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06 2015

ジョン・レイマン&リー・ガーベット他/アイデンティティ・ウォー:デッドプール/スパイダーマン/ハルク

アイデンティティウォー表紙

「運?それは関係ない。人生とは戦いだ。
 いいかね、大いなる力にはその力を守る責任がともなう」

「ふふっ、ベンおじさん、その言葉は少し違いますよ」
「ど…どうぞ」
「気にするな。
 メイは自分の甥がクモの力をもってるということに今でも慣れなくてな。
 甥は好きだが怯えてもいる」


三大ヒーローがパラレルワールドで変身!
デッドプール→ドクター・ドゥーム
ハルク→ドクター・ストレンジ
そしてスパイダーマンは…?


ひょんなことからパラレルワールドに放り込まれたデッドプール、スパイダーマン、ハルクの3人。そこは、スパイディが億万長者になり、デップーが「デスマスク」と名乗って暗黒街を支配し、ハルクが地獄で鬼神化(?)しているというトンデモワールドだった。なぜ3人はこの並行世界に送り込まれたのか?その裏には恐るべき陰謀が仕組まれていた……!
ドクター・ストレンジとして活躍するブルース・バナー(どういうこと?)まで巻き込んで、マーベルの個性派ヒーロー達が大暴れするアニュアル3本を収録!


◆収録作品

2011年06月:Amazing Spider-Man Annual #38
2011年07月:Deadpool Annual #1
2011年08月:Incredible Hulks Annual #1


◆並行世界で大パニック!?
小プロの邦訳デッドプールの流れに混ざって刊行されたスパイダーマン誌、ハルク誌、デッドプール誌3誌間のクロスオーバー作品『アイデンティティ・ウォー』
大型クロスオーバーイベントに比べるとその規模は小さめですが、個性的な3人のヒーローの活躍に絞って描かれるそのストーリーは大型イベントとはまた違う魅力があるもの。
しかも本書は久々のスパイダーマン誌の邦訳や非常に貴重なハルク誌の邦訳も兼ねているのが嬉しい。

ストーリーは次元転移装置が置いてある科学研究所、ホライゾン・ラボを強盗が襲い、スパイダーマンとハルクがその対処にあたっていた最中に装置のパワーが暴走、スパイダーマンとハルク、そして強盗に利用されていたデッドプールが別世界に飛ばされてしまうというもの。

この別世界は本来の世界とは多くのヒーロー、ヴィランの立ち位置が異なっていて、正史世界を知っていれば知っているほどその激変っぷりが面白く感じる世界観となっています。
スパイダーマンはこの世界では億万長者で市民に愛されており、あのJJJにまで支持されている世界最強のヒーロー「アメイジング・スパイダー」として活躍中。
なんとあのベンおじさんやグウェン・ステイシーまで生存している幸せな境遇なのだとか。

一方デッドプールことウェイド・ウィルソンは、この世界ではドクター・ドゥームそっくりなコスチュームを身に纏って「デスマスク」と名乗り、暗黒街の支配者として君臨中。
自身の超回復能力を悪用した超絶厄介なヴィランと化していたのでした。
(まあよく考えれば正史世界のデッドプールも超絶厄介な人物ではあるけども)
そんな事はつゆしらず、自分ソックリなコスチュームを着ているデスウィッシュという男とつるんでこの世界で楽しく遊びまわるデッドプール。

じゃあこのデスウィッシュとかいうのは誰なのか
デッドプールそっくりなコスチュームを着ていたこのデスウィッシュという人物は
並行世界のデップーではなかった
作中でさらっと明かされるデスウィッシュの正体はかなり意外な人物だったり

そしてハルクことブルース・バナー博士は、この世界では驚いたことにドクター・ストレンジの後継者として魔術師となっており、その魔力を用いてハルクの人格を冥府に封印し、ブルースとしての人生を歩んでいるのでした。
その影響でこの世界にやってきた正史世界のバナー博士もハルクから切り離され、変身能力を失ってしまう事に。
3名とも正史世界で見舞われた不幸から解放されており、一見するとそれなりに幸せに見える世界。
しかしこの世界には恐るべき陰謀が仕組まれており、正史世界の3人は大きな事件に巻き込まる事になってしまい……?

◆感想
メインストリームの世界ではまずありえないであろう展開が目白押しで、常にサプライズに見舞われながら楽しく読める一作。
別世界とはいえベンおじさんに再会できたピーターが結局異なるタイプの不幸に直面しているのを見て曇ったり、別世界に送り込まれても相変わらず自由な行動を取りまくったりスパイディ大好きっぷりを発揮するデッドプールにニヤニヤしたり、冥府で暗黒の力に晒されて鬼神と化した別世界ハルクと正史世界ハルクの純粋な力と力のぶつかり合いが堪能できる迫力満点な戦闘シーンなど、実に見所たっぷりです。

ハルクVS鬼神ハルク
常に余裕を崩さないハルクの戦いっぷりがカッコいい
セリフを見るにこの時期のハルクは若干理性的っぽい?

スパイダーマン編はしっとりとした雰囲気のエピソードなんですが、デッドプール編、ストーリーの締めとなるハルク編は笑いどころもたっぷり。
スパイディとデッドプールの漫才のような会話、スパイダーマンの作戦で鬼神ハルクの足止めに使われるデッドプールのあんまりな扱われ方はほんと面白い。
そしてオチ付近にもサプライズなギャグ展開が盛り込まれていて、正直アレで吹かない人はいないと思う。
シリアスよりもコミカルなストーリーを求めている方は、本作とかどうでしょうか。

◆デプスパ
デプスパお待ち!

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