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20 2015

ピーター・デイビッド&スコット・コブリッシュ他/デッドプールの兵法入門

デッドプールの兵法入門表紙

「ワオ!戦争で勝つ兵法書だ!13篇もある。すげぇ!
 中国語だけど翻訳はできる。これを基にして究極の戦争論が書けそうだ!
 他のことにも応用できるぞ!ライバル社の倒し方を書いたビジネス書とか。
 賢い株の売買方法。同僚とのつきあい方。一儲けできそうだ!
 大手出版社を見つけて契約金をもらおう!」


デップー・ミーツ・イースト!?
『孫子』の作者はデッドプールだった!?
世紀の兵法書と稀代のアンチヒーローの出会いが世界を揺るがす!

『孫子』とは古代中国の思想家、孫武の作とされる、古今東西の兵法書のなかでももっとも著名なものの一つである……が、ここで1つ問題が発生。ひょんなことからタイムスリップしたデッドプールが、『孫子』のテキストを盗み出しベストセラー作家になって大もうけしようと企んだのだ!
しかしそうは問屋が卸さない。現代の出版社に持ち込んだところ、「売れるためには話題性が必要だ」と門前払いを食らってしまう。そこでデップーは考えた……だったら『孫子』は本当に使える本だと証明すればいい!
こうして人間界とアスガルドを巻き込んだ一大戦争が始まった。果たしてデップー先生の作家デビューは成功するのか?


◆収録作品

2014年12月:Deadpool's Art of War #1
2015年01月:Deadpool's Art of War #2
2015年02月:Deadpool's Art of War #3
2015年03月:Deadpool's Art of War #4


◆デッドプール先生作家デビュー!?
ぱっと見ビジネス新書のようなタイトルのこの本は、現在人気急上昇中でノリにノッているデッドプールの邦訳本最新刊!
んでもって本作、かなりフリーダムなデッドプールの姿が堪能できるエピソードとなっています。

あらすじには「ひょんなことからタイムスリップしたデッドプールが~」とあるけども、実際には何の説明もなくデッドプールが古代中国に現れて孫武を殺害。
そこで偶然彼の兵法書をゲットして、その内容にビビッときたデッドプールが出版社に持ち込みをかけるという流れ。
しかし孫子の兵法は長く続くベストセラーな上に、新訳も必要ないほどに様々な著者が刊行している本です。
今更孫子を持ち込まれても仕方ないと門前払い。

門前払い

出版社の人から「孫子が長く愛されているのは様々な著者が独自の解釈を与えているからだ。新しい視点を示してくれれば考えなおす」という言葉を聞き、デッドプールが思いついたのは「全世界が戦争中になっても生き残ることができる術」というもの。
とはいっても今は戦争中でもなんでもない平和な世の中。
出版社を後にしたデッドプールはこれまた「一言ではいえないけども色々頑張った」というテキトー理由で神々の世界アスガルドを訪れ、なんとロキをけしかけてアスガルドでソーの軍勢とロキの軍勢を戦争させるのだった!!

「ベストセラー作家になるため」という本当の理由を隠し、ロキ軍の軍師として戦争を引き起こしてしまうデッドプールが実にゲス面白い。
しかもソーとロキの兄弟喧嘩では終わらず、今度はロキの軍勢を地球に向かわせて更なる大戦争を巻き起こさせてしまうのだからホントとんでもない。そこまでするか!?

つい口が滑った
全ては自著『デッドプールの兵法入門』を出版するためなのだ

こういう展開になるお話なので、デッドプールの邦訳だけどヒーロー大集合&大活躍な光景も堪能できます。
アベンジャーズの面々だけでなく、ファンタスティック・フォーやX-MENなどなど様々なキャラが揃い踏み!
んでもってこんな大戦争が発生した原因がデッドプールだってんだから実にヤバい。

◆感想
実にメタな発言や行動を取り、なおかつサイコ方面にやや振れ気味な性格のデッドプールが楽しめる一冊。
原稿が入っているノートパソコンを壊されてブチ切れ、ロキの兵士を虐殺しまくるデッドプールとそれにドン引きするキャップらのシーンが個人的にツボでした。
今現在刊行されている邦訳デッドプールは純粋なギャグ作品というよりはちょっとシリアス要素もあるストーリー物が多いので、デッドプールのコミックに終始ブラックユーモアを求めるタイプの方には本作がオススメかな?
全4話でややページ数が少なめな代わりに普段の邦訳本よりもお安い価格だし。

ちなみに本作、一応メインストリームのアース616が舞台っぽい扱いではあるようなのですが、デッドプールの裁量でロキの外見が初期(シルバーサーファー誌4号の頃)になってたり、現在死亡中のウルヴァリンが当然のように戦いに参加していたりなど他誌との整合性や時系列などはガン無視しています。自由すぎる。
まあ本作はそもそもにしてギャグ要素が強めな一作なんで、その辺りは深く気にせずに読めってことなんだろうな!

ビターンビターンパロディ
実写アベのビターンビターン

◆おまけ
本作でのデップーとロキの「お前の協力が必要だ」「俺?」「そう」「ソー?」「違う」「俺?」「そう」「ソーの話?」って言葉遊びのような掛け合いは原書での会話が気になったんで調べたらこんな感じだった。

デップーとロキの掛け合い原書

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