出会うのですが、そのメンツがなんというかもう……

DCヒーローじゃねえか!
アカーン!!どっかで見たことある感じの人らばっかりや!!

パリではビランとの戦いもなんかゆるく、「ル・エロス・ド・パリス」の面々の言動もいちいちコミカルでシリアスな本編の中の清涼剤のような展開となってました。ここのギャグ展開が好きすぎて何回か読み返してしまった。

本書最後の#543はシビル・ウォーのエピローグで、完全に元の鞘とまではいかないけれどもとりあえず溝が多少は埋まる話になっているので後味も悪く無い。
あとこのエピローグは『マーベルゾンビーズ:デッド・デイズ』で少しだけ活躍が拝めた新生ファンタスティック・フォーの結成譚にもなってます。

それと巻末には当時ファンタスティック・フォーが45周年を迎えていたため、それを記念した短編コミックが2作収録されているのにも注目!
うち1作はなんとスタン・リーが超久々に話を執筆したギャグ短編。
ファンタスティック・フォーのコミックが45周年を迎えたというのに誰も自分たちを祝おうとせず、ビランが襲撃してきたから助けてくれという救援要請が来ただけというのにリードが拗ねて事態を放置するというコミカルな内容です。スタン・リー本人も普通に話に登場するカオスさが魅力。

拗ねるリード
拗ねるゴムの人

それにしてもシビル・ウォーってホント本編よりタイインの方が面白い不思議なクロスオーバーイベントだなぁ……
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