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12 2015

ゼブ・ウェルズ&ステファノ・カセッリ/ヤング・アベンジャーズ&ランナウェイズ:シビル・ウォー

ヤンアベランナウェイズシビル・ウォー表紙

「仲間の死はゲートだけで十分だ。
 そう思って“シビル・ウォー”からひたすら逃げてきた。
 汚ねぇ大人がどうなろうが知ったこっちゃなかったしな。
 そしたら、どうだい。有無も言わさず攻撃されて、仲間まで奪われた…
 やってやろうじゃねえか。たまには逃げずに…
 アベンジと行こうぜ」


WHOSE SIDE ARE YOU ON?

洋の東西を問わず、若者は常に自由を求める。
その気持ちは、超人であろうと変わる事はない。
そんな若者達が、己を縛るだけの超人登録法に反発するのは自然のなりゆきだったのだ。

西海岸を拠点に、家族の絆すらをも断ち切って自由に生きるランナウェイズ。
東海岸を拠点に、先達への憧れと自負心の狭間で揺れ動くヤング・アベンジャーズ。
登録法の制定は、この二つの若き超人集団を巡り合わせる事になる。
この出会いは何をもたらすのか?

注目の「シビル・ウォー」クロスオーバー第2シーズン、ここに開幕!

君はどちらに付く?


◆収録作品

2006年09月:Civil War: Young Avengers and Runaways #1
2006年10月:Civil War: Young Avengers and Runaways #2
2006年11月:Civil War: Young Avengers and Runaways #3
2006年12月:Civil War: Young Avengers and Runaways #4


◆関連作品過去記事
【シビル・ウォー】

◆もう一つの定期購読シリーズ
前にヴィレッジブックスの定期購読シリーズ第2弾「マーベル・マスト・リード」が始まったことをお伝えしましたが、実は今回もう一つ別ラインの定期購読シリーズもスタートしておりました。

それは「シビル・ウォー クロスオーバー・シリーズ第2期」!
「前に7冊ぐらい刊行したじゃないか」とか「せっかくシージまで翻訳をやりきったのにまたシビル・ウォーに戻るのか」とか色々思わなくもないですが、キャプテン・アメリカの新作映画が「キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー」に決定したのもあって、現在改めて注目が集まっている作品でもあるシビル・ウォー!
ここで便乗せずにいつ出すんだ!刊行するタイミングとしては何も間違っていない!

というわけでまさかの再スタートを切った、シビル・ウォークロスオーバーの邦訳タイトル1冊目として選ばれた「ヤング・アベンジャーズ&ランナウェイズ:シビル・ウォー」
さっそくレビューしていきたいと思います。
まずはザックリとしたあらすじから!

◆TEEN RESISTANCE
超人登録法に反対するテロ組織の指導者、フラッグスマッシャーがシールド隊員に突然攻撃を加え暴れだした現場に偶然遭遇した、ティーンエイジャー達で構成されたヒーローチーム“ランナウェイズ”。
チーム全員で協力し、見事フラッグスマッシャーを対峙したランナウェイズだったが、騒ぎを聞き付けて超人の捕獲にやってきた別のシールド隊員に襲われる羽目に。
そしてチームを守るために他のメンバーを逃し殿を務めたロボットと人間の融合体、チェイスはシールドの攻撃によって重症を負ってしまう。

場所は変わって登録法反対派のヒーローが潜伏する隠れ家。
キャプテン・アメリカの指示で監視業務に従事していたヤング・アベンジャーズの面々は、ランナウェイズがシールドに襲われた事を知り、すぐに救出に向かおうとするのだが、キャプテン・アメリカに「深刻な戦況なんだ。部下である君達の安全も守らねばならない。目の届く範囲にいてくれ」と却下されてしまう。
それでもヒーローがピンチに陥っている状況を見過ごせない彼らは、キャプテン・アメリカの指示を無視し、独断で救出に動くのだった。

モリーとヤング・アベンジャーズ

そしてランナウェイズのメンバー、モリーはヤング・アベンジャーズの面々と出会うのだが、彼女はテレビのニュースで「アイアンマン率いる現アベンジャーズは法に反する超人の逮捕に動いている」という情報を聞いていたため、ヤング・アベンジャーズも敵と思い込み、攻撃を仕掛けてしまう。
仕方なくヤング・アベンジャーズはモリーと戦う事になるのだが、この行動が結果的に更なる誤解を招いてしまい、ランナウェイズの残りメンバー全員と対峙せざるを得なくなるのだった。

ランナウェイズVSヤング・アベンジャーズ

一方その頃、シールドのマリア・ヒル司令官は極秘施設である異星人用の監獄、「キューブ」を訪れ、ウォーデン所長に接触。
クリー帝国の超人兵士、ノォ=ヴァアを解放してランナウェイズ逮捕に乗り出そうとしていた……

◆感想
ヤング・アベンジャーズの面々は過去の邦訳でも出番がありましたが、ランナウェイズが邦訳に出たのは本書が初めてだったので、かなり新鮮な一冊でした!

ランナウェイズのチームメンバーは全員ビランの息子、娘であり、設定もこれまた濃ゆくて面白い。
邪悪な魔法使いの娘であるゴスっ娘のニコ・ミノル。
マッド・サイエンティストの息子であるチェイス・ステイン。
悪しきミュータントの娘である怪力少女モリー・ヘイズ。
殺人ロボット、ウルトロンが人間のDNAを用いて作り上げた人間とロボットのハーフ、ビクター・マンチャ。
異性からの侵略者の娘であるカロリーナ・ディーン。
スクラルの武将の遺児であり、スーパースクラルの候補生でもあるエグザビン。
遺伝子操作で生まれた恐竜であるオールドレース。

ランナウェイズは第2シリーズのカバーアートが日本人にも馴染みやすい絵柄だということでちょっと話題になった事があって、僕もそれで作品の存在を知ったのですが、いや実際にコミックを見てるとホントみんな良いキャラしててかなりツボ。

ランナウェイズ第2シリーズ表紙
このカバーアートを担当したのは咎井淳
台湾生まれのイラストレーターです

ランナウェイズの面々は結構日本の漫画的なキャラクターが多くてスッと入ってくるね!
ステファノ・カセッリのアートもほんのり漫画的で普段読んでるアメコミとはちょっと雰囲気が違ってて、絵を眺めるというだけでも結構楽しめる。

ストーリー面では「最初反目しあっていたチーム同士が共通の敵に立ち向かうことで団結していく」という王道も王道のソレなんですが、活躍するキャラクターがベテランヒーローなどではなく、まだまだ経験の浅いティーンたちというのがね!
キューブの放ったノォ=ヴァア(マーベルボーイ)一人に全滅させられかけたりと、危なっかしいシーンが多くてハラハラする。

過去に刊行されたシビル・ウォークロスオーバーで描かれてきた「超人登録法の是非を問う」といったメインテーマ部分がこの作品では薄いのも特徴。
本作はそれよりも若手ヒーロー達の奮闘っぷりを堪能する一冊であると思いました。

VSマーベルボーイ

……最後にちょこっとだけ愚痴を。
本書、翻訳を担当した方がランナウェイズの設定にそこまで詳しくないのか、どうも違和感のある訳がなされている部分がちょこちょこあるようです。

※一例
解説書ではではニコの能力が「したい事を呟くとそれを叶える魔力を発動できるが同じ術は二度と使えない」と記載されているが、厳密にはニコの能力は「一度使った単語を用いての魔力発動が出来なくなる」というもの。この設定を踏まえて#4ではニコがビジョンに「データベースに辞書も入ってる?」と尋ねる台詞がある(原書では類語辞典)。

シソーラスも入ってる?

#1でのヤング・アベンジャーズとの戦闘シーンでモリーが「12歳だもん!私は怪力無敵少女だよ、13人はまとめて相手できるんだから!」と発言しているが、原書では「I'M TWELVE, JERK! AND I'M A MUTANT WITH SUPER-STRENGTH...SO THAT'S LIKE BEING THIRTEEN AT LEAST!」(13歳みたいなもんだよ!)と発言している。

13歳みたいなもんだよ!

#2冒頭でウィッカンが「(モリーを)眠らせただけだ」と発言しているが、原書でのセリフは「AND THEN JUST WENT TO SLEEP...」であり、モリーが勝手に眠っただけでウィッカンが眠らせたわけではない。
そもそもモリーは怪力能力を使用するとエネルギー消費の反動で眠くなってしまうという弱点があるキャラクター。
(これに関しては本書巻末の解説にも記載されているのに何故?)

寝ちゃったんだよ


あとこれは翻訳じゃなくて底本の問題らしいんですが、巻末のキャラクター解説というのが本作に登場していないキャラ(アレックス・ワイルダーやアイアンラッド)を扱ったり、登場しているキャラ(ニコ・ミノルやカロリーナなど)が未紹介だったりするよく分からない仕様なのもちょっと不満。
どうも別のTPBで残りのキャラの紹介文が載ってたらしいんですが、わざわざツイッターで「キチンとランナウェイズにも詳細な解説がありますよ!」とアピールしてたんだし、邦訳独自の仕様にしてちゃんと全キャラ紹介してほしかったな……

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2 Comments

アウル  

内戦の状況下でも、事態によってはヒーローとヴィランが共闘するという展開は使い尽くされたアイディアであっても安心して読めますね。
マーベルボーイとテラフォーマー、戦ったらどうなるのか興味あるのは自分だけかな?(・ε・)

2015/06/13 (Sat) 21:28 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>アウルさん
「マーベルボーイにはゴキブリの遺伝子が組み込まれている」って設定は本作で初めて知ったんでかなりビックリしました。
マーベルボーイはメチャイケメンなのにテラフォーマーズのゴキブリはブッサイク……一体どこで差がついたのか。

2015/06/14 (Sun) 09:28 | EDIT | REPLY |   

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