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30 2015

ポール・コーネル&ミゲル・セパルベダ他/NEW52:エッジ

NEW52エッジ表紙
RETURN OF 'GRIM AND GRITTY'

FLASHPOINT IS OVER, THE NEW 52 BEGINS

フラッシュと宿敵リバース・フラッシュが激闘を繰り広げた「フラッシュポイント」の結果、3つの世界が融合し、新たな宇宙が生まれた。それは、NEW52の世界。新たなスーパーヒーローの伝説が今、ここから始まる。

2011年、コミックスシーンにかつてない激震をもたらした、DCユニバースのリニューアル企画「NEW52」。75年の歴史を誇るDCコミックスの歴史をリセットし、52冊の新タイトルを一斉創刊するという大胆な試みは、あらゆるコミックファンの注目の的となり、DCコミックスの新時代の到来を告げる狼煙となったのである。

新時代の幕開けを飾った52冊の創刊号の中から、「エッジ」カテゴリーに属する9タイトルを単行本化。
DCコミックスの進化を目撃せよ!


◆収録作品

2011年11月:Stormwatch Vol.3 #1
2011年11月:Grifter Vol.3 #1
2011年11月:Voodoo Vol.2 #1
2011年11月:Deathstroke Vol.2 #1
2011年11月:Suicide Squad Vol.4 #1
2011年11月:OMAC Vol.4 #1
2011年11月:All-Star Western Vol.3 #1
2011年11月:Blackhawks #1
2011年11月:Men of War Vol.2 #1


◆関連作品過去記事
【NEW52:ジャスティス・リーグ】
【NEW52:バットマン】
【NEW52:スーパーマン/ヤング・ジャスティス】
【NEW52:グリーンランタン/ダーク】

◆NEW52 EDGE!
遂に完訳!「NEW52」第1話まとめ本の第5弾!

ここまで来ると残ったタイトルも日本国内では実にマニアックな物が多め。
本カテゴリーは「エッジ」という極めてバイオレンス要素の強いラインであり、登場キャラクターもかつてアメコミのアーティスト、ジム・リーが持っていたスタジオ「ワイルドストーム」からの移籍組が中心となっています。

ヴィレッジのNEW52まとめ本もいよいよコレで最後……
実にインパクトのある作品が揃い踏みなエッジカテゴリーのコミックをさっそく紹介だ!
ストームウォッチ#1

ストームウォッチ第1話

『よかろう。何かが来る。何か巨大なものが。
 それは物体に生命を付与する知性体、我はそれに耐えた唯一の生存者。
 我はそれに先立って現れ、星々を鍛え強くしてそれと戦う力を与える。
 そなたは何か?』


[ライター]ポール・コーネル
[ペンシラー]ミゲル・セパルベダ
[インカー]アル・バリオヌーボ


ワイルドストームからの移籍タイトル。中世より続く極秘地球防衛機構という設定で、メンバーの顔ぶれは基本的に旧シリーズに準拠しているが、マーシャン・マンハンターが加わっている点が見所。


本作は元々はワイルドストームスタジオがイメージコミックス社を経由して刊行していたコミックスの一つであり、ワイルドストームユニバースにおいて世界の要となる組織「ストームウォッチ」の活躍を描いていく作品です。
ちなみに右の人はミストさんではない。

ワイルドストームがDC傘下に入り、その後NEW52においてはワイルドストームユニバースが完全にDCユニバースと統合された(リランチ前はアース‐50がワイルドストームユニバースと定義されていたものの合流はしていなかった)ので、それを強調するかのようにマーシャン・マンハンターがメンバーに参加しています。
この第1話ではストームウォッチの面々が世間で話題のアポロというヒーローをメンバーに勧誘しようとするものの、謎の男に妨害されるという展開。
1話目からストームウォッチの勧誘メンバーがその謎の男に全滅させられててホント大丈夫なのかと心配にならなくもない。


グリフター#1

グリフター第1話

『ああ畜生…勢いで殺しちまった!』

[ライター]ネイサン・エドモンドソン
[ペンシラー]カルロス・アルバーノ
[インカー]ジェイソン・ゴーダー


今やDCコミックスの共同発行人となったジム・リーが率いていたワイルドストームからの移籍組。元特殊部隊員で詐欺師の彼は、連続殺人犯の汚名を着せられながらも、宇宙からの侵略者デーモナイツと戦い続ける。


