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24 2015

グレッグ・パック&ジェイ・リー他/バットマン/スーパーマン:クロスワールド(THE NEW 52!)

バットマンスーパーマンクロスワールド表紙

『僕は無力だ。このまま見殺しに……ウェインの声だ』
「飛ぶんだ、ケント!」
「飛ぶ?バカな。さっき君も言っただろ…」
「スーパーマンが泣き言か?不可能を可能にしてみせろ!」


“二つ世界”頂上決戦。

二大スーパーヒーローであるバットマンとスーパーマン……本書は二人が出会う以前の物語である。『ジャスティス・リーグ:誕生』で初めてスーパーヒーローチームを結成し、ダークサイドと一戦を交える前の物語。バットマンは経験が浅く、スーパーマンは空の飛び方すら知らない、そんな時代である。だが、これはプライム・アース(現行世界/ニュー52)でのことだった……。

謎の女神によって“ニュー52”のバットマンとスーパーマンは別次元に転送されてしまった。そこは奇妙な並行世界だった。一見、元の世界と変わらないように見えるが、この世界はとてつもない危険をはらんでいたのだ……。互いの存在すら知らなかった地球最高のヒーローである二人は、初めて手を組むことになる。
しかし、現行世界に戻るためには、別世界の自分たち――つまり“アース2”のバットマンとスーパーマンとも協力しなくてはならなかったのだ……!“二つの世界”が交差するとき、いったい何が起こるのか!?


◆収録作品

2013年08月:Batman/Superman #1
2013年09月:Batman/Superman #2
2013年10月:Batman/Superman #3
2013年11月:Justice League Vol 2 #23.1: Darkseid
2013年12月:Batman/Superman #4


◆関連作品過去記事
【ジャスティス・リーグ:誕生(The New 52!)】

◆二つの世界・二つの時間・二つの物語・二つの未来
2016年に公開予定の映画『バットマン v スーパーマン: ドーン・オブ・ジャスティス』の話題に乗っかったのかどうかは分からないけれども、闇の騎士と鋼鉄の男、2大スーパーヒーローが共演・共闘するニュー52作品が突然の邦訳!
じわじわニュー52の邦訳が充実し始めてきたのは嬉しい限り。

時系列は現代から5年前に設定された『ジャスティス・リーグ:誕生』からさらに過去に遡っており、バットマンとスーパーマンの初めての出会いを描いております。本作のスーパーマンはなんと22歳!若い!
ただ『ジャスティス・リーグ:誕生』では明らかにバットマンとスーパーマンが初対面のように描かれていたため、本作が初対面エピソードとなると「ジャスティス・リーグ誌の描写と矛盾してしまうんじゃないか?」という疑問を持った方もいるでしょうが、そこら辺はちゃんと作中でフォローされているんで気にしない!
後付け設定で無理やり辻褄合わせを行うのはアメコミではいつものことだからね!気にし過ぎると死ぬ。

リスタートを切ったニュー52作品の1巻目ということもあって、登場人物のバックグラウンドを知らなくても話に入り込みやすい……と言いたいところですが、本作は若かりし頃のスーパーマンとバットマンが謎の女神・ケイヨの力によって突然並行世界『アース2』に召喚され、並行世界のもう一人の自分たちと出会い元の世界とは異なる自分の境遇に驚くなどといった展開が盛り込まれているため、多少はニュー52版の設定を知っていたほうが楽しめるかもしれません。

死んだ父と出会うクラーク
ニュー52でのスーパーマンは育ての親・ケント夫妻を事故で喪ってしまっている
そんな彼が突然迷い込んでしまった並行世界『アース2』で生きている二人と出会うのだった

他にも「アース2のバットマンはキャットウーマンと結婚している」といったリランチ前のアース2ネタを引っ張ってきているのにも注目したい。

セリーナと結婚したブルース
The Brave and the Bold #197より

ニュー52に突入してからDCの世界観設定も一新され、DCユニバースの重要設定の一つであるマルチバース(多元宇宙)はどのくらいの数が存在しているのかが不透明になっていたのですが、ニュー52の立ち上げから一年経って『Earth 2』というコミックが創刊されたことにより、ようやく『アース2』という世界が存在することが判明。その後もモリソンによる『The Multiversity』という作品にて、いよいよニュー52でのマルチバースの全容が明らかになりつつあります。
本作はニュー52の世界観の広がりの一端に触れることが出来るため、チェックしてみて損は無い一作ではないでしょうか。

◆感想
本作はまだまだ青く未熟なスーパーマンとバットマンのやや危なっかしいコンビプレーが見ていて楽しいんですが、個人的にはアース2のベテランヒーローとなっているスーパーマンとバットマンの二人の描写が正史とはまた異なる関係性となっていて面白い部分でした。
幼少の頃からお互いを知っている20年来の親友という設定はなかなか新鮮。

20年来の親友

上記の回想シーン以外を担当しているジェイ・リーの独特なタッチのアートも、並行世界に迷い込むといった奇妙な展開と絶妙にマッチしていると思いました。
この人のアートは全体的にキャラが細身に描かれていてカッコイイというより美しいなぁ。

本書のラストには『ジャスティス・リーグ』の番外的エピソードとして『Justice League Vol 2 #23.1: Darkseid』が収録。内容は『ジャスティス・リーグ:誕生』で強敵として立ちはだかったヴィラン・ダークサイドのオリジンが明らかになる重要エピソード!
本編の展開といいこの番外エピソードといい、『ジャスティス・リーグ:誕生』の前日譚的な側面も強い一冊なので、ニュー52版ジャスティス・リーグの邦訳を読んでいた人は本書に手を出しておく事をオススメします。
本作では直接対峙しないのにもかかわらず存在感を醸し出すダークサイドはやはり大物ヴィランだった。

余談ですが本シリーズ、『バットマン/スーパーマン』は向こうでは既に2巻目、そして来月には第3巻が刊行予定。

 
ハントレスやパワーガールが登場、ヴィラン・モンガルとの戦いが描かれる
さらにモンガルの息子・ジョチも現れ……

このところ小プロはマーベルナウ!ホークアイニュー52版フラッシュなど最新作のつまみ食い的な邦訳が多いけど、1巻で打ち切らず今後も追いかけてくれるのかが気になる所です。
【Batman/Superman エピソードリスト】
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