ツルゴアXXX

ARTICLE PAGE

04 2015

グレッグ・ルッカ&マイク・デオダート・ジュニア他/バットマン:ノーマンズ・ランド 2

ノーマンズ・ランド2巻表紙
「君たちの助けが必要だ。一人では無理だった。
 昔と同じ方法で私一人でやるべきだと考えていたが…間違いだった。
 今回の事態は個人の手に余る。ノーマンズ・ランドは巨大すぎる暗黒だ。
 ゴッサムに光を取り戻すには力を合わせるしかない。
 全員で」

英雄たちの帰還…!

大震災で法と秩序が失われ、“無人の大地”ノーマンズ・ランドと化した、ゴッサムシティ。
バットマンが戻ってきて、街の一部は平穏を取り戻しつつあったが、
相変わらずギャングは市民を脅かし、街の支配を巡るヴィランたちの縄張り争いは続いていた。
しかも姿を消していたバットマンに対する、ゴードン本部長の不信感はいまだ消えていない。
そんななかで、バットマンはついに仲間たちに招集をかける。ロビン、ナイトウィング、
そして正体不明の新バットガール……荒廃した街の支配を取り戻すために、
ギャングやヴィランとの戦いに乗り出すバットファミリー。
果たして彼らは愛する街を、底なしの絶望から救うことができるのか?

バットマン史上に残る壮大な叙事詩、第2巻!


◆収録作品

1999年06月:Batman Chronicles #17
1999年07月:Batman: Legends of the Dark Knight #119
1999年07月:Batman: Shadow of the Bat #87
1999年07月:Batman #567
1999年07月:Detective Comics #734
1999年07月:Young Justice Special
1999年08月:Batman: Legends of the Dark Knight #120
1999年08月:Batman: Shadow of the Bat #88
1999年08月:Batman #568
1999年08月:Detective Comics #735
1999年08月:Robin Vol.4 #67
1999年09月:Batman: Legends of the Dark Knight #121
1999年09月:Azrael: Agent of the Bat #56
1999年09月:Nightwing Vol.2 #35
1999年09月:Catwoman Vol.2 #72
1999年10月:Azrael: Agent of the Bat #57
1999年10月:Nightwing Vol.2 #36
1999年10月:Catwoman Vol.2 #73
1999年11月:Nightwing Vol.2 #37
1999年11月:Catwoman Vol.2 #74


◆関連作品過去記事
【バットマン:ノーマンズ・ランド 1】

◆Fruit of the Earth
90年代バットマンのクロスオーバー大作、『ノーマンズ・ランド』の第2巻がようやく発売!

1巻の発売が去年の10月だったんで、ようやく続きが読めて嬉しい限り。今か今かと待ちわびてました。
完訳(全4巻)されることは当初からアナウンスされていたんですが、思いのほかゆっくりと刊行していくみたいなんで今後もややスローペースで発売されていく事になりそう?

さてノーマンズ・ランドですが、前巻ではほぼ一人でこの荒廃したゴッサムで戦いに挑んでいたバットマン。
この第2巻でようやく「一人で戦うことの困難さ」を思い知り、ついにゴッサム外にいたバットファミリーにも招集をかけて協力を仰ぐという行動に出てくれます。

バットファミリー緊急招集
バットファミリー緊急招集

本書ではナイトウィング(初代ロビン、ディック・グレイソン)、現ロビン(3代目、ティム・ドレイク)が本格的にストーリーに絡み、彼らを主役としたエピソードも展開。

またキャットウーマンもバットマンからの連絡を受ける形で登場。
ニューヨークからゴッサムへとはるばるやって来てすぐにニューヨークに戻ってゴッサム復興に必要なデータの入ったディスクを入手してほしい」と物凄い振り回され方をされ、さすがに彼女もカンカンになるのですが、「君が必要だ」という甘い言葉と熱いキッスであっさりほだされてしまうチョロ可愛さを披露してくれます。
というか本作でのキャットウーマンのストーリーは全体的にコミカルで、現地調達したちょっと間の抜けた部下3人を引き連れてのギャグ調な戦いが非常に面白かったり。シリアスなノーマンズ・ランドのストーリーの中で屈指の癒やしパート。

キャットウーマン編以外にもシリアスな笑いはあったりするんですけどね。
前巻でペンギンのビジネスの一つを潰し、彼の縄張りの真のボスとして君臨したバットマン。
バットマンはあらゆる取引の情報を提供してもらう約束を取り付けたわけなんですが、この2巻ではペンギンの元を訪れる度に暴力を振るうのがもはやお約束な流れになっていてちょっと吹いてしまった。ペンギンの身体はもはやボロボロ。
それと1話だけ少年ヒーローチーム、『ヤング・ジャスティス』を主役とした快活なエピソードも用意されており、今回は明るいノリの話もちょっと多い印象があります。

