ツルゴアXXX

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29 2011

フランク・ミラー&アラン・デイビス他/バットマン イヤーワン/イヤーツー

表紙

「何の前触れもなく、それはやって来る・・・
 書斎の窓を・・・僕の部屋の窓を突き破って・・・
 恐ろしかった・・・
 そうだ、父さん
 僕は蝙蝠になろう」


「バットマン:イヤーワン」
12年ぶりに故郷のゴッサムシティに戻った若き大富豪、ブルース・ウェインは、バットマンとなって犯罪との孤独な戦いを開始する。
一方、ゴッサムに赴任してきたゴードン警部補もまた、汚職に塗れた市警内部で、正義を貫くべく孤軍奮闘する。
同じ志に燃える二人の男の道は、やがて交わるかに思えたが…。

「バットマン:イヤーツー」
かつてゴッサムシティを恐怖に陥れた殺人鬼、リーパーが復活した。
あらゆる犯罪を憎み、罪人を容赦なく処刑するリーパーに挑んだバットマンだが、あえなく一蹴される。
己の弱さを思い知らされた彼は、禁断の武器に手を伸ばしてしまう…。
一方、素顔のバットマンことブルース・ウェインは、運命の女性にめぐり逢うが、
彼女には大きな秘密が隠されていた…。


◆収録作品

1986年11月:Batman #404
1986年12月:Batman #405
1987年01月:Batman #406
1987年02月:Batman #407
1987年03月:Detective Comics #575
1987年04月:Detective Comics #576
1987年05月:Detective Comics #577
1987年06月:Detective Comics #578
1991年01月:Batman: Full Circle


◆暗黒の騎士・バットマン誕生
紹介の前に一言。
「イヤーワン」アニメ化おめ。
【参考サイト】
オリジナルアニメDVDとなるようです。
イヤーワンアニメ_convert_20110428164737
本エントリーもその勢いで作成しちゃいました。

本書はバットマンの新オリジンとなる作品です。
歴史の長いバットマン含む周りのキャラの設定を大幅に改変。
現在のハードボイルドなバットマンの世界観を構築したのです。
これにより、バットマン作品の雰囲気がより暗く、渋いものになりました。
「イヤーワン」ではバットマンの活動一年目を、
「イヤーツー」では二年目を描いています。

過去に描かれた同じエピソードでもこのように読者に与える印象が変わっています。

軽いノリ_convert_20110428170032
「不吉で良いな!これで行こう!」な軽いノリだったのが・・・

イヤーワン蝙蝠_convert_20110428170235
「前触れも無く現れる、恐怖を与える存在」として蝙蝠をチョイス、と
理由がより明確なものに。

衝撃的なのがキャットウーマンの思い切った設定変更。
旧設定では「暴力を振るう夫から逃げ出し、自分の宝石を取り戻そうとしている怪盗」
といった物だったのですが、
オリジンが刷新された本作からは、
「元売春婦。バットマンの存在を知ったのち、
 自らも猫をモチーフにしたコスチュームを着用しキャットウーマンを名乗り始めた」

と、よりゴッサムシティの雰囲気に合わせたキャラクターに。
イケメン_convert_20110428171500イヤーワンでの外見はやたら男らしい

・・・などなど、こんな感じにイヤーワン以前のバットマンを知っていると設定の違いを楽しめます。
個人的には「BATMANオリジナル・コミック日本語版」を先に読むのをオススメします。

◆YEAR・ONE
汚職警官_convert_20110428174610
バットマンのオリジンを描く作品でありながら、
ストーリーの中心となるのはゴードン警部補。
かつて「誤り」を犯したため、ゴッサムシティに左遷させられてしまった。
身重の妻、バーバラと一緒によりにもよって犯罪都市であるゴッサムで生活する事に。

汚職警官だらけのゴッサムでゴードンは早くも署内で浮いてしまう状況に陥る。

同日、大富豪、ブルース・ウェインが12年の外遊から帰国。
しかし実際は、ある目的をなす為の修行の旅だった。
ブルース_convert_20110428175733
帰国後、手段や技術、戦略案をも用意したのにも関わらず何かが決定的に足りていないと自問自答するブルース。
18年前、家族と映画館で『奇傑ゾロ』を観た帰りに、
強盗に両親を殺されたブルース。
(母親も射殺されている設定に変更)
その瞬間から彼の人生はあらゆる意味を失い、
「悪」と戦う決意を固める。

バットマンに_convert_20110428181046
最悪の地域、イーストエンドに繰り出しチンピラと喧嘩し、
ボロボロになりながら帰宅した晩、
彼の書斎に一匹の蝙蝠が飛び込んでくる。

子供の頃、ブルースに恐怖を与えた存在・・・
彼は、人に恐怖を与える蝙蝠となることに決めた。

◆YEAR・TWO
20年前、ゴッサムシティを騒がせた覆面の殺人鬼、
リーパーが活動を再開した。
リーパー_convert_20110428225658
彼もクライムファイターではあるものの、バットマンとは違い
他人の命を平然と奪う過激な自警活動を行っていた。
バットマンはゴードン本部長から協力を依頼され、
自ら調査に乗り出す。

しかし、リーパーは予想以上に手強い相手だった。
ボロボロ_convert_20110428230425
持てる力と技を全て出し尽くしながらも敗北を喫したバットマン。
命からがら屋敷に逃げ帰り、ある決意を固める。

それは同じようにリーパーを追っている『悪』と一時的に手を組むことだった。
ジョー・チル_convert_20110428231054
バットマンは皮肉にも、かつて自分の両親を殺害した『ジョー・チル』とコンビを組むこととなってしまう・・・

◆FULLCIRCLE
『イヤー・ツー』の完結編となる作品。
ストーリーを解説しようとするとイヤー・ツーのネタバレが避けられないため割愛。
こちらではロビンが登場します。
ロビン_convert_20110428231654
『イヤー・ツー』単独でも完結してたような感じはあったのですが、
後日談的なストーリーとしてはなかなかです。
(後付けっぽさがぬぐえないけど)
ヴィランの境遇がブルースと重なるシーンがあったりロビンに厳しくも優しいバットマンが見所。

◆感想
実質バットマンの第1話としても読める『イヤーワン』
強敵、『リーパー』との戦いや両親の仇、『ジョー・チル』との共闘が楽しめる『イヤー・ツー』
その完結編となる『フルサークル』
『イヤー・ツー』はかつて翻訳されたときは途中で中断していたようなので、
現在最後まで『イヤー・ツー』を楽しめるのは本書のみでしょう。

個人的には『イヤー・ワン』が良作過ぎて、
『イヤー・ツー』を読んでいるときはすこし尻すぼみになっちゃった印象があるのですが、
『ジョー・チル』がこのような形で登場するのには驚きました。
一度仕切りなおしたからこそ可能なサプライズですね。

でも一番衝撃だったのは
キャットウーマンことセリーナ・カイルの外見なんですけどね。


イケメンすなあ_convert_20110428233857男らしいすなあ


あら美人_convert_20110428233534続編の『ロングハロウィーン』では美しくなりました。
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