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09 2015

最強のふたり

最強のふたり予告編最強のふたり
【原題】Untouchable(Intouchables)
2011年【仏】


ひとりは、スラム街出身で無職の黒人青年ドリス。もうひとりは、パリの邸に住む大富豪フィリップ。
何もかもが正反対のふたりが、パラグライダーの事故で首から下が麻痺したフィリップの介護者選びの面接で出会った。他人の同情にウンザリしていたフィリップは、不採用の証明書でもらえる失業手当が目当てというフザケたドリスを採用する。その日から相入れないふたつの世界の衝突が始まった。クラシックとソウル、高級スーツとスウェット、文学的な会話と下ネタ──だが、ふたりとも偽善を憎み本音で生きる姿勢は同じだった。互いを受け入れ始めたふたりの毎日は、ワクワクする冒険に変わり、ユーモアに富んだ最強の友情が生まれていく。
そんなある日、心配してドリスの経歴を調べた親戚が、宝石強盗で半年服役した前科者だから気をつけるようにとフィリップに忠告する。しかしフィリップは、「彼は私に同情していない。そこがいい。彼の素性や過去など、今の私にはどうでもいい事だ」と、毅然と答えるのだった。フィリップを車の荷台に乗せるのを「馬みたいだ」と嫌がって助手席に座らせたり、早朝に発作を起こした彼を街へ連れ出して落ち着くまで何時間も付き合ったり、意外にもドリスには自然な思いやりや優しさがあった。
だが別れは突然やってくる。ヘマをして仲間にシメられたドリスの弟が、ドリスのもとに逃げ込んで来たのだ。家族のことを真剣に思うドリスを見たフィリップは、「やめにしよう。これは君の一生の仕事じゃない」と提案する。翌朝、名残を惜しむ邸の人々に、陽気に別れを告げるドリス。フィリップは真っ当な介護者を雇い、ドリスは運転手の仕事を見つける。ドリスは自分の人生を始めるが、フィリップは再び孤独に陥っていた。そしてドリスは突然真夜中に呼び出される。いったいフィリップに何があったのか……

***

実在の人物であるフィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴとその介護人アブデル・ヤスミン・セローの感動実話をモデルとしたフランス映画。
さらに言うと2001年にフィリップ氏が出版した「Le Second Souffle(A Second Wind)」という本を元に本作が制作されたとの事。
全身マヒに陥った大金持ちと貧困層のチンピラ黒人が出会い、あまりに境遇が違う二人でありながら意気投合していく様を描いた作品。
実話ベースであるためなのか大きくドラマティックな展開はこれといって起こらないんだけれども、ドリスの無遠慮な振る舞いがフィリップにとっては逆に同情心を露わにしてくる他の介護人よりも心を許せる事に繋がったり、一方でドリスがフィリップの影響である程度の教養を身につけていったりなど、互いが互いに影響し合って友情を深めていく光景が実に心地良い。
普通なら「不謹慎だ!」と騒ぎ立てられそうなブラックジョークを容赦なくぶつけたりと、ドリスがフィリップの事をまったく障害者扱いしていないかのような振る舞いがいっそスカッとするんですよね。変に障害者に気を使っている人よりも差別意識が低く見える不思議。
コミカルなシーンが予想以上に多い一方で、しっかり感動もできる最高のヒューマンドラマでした。オススメ!

 
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