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12 2015

ジェフ・ローブ&レイニル・ユー他/フォールン・サン:デス・オブ・キャプテン・アメリカ

フォールン・サンキャプテン・アメリカ表紙

「オレに、戻って伝えさせたいだろ。希望を持ってた連中…否定してた連中に。
 ルーク・ケイジやスパイディ、他のアベンジャーズ全員に、オレが確認したと」

「…ハンク、彼を通せ」
「スターク、もしおめぇにキャップを助ける手があって放ってたなら…殺す」


WHERE WERE YOU WHEN CAPTAIN AMERICA DIED?

1941年以来、アメリカの理想を担い、あらゆる不正と戦ってきた第二次大戦の生ける伝説、キャプテン・アメリカ。

合衆国建国の理念を脅かす超人登録法の制定に反意を貫いた彼だったが、ついに己の敗北を悟り、政府に投降する。そして、裁判の日……。

キャプテン・アメリカ、凶弾に倒れるの報は全世界を駆け巡り、敵味方を問わず、彼に関わった者達の胸を激しく揺さぶった。

キャプテン・アメリカが死んだ日、君はどこにいたか?

これは、ウルヴァリン、アベンジャーズ、ホークアイ、スパイダーマン、アイアンマン各々の立場で稀代の英雄の死を描いたもう一つの『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』の物語である。

なお、巻末にはキャプテン・アメリカのデビュー作である『キャプテン・アメリカコミックス』#1(3/1941)よりオリジンストーリーを収録。キャプテンの原点に触れることができる。


◆収録作品

1941年03月:Captain America Comics #1
※「Meet Captain America」のみ収録。
2007年06月:Fallen Son: The Death of Captain America #1
2007年06月:Fallen Son: The Death of Captain America #2
2007年07月:Fallen Son: The Death of Captain America #3
2007年07月:Fallen Son: The Death of Captain America #4
2007年08月:Fallen Son: The Death of Captain America #5


◆関連作品過去記事
【シビル・ウォー】
【デス・オブ・キャプテン・アメリカ:デス・オブ・ドリーム&バーデン・オブ・ドリーム】

◆明かされる各々の別れの物語
ヴィレッジブックスの通販限定コミックス『マーベル・マスト・リード』2冊目は、稀代の英雄キャプテン・アメリカの死に動揺し、如何にしてヒーロー達がその死を受け止めたのかを描いていく全5話のミニシリーズ、『フォールン・サン:デス・オブ・キャプテン・アメリカ』
かの衝撃作『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』に合わせて刊行された作品です。

キャップの死に動揺するヒーローの姿自体は邦訳されたキャプテン・アメリカ第5シリーズだけでなくニューアベンジャーズシリーズ、アイアンマン誌などでもしっかり描かれており、邦訳だけを追っている身でもマーベルユニバースに大きな影響を与えている事が充分うかがい知れるようになっていたのですが、それでもヴィレッジがこの評価の高いミニシリーズをマストリードのタイトルにチョイスし、改めてキャップの死に関する描写を深く掘り下げてくれたのは嬉しい。
というわけでざっくりとあらすじを紹介。

◆FIVE FACES OF GRIFF
『キャプテン・アメリカが死んだ』

しかしどうしても彼が死んだという事が信じられないウルヴァリン。
キャプテン・アメリカの死は偽造されたものなのかそうでないのかを確かめるため、盲目故に自分以上の鋭い嗅覚を持つデアデビルと隠密化の魔法をかける事ができるドクター・ストレンジに協力を頼み、シールドのヘリキャリアに乗り込んでキャプテン・アメリカを狙撃したビラン、クロスボーンズの独房を訪れる。
だが、クロスボーンズから得られた情報は何の役にも立たないものばかりであった。

キャプテン・アメリカを殺害した犯人を探すことは諦め、回収された彼の遺体を直接確認するウルヴァリン。
そこに、隠密化の魔法の効果が解けたことでウルヴァリンの侵入を検知したアイアンマンとジャイアントマンが現れる。

キャップの死体を確認するウルヴィ

『キャプテン・アメリカは間違いなく死亡している』

この揺るぎようのない事実を確認したウルヴァリンは、「キャプテン・アメリカの生存を信じているヒーロー達に死を伝える」というメッセンジャー役を買って出る事で、現在は敵対する間柄であるアイアンマンに見逃してもらい、ヘリキャリアを後にするのであった。

隠れ家でポーカーをしつつ、キャプテン・アメリカの死が真実であった事に動揺するシークレット・アベンジャーズの面々。
アイアンマンから2代目キャプテン・アメリカを襲名する事を打診されるホークアイ。
シビル・ウォー時、自分の取った行動が原因で少なからずキャプテン・アメリカを取り巻く状況を悪化させ、そして今、彼が死んだという事実を受け止めきれず、ベン伯父さんや両親、親友ハリーにステイシー警部、恋人グエンに並ぶ大切な人間を喪ってしまった事でいよいよ心が折れかけるスパイダーマン……
ヒーロー達は、如何にしてキャプテン・アメリカの死を受け容れていくのだろうか。

◆『フォールン・サン:デス・オブ・キャプテン・アメリカ』のネイモアさん
キャプテン・アメリカの埋葬なら話は別だ

地上とアトランティスが現在緊張状態(地上人が原因でアトランティス人が死亡したり襲撃されたりする事件が立て続けに起こったため)にあるのにもかかわらず、「戦友キャプテン・アメリカの埋葬となれば話は別だ」と地上に姿を表したネイモアさん。
アイアンマンの提案により、かつて氷漬けで仮死状態となっていたキャプテン・アメリカを発見した北大西洋にその棺を沈め、ネイモアさんは大洋の支配者として責任を持って棺を守る事を誓うのでした。
このシーンよりも前の場面では、キャプテン・アメリカが殺された腹いせにビランのタイガーシャークや彼に操られた海獣を必要以上に痛めつけようとしていたマイティ・アベンジャーズの面々を諌めているため、本作のネイモアさんは出番は多くないのに非常に印象に残る行動や発言を見せていて渋カッコいい。

◆感想
良い作品だった……
ヒーロー達にとってキャプテン・アメリカがどれだけ大きな存在だったのかがこの一冊でよく分かる。
最終話のキャプテン・アメリカの相棒、ファルコンのスピーチのシーンも素晴らしい。

まあご存知の通りキャプテン・アメリカは現在とっくに復活していてキャップ復活の邦訳もこの作品より先に刊行されちゃったのでキャップの死の悲しみを今見せられても…って感じがなくもないんですが、それを差し引いても本作は完成度の高いストーリーだと思いました。

あと本書には、なんと1941年の『キャプテン・アメリカコミックス』#1の邦訳がオマケで収録されているのも見逃せないポイント!

キャプテン・アメリカコミックス第1話より

キャプテン・アメリカのデビュー作が読めるって、かなりテンションの上がる要素じゃないでしょうか。
表紙こそキャップがヒトラーを殴っている過激なイラストですが、中身は実写映画でも見たキャプテン・アメリカのオリジンが描かれるエピソード。
この創刊号ではキャップは「超人兵士(スーパーソルジャー)」ではなく、ナチスドイツが送り込んだスパイに対抗する「超人捜査官(スーパーエージェント)」だったり、スーパーソルジャー血清を開発したアースキン教授が「レインシュタイン」というアインシュタインをパロった名前になっていたりと細かく設定が異なっているあたりに注目です。
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1 Comments

アウル  

キャップの初登場を翻訳で読める日が来ようとは・・。
なかなか憎い演出です(´;ω;`)

2015/07/12 (Sun) 01:32 | EDIT | REPLY |   

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