とはいえノーマンズ・ランドの本筋は、法と秩序が失われ荒廃したゴッサムシティでの国盗り合戦。
基本的にはシリアスなストーリーが展開されていきます。
前巻に引き続き、短編~中編の複数のエピソードを積み重ねて構成されているため、個人的に気に入ったエピソードをいくつか軽く紹介。

まずは前巻から続いていた新興宗教の教祖、ニコラス・スクラッチとの戦いに決着が付くアズラエル編、「予言された夜」「スクラッチの失墜」
市民に食料や医薬品を与え、彼らの心の隙に入り込み、さらには武器を配って新たな王国を築こうとしているスクラッチの野望をアズラエルは食い止める事が出来るのかというエピソード。
優しい心を持ちながらも、暴力でしか物事を解決することが出来ないアズラエルを理解してくれる女医レスリーとの会話シーンが特に好き。

次は「オンエアされた真実」というエピソード。
「今放送を見るものは誰もおらず、無駄だとわかっていながらも」このゴッサムという被災地の状況を伝える番組を自分のテレビスタジオから毎週放送している、ジェンキン・イエーツという男を主役にした短編。
自分一人でロケを行い、この街の復興に務めたり希望を与えようと行動している人々を紹介するこの番組に注目したバットマンは、こっそりこの番組を全国ネットワークに流し、外の世界にゴッサムの現状と真実を知れるようにする……という、戦い以外のやり方でゴッサムを救う方法を試すお話です。
ゴッサムに居る英雄はバットマンだけではないという描写が心に響く一編です。

ノーマンズ・ランドの英雄

「バットマンの正体はブルース・ウェイン」という事を偶然知った精神科医のクライダー博士がトゥーフェイスにこの情報を与え、代わりに身の安全と食料を要求しようとする「暴かれた素顔」というエピソードは10ページと短めながらなかなか後味の悪さを残してくれるダークなお話。
クライダー博士がデカイ情報を掴んだ事は確かなんですが、果たして今のこのゴッサムシティでこの悪魔の取引が成り立つのかというと……

最後に「恵みの大地」という全三話からなる中編ですが、こちらはバットマンとロビンがポイズンアイビーと協力してクレイフェイスと戦うという少し珍しい展開が楽しめるエピソード。
ノーマンズ・ランドでのアイビーは親を失った子供を引き取り、公園を拠点に自身の能力で食料を栽培しており、単純に悪人とも言い切れないポジションになっているのが面白い点です。

◆感想
どうせならキャットウーマンの部下になりたい
いい笑顔をする小悪党's

1巻に続いて2巻も満足感のある1冊だった!
満足感の理由は単純にページ数が多いからというわけではなく、エピソード1つ1つの水準が高いというのが大きい。

この2巻では物語が本格的に動き出し、新バットガールの正体判明やカサンドラ・ケインの初登場など怒涛の展開が目白押しなのですが、ゴードン本部長のモラルや法に従ったやり方についていけず、とうとう袂を分かったSWATチームの隊長ウィリアム、バットマンの下につかず自分のやり方で戦いを続けるハントレス、ミス・ホワイトという謎の女性に依頼されてゴッサムへの帰還を決めるベイン、本書だけではまだ完結しないロビン、ナイトウィング、キャットウーマン編など、次巻への布石も大量に打たれているため、今から続きが読みたくてたまらないです、
3巻は年内に発売してくれるといいんだけどな!(期待)
関連記事

2 Comments

No Name  

周囲にはそっけない割りにゴードンに拒絶された時は結構凹んでそうなバッツが少しカワイイ・・・・・・一方キャットウーマンは軽々と躍らせたりして落差が妙に笑えます。

早く3巻が出て欲しいですねえ・・・・・・(これが言いたかった)

2016/04/13 (Wed) 05:03 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
ノーマンズランドはちょくちょくバッツの人間臭い一面が垣間見れるエピソードが多くてニヤニヤ。それだけに思っていた以上に刊行がスローペースなのが辛いですねぇ…ボリュームもあるし補足解説も大量に必要な作品なんで、やっぱり翻訳に時間がかかるのかな。
それでも3巻が冬発売とは思わなかった。

2016/04/14 (Thu) 22:30 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment