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15 2013

ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE

ピューと吹くジャガー映画版ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE
2008年【日】


うすた京介による同名のギャグ漫画を、なんと要潤主演で実写映画化した作品。2007年~2008年頃にはアニメ化もされていた(ただしOVAかつコンビニ限定販売)のもあってか、唐突にアニメパートも挟まれていたりします。
ちなみにアニメは蛙男商会によるもの。

ミュージシャンを志す酒留清彦は、進学も就職も蹴って今まさに崖っぷちの状態の青年。
ギター1本であるオーディションに参加するのだが、そこでたてぶえを持って暴れている一人の男・ジャガージュン市と出会う。
オーディションの結果、清彦はガリクソンプロダクションという養成所に籍を置く事になるのだが、ギター科に入るつもりだった彼は養成所の男・三太夫セガールに嵌められてしまい、「ふえ科」に在籍することになってしまう。
そして清彦はふえ科で講師をやっているジャガーと再会するのであった。
ふえ科には他に謎のヒップホップ忍者・ハマーや、謎のアイドル志望の女の子・高菜という個性的な面々が在籍していた。
清彦はロックな生活を目指していたにもかかわらず、ふえ科の面々と共に過ごすうちにいつしか馴染み始めてしまう。
…のだが、養成所の赤字の原因であるふえ科に廃止の通告が来てしまい、存続させるためには赤字分を埋める授業料を払わなければいけないことに。
そこでジャガーは、お金を作るために美術館に展示されている珍笛『ルイ14世の長っ鼻』を強奪する計画を立てる。
だが、珍笛を狙うのは彼らだけではなかった…

…という風に、基本的に映画版は珍笛を巡るオリジナルストーリーが中心で、断片的に原作の名シーンが再現されていくといった内容。
しかしその名シーンも微妙な改変が入ってしまっているため、原作ファンが喜べる代物とはおおよそ言い難いです。
未読者は正直ついていけないはず。
いきなりぶっこまれるビリーと宗教団体『すごい光』のおばちゃんとの会話シーンとか、ションボ~リ山本のシーンとか、唐突過ぎて何が何だか分からないはずです。
というか既読者の僕ですらシュール以前に意味不明な構成過ぎて混乱しました。
ラストではこれまた唐突にミュージカルが始まります。とことん意味が分からない。
小道具とかは原作ネタが見られて変なこだわりを感じるのに…

原作では薄めだった下ネタ要素や、妙にエグい暴力シーンが盛り込まれているのも特徴。
特に影千代先輩(演じているのは板尾創路)がジャガーの一味と勘違いされて、恋人と一緒にチンピラのグリグラ(両方ともオリジナルキャラクター)からリンチを受けて重傷を負ってしまうシーンは、元がギャグ漫画とは思えぬ凄惨な描写となっていて正直引いた
もちろんこれも完全にオリジナルの展開。

余談ですが、チンピラの『グラ』役を演じているのは、再ブレイク前の有吉だったりします。
監督はバラエティ番組でよく名前を見るテレビディレクターのマッコイ斉藤ですし、仲がいいのもあって声をかけたんでしょうね。
(ちなみに『グリ』役はデンジャラスの安田)
ジャガーの世界観に全くあってない狂演技自体はそれなりに必見。

本映画のキャスト自体は皆結構ハマってて嫌いではないんですけどね。
要潤の演じるジャガーとかおぎはやぎの小木が演じるハマーとか、なぎら健壱演じる三太夫セガールとかは原作そのままな外見でしたし。
カルーセル麻紀が演じるキングダム公平は外見も中身も完全に別キャラだったけど!

肝心の演技を見てると、どのキャストもぶっちゃけ原作を殆ど知らないんじゃないかと思いました。
加えて脚本自体も原作のシュールさを再現するのではなく、よく分からんドタバタ劇に終始していましたし。

というわけで、狙ってB級風味の映画にしているのに完全に滑っているせいでとