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07 2015

ミミ MIMI

ミミ予告編ミミ MIMI
【原題】La Bouche de Jean-Pierre
1997年【仏】


現在のパリ。
12歳の少女ミミは、母親と二人暮らしをしていた。しかしその母親は愛人と喧嘩し、薬を大量に飲んで病院に運ばれてしまう。
ミミはソランジュおばさんのアパートに引き取られることになり、毎日物置の狭いベッドにひとりで寝かされる。
一方でソランジュは大きなベッドで愛人ジャン=ピエールと寝ているのだった。そのジャン=ピエールは、ソランジュの居ない時にミミにいやらしく触ろうとする。ミミは嫌がるが、ソランジュは彼に従順であるようにと命じる。
ソランジュがジャン=ピエールと二人だけで過ごす時は、ミミは部屋から締め出される。そんな時ミミは、同じ階に住むアラブ系の青年の部屋に入れてもらうのだったが、時が経つにつれてソランジュとジャン=ピエールは、ミミに対してその青年との付き合いを禁じるようになってしまう。逃避する場所を失い絶望したミミは、とうとうある行動に出てしまい……

キャスパー・ノエ監督の『カルネ』で撮影を担当したルシール・アザリロヴィックが描く、童話“赤ずきんちゃん”を題材にした暗い雰囲気の映画。大人の男性であるジャン=ピエールから性的な目で見られるミミの恐怖体験が寓話的タッチで描かれていく、そんな一作。尺は52分と結構短め。

突然子供を引き取ることになったソランジュはミミに対して愛情が薄く、彼女の事を疎ましがっている。
愛人のジャン=ピエールはおじぶってミミを守る態度を見せつつも、ソランジュが不在の時は性的な関係を迫る厭らしい男。
この作品では童話の赤ずきんちゃんのようにミミを救ってくれる人物は現れず、ジャンがミミを襲おうとする緊迫したシーンに至っては長回しでねっとりと描かれ続けていました。
BGMもなく、淡々と息苦しい雰囲気を保ったまま話が進行していくため、終始不安感が拭われない暗~い作品。
ちょっとネタバレだけどラストも何か特に大きな展開があるわけではなく、唐突にドーン!と終わる。

原題が『La Bouche de Jean-Pierre(ジャン=ピエールの口)』とあるように、この映画の狼は作中での描写も含めて少女を食べようとする「ジャン=ピエール」の事を指しているのでしょう。
また、様々な登場人物の口のアップが何度か挿入されるのも印象的。それと「黄色」という色は本作のイメージカラーとなっていて、どの場面を見てもさりげなく黄色が用いられている凝りよう。
ストーリー展開と黄色を用いた画面作りからなる、視聴者を常に不安な気分にさせる映像センスは是非一度実際に見てもらいたいところです。

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