ツルゴアXXX

ARTICLE PAGE

21 2015

ヒミズ

ヒミズ予告編ヒミズ
2012年【日】


住田祐一、15歳。彼の願いは、「普通」の大人になること。
大きな夢を持たず、ただ誰にも迷惑をかけずに生きたいと考える住田は、実家の貸しボート屋に集う、震災で家を失くした大人たちと、平凡な日常を送っていた。
茶沢景子、15歳。夢は、愛する人と守り守られ生きること。
他のクラスメートとは違い、大人びた雰囲気を持つ少年・住田に恋焦がれる彼女は、彼に猛アタックをかける。疎ましがられながらも住田との距離を縮めていけることに、日々、喜びを感じる茶沢。
しかし、そんな2人の日常は、ある日を境に、思いも寄らない方向に転がり始めていく。
借金を作り、蒸発していた住田の父が戻ってきた。金の無心をしながら、住田を激しく殴りつける父親。さらに、母親もほどなく、中年男と駆け落ちしてしまい、彼は中学3年生にして天涯孤独の身となる。そんな住田を必死で励ます茶沢。そして、彼女の気持ちが徐々に住田の心を解きほぐしつつあるとき、その“事件”はおこった―。
「普通」の人生を全うすることを諦めた住田は、その日からの人生を「オマケ人生」と名付け、その目的を、世の中の害悪となる<悪党>を見つけ出し、自らの手で殺すことに決める。
夢と希望を諦め、深い暗闇を歩き出した少年と、ただ、愛だけを信じ続ける少女。2人は、巨大な絶望を乗り越え、再び、希望という名の光を見つけることができるのだろうか―?

古谷実による漫画作品「ヒミズ」を、園子温監督が実写映画化した一作。
古谷実といえば「稲中卓球部」などのギャグ漫画家としての印象が強い漫画家ですが、ヒミズはそれまでの作品に含まれていたギャグ要素を徹底的に排除し、シリアスで陰惨な人間ドラマを重々しく描き切った作品。

2001年~2003年にかけて連載された作品が2012年になってまさかの実写映画化となったわけなんですが、原作に忠実な映画化というわけではなく、「東日本大震災」の影響を受けて舞台を「震災後の日本」に設定したり、住田の同級生、夜野が中年のホームレスのオッサンに変更されたり、茶沢も母親に虐待されていたり、住田にしか見えない『怪物』が全く登場しないなど、尺の都合もあるのでしょうが変更点がかなり多め。

ただ個人的にはこの改変は結構好き。
住田も茶沢も原作よりエキセントリックな性格でかなり狂気な方向に振れており、ラストシーンに至っては原作とは真逆の展開になっちゃってるんですけども、震災後の日本という世界観にわざわざ変更してストーリーにも大きく絡めてきてましたし、映画版でのエンディングは原作通りにするよりもこちらの方が合っているんだろうなと思いました。
原作とはやや離れた内容になっていますが(とはいえ原作再現シーンもそれなりに多め)、映画は映画でキチンと楽しめるようになっている作品になっていると感じます。

  
関連記事

0 Comments

Leave a comment