かつては日本でも邦訳本が刊行されていたワイルドストームスタジオの旗艦タイトル『ワイルドキャッツ』の登場人物の一人、グリフターを主役に据えた個人誌!
【Wildcats (comics)】

このNEW52版では設定がほぼ完全にリニューアルされているため、事前知識が無くとも普通に読めるのが嬉しいポイント。
あと、まさに“90年代”なコスなあたりもそこそこツボ。
地球人に憑依できる異星人種族『デーモナイツ』の脅威に一人立ち向かうグリフターの姿を描いていく作品なのようですが、この1話時点で早くもグリフターが憑依された一般人を容赦なく殺害していてなかなかにえげつない。


ブードゥー#1

ブードゥー第1話

「この店じゃトップの娘がブードゥーと呼ばれるの。
 本名は言えない。ルール違反になるからね」


[ライター]ロン・マーズ
[アーティスト]サム・バズリ


同じくワイルドストームからの移籍組。放浪のストリッパー、ブードゥーがひた隠す秘密とは、そして、彼女を追うブラックレイザーズとは?


「エッジ」カテゴリーの作品は暴力描写だけでなくセクシー描写も他作品より過激!
サム・バズリの描くブードゥーの姿は実にエロティック……
ブードゥーはグリフター同様、「ワイルドキャッツ」の初代メンバーの一人なんですけれども、このNEW52版においてはその立ち位置が真逆になっており、実はデーモナイツのスパイという設定になっています。


デスストローク#1

デスストローク第1話

「デスストローク・ザ・ターミネーター。地上最悪のタフガイ。
 超人の傭兵で、厄介な標的を専門に追う。
 受けるのは不可能な仕事ばかりで…そいつを可能にする。
 反射神経も、筋力も、脳の高次機能も強化されてる。
 しかも戦術の達人だ。
 そう…全く大した野郎だよ」


[ライター]カイル・ヒギンズ
[ペンシラー]ジョー・ベネット
[インカー]アート・シバート


世界最高の暗殺者として知られるデスストローク・ザ・ターミネーターの暗躍を描く。
自家用機で移動中の武器商人の暗殺を依頼されたデスストロークは……。


人気の高いスーパービラン、デスストロークが主役の渋くてバイオレンスな一作。
デスストローク一人で無双していくのかと思いきや、チャラチャラした若者の傭兵たちと組まされたりするなどちょっと軽いノリもあります。
ただ、クールな傭兵と若者たちという組み合わせで話を盛り上げていくのかと思いきや最後には……
本作は(多少伏線は張られるものの)1話完結型という作りなのも本書においてはちょっと嬉しいポイント。
大抵の作品は数話完結型なんで、1話だけ収録するスタイルのこの本だと最終ページで“引き”が多くてモヤモヤ感が半端無いんだよね……!


ーサイド・スワッド#1

スーサイドスクワッド第1話

「チームにちゃんとした名前はない。
 書類上は“タスクフォースX”。だが警備員は俺達を別の名で呼んでた。
 自殺部隊スーサイド・スクワッド
 全員、元はベルレーブの死刑囚だ。毎日23時間独房に押し込められて、
 日光や新鮮な空気なんか夢のまた夢だったが…
 転機はいきなり訪れ、
 奴らは催眠ガスKOLOKOL-1で眠らせて俺達を誘拐し…
 首に、いつでも起爆できる小型爆弾を埋め込んだ。命令に絶対服従する様に」


[ライター]アダム・グラス
[ペンシラー]フェデリコ・ダロッチオ
[インカー]スコット・ハンナ、ランサム・ゲッティ


政府によって極秘裏に組織されたビランチームという設定は従来通り。スーサイド・スクワッドの顔ともいうべきデッドショットに加え、今回はハーレイ・クインも加入(ちなみにハーレイを捕まえたのはブラックキャナリー)。
黒幕のアマンダ・ウォーラーは、あっと驚くダイエットに成功。


アメリカで2016年8月に映画公開が決まり、日本でも話題沸騰中のビランチーム『スーサイド・スクワッド』
元々は1959~1961年の『ブレイブ&ボールド』誌にて、7回に渡り連載された二人の軍人と二人の科学者からなるアドベンチャー物の作品だったのですが、1987年に「ビランのみで構成された政府の隠密部隊」という旧シリーズとは全くコンセプトの異なる作風に舵をとって大きな人気を獲得した作品です。
【Suicide Squad Vol 1】


【新ジョーカー登場! 映画『スーサイド・スクワッド』予告編を徹底分析】

一癖も二癖もあるビラン達がそれぞれの事情でチームに参加し、命がけの戦いで戦死者もバンバン出しながらわずかな平穏の後、またすぐに自殺的な任務に駆り出される……という群像劇もの。
このNEW52版ではいきなり任務に失敗し、スーサイド・スクワッドの面々から敵からえげつない拷問を受けるという血なまぐさい展開からスタート。
本格的に話が動き出すのは2話目からな感じなため、実に続きが気になる一作でした。
……っていうかコレ邦訳出ないかなぁ?かなり面白そうなコミックなんで、映画が日本で公開される頃には便乗して刊行されたりしないだろうか(期待)。


オマック#1

オマック第1話

『ケビン・コー。元気そうだな。
 変身の結果、困惑しているだろうと思ってね』

「困惑だって?会社のトイレにいた僕に、いったい何をした?
 あんたは誰なんだ?僕に何をさせたい?」

『私に注意を向け、君の人生は私のものだという事実を、
 正しく認識してもらいたい。
 私はブラザー・アイ。君に話すべき事は多い。
 まずは恋人に電話したまえ。心配しているぞ』


[ライター/ペンシラー]キース・ギフェン、ダン・ディディオ
[インカー]スコット・コバリッシュ


怪力の巨人オマックへの変身能力を与えられた青年が主人公で、そこに諜報機関チェックメイトやカダマス研究所など、様々な要素が絡んでくる。
ちなみに今回のオマック(O.M.A.C.)は、One Machine Army Corpsの略。


なんとDCコミックスの上席副社長、ダン・ディディオという超ベテランが制作に関わっている一作。
デカいモヒカンヘアに青い肌な巨人というオマックの強烈すぎるビジュアルは一度見たら脳裏に焼き付いてなかなか離れませんな……
ギラギラしたエフェクトに近未来感ある建物やキャラクターが登場しまくっていて、かなり独特な世界観が形作られています。
こういうの好きな人はかなり好きそうな作品かな?


オールスターウェスタン#1

オールスターウエスタン第1話

『ゴッサムに平穏な夜などありはしない。
 ひたすらに暗い。よそ者には一層暗い。
 そしてこの夜には、私の知る最も興味深い事件が幕を開けた。
 劈頭へきとうを飾るは新たな殺人。私はその結果、
 最も興味深い人間心理の研究対象と直接の接触を果たす事となった』


[ライター]ジャスティン・グレイ、ジミー・パルミオッティ
[アーティスト]モリタット


主人公は、映画化もされたジョナ・ヘックス。そのタイトルから西部劇かと思いがちだが、1880年代のゴッサムシティ(場所は東海岸)を舞台に、ヘックスが連続猟奇殺人に挑む。
アーカム・アサイラムの創設者、アマデウス・アーカムも登場。


19世紀末のゴッサムシティが舞台という、バットマンファンの心をくすぐりまくる世界観となっている作品。
あのアーカムを創設したアマデウス・アーカムが初めて生きているキャラとして、ジョナ・ヘックスの相棒として登場するというのも面白いし、ペンギンの先祖、コブルポッド市長も顔を見せたり、バットマンの先祖、アラン・ウェインや『ゲート・オブ・ゴッサム』に登場したゲート兄弟の存在も語られたりと、バットマンの設定とかなり密接な繋がりを見せてくれてニヤニヤしっぱなし。

主人公は顔の右側に重度の火傷を負った南北戦争当時の南軍の軍服を身につけた人間嫌いの賞金稼ぎ、ジョナ・ヘックス。
ハードボイルドを体現したかのようなキャラでこれまた非常にカッコいい。
西部劇ものと思わせて本作はミステリーなので、2話以降も是非とも読みたい……!
ミステリー物なのに1話しか読めないってこれ続きが気になるってレベルじゃないんだけど!


ブラックホークス#1

ブラックホークス第1話

「備えるのが任務です。危険に満ちた時代ですから。
 だからこそ国連は
 ブラックホークス・プログラムを重視しているのだと思いますが」


[ライター]マイク・コスタ
[ペンシラー]グラハム・ノーラン
[インカー]ケン・ラシュリー


あらゆる脅威に対処する、国連直属の特殊部隊という設定で、空のエース集団という従来のシリーズとは、繋がりはないに等しい。


ブラックホークスは元々は1940年代の「ミリタリーコミックス」にて初登場した私設飛行隊であり、ナチスに義憤を抱く各国のパイロットを集めて枢軸軍に戦いを挑むというパイロット物のコミックス。
しかしNEW52版ではその設定をガラリと変えて、世界各国から集められた戦闘のスペシャリストで構成されたメンバーとなり、「秘密の義勇飛行隊ブラックホークス」というコンセプトのみが引き継がれた別物の作品に仕上がっています。
一話目から迫力のある空中戦が展開されるのですが、その後すぐにブラックホークスのメンバー、クノイチ(ニッキ・ネムザール)が油断して自分の体内に爆発の危険があるナノサイトを侵入させてしまうなど、いきなり大ピンチに陥ってしまうストーリーでした。


メン・オブ・ウォー#1

メン・オブ・ウォー第1話

『最初は、目をやられたと思った。
 暗闇の中で、最も聞きたくない音が聞こえた。
 視力が回復した時、自分の目を恨んだ。
 彼の声は囁くよりも弱く…』


[ライター]アイヴァン・ブランドン
[アーティスト]トム・デレニック


現代戦を描いた純然たる戦記物かと思いきや、メタヒューマンが登場するなど、DCユニバースの一部である事を活かした設定となっている。


NEW52まとめ本の最後を飾るのは、極めてリアルな戦記物!!
本作では今では珍しいアンソロジー形式を採用しており、1号で2本のコミックが収録されています。

反政府軍の支配地域に侵入し、拉致されてしまったベル上院議院を傷一つつけずに連れ帰るという作戦に参加する事になったジョー・ロック伍長。
敵は現場を熟知している一方で、こちらの部隊はこの敵地の情報を何も熟知していない。
この圧倒的不利な状況で作戦を開始するも、謎のメタヒューマンが先頭に乱入し、事態は一気に絶望的な状況に……という、超シリアスな内容。
DCユニバースに属しているため超人がストーリーに絡みはするもの、凄く渋い作りのコミックでした。


◆感想
兎にも角にもようやくNEW52第1話まとめ本が完訳された事がめでたい!
そもそもこのまとめ本の底本は1冊の本で、「あまりにも分厚すぎるから5冊に分冊して刊行しよう」という事になった本なんですよね。

それがまさか1巻目の刊行から完訳まで2年以上かかってしまうとは想像もしなかった。
「スーパーマン」「ヤング・ジャスティス」カテゴリまではそれなりのペースで邦訳されていきましたが、国内ではマニアックな「グリーンランタン」「ダーク」「エッジ」カテゴリになると急に出し渋り始めましたからね。
良かったホント刊行が途中で打ち切りにならなくて……!

でまあ感想なんですけれども、毎回同じような事を言ってますが収録作はどれも第1話だけとはいえ、読み進めていくことでNEW52の世界観やキャラクターを大量に把握できるありがたいまとめ本だと思いました。
でもこれもまた何度も言っているけど、やっぱり1話だけを見せられると続きが気になって仕方がないよね!
僕は「アクアマン」、「バットマン&ロビン」「レッドフッド&アウトローズ」「スワンプシング」「アニマルマン」「リザレクションマン」「スーサイド・スクワッド」「オールスターウェスタン」の#2以降をメチャクチャ読みたいです(多い)。

だからみんな小プロやヴィレッジのアンケートでは邦訳希望タイトルを積極的に送ろう!な!
言うだけならタダだし!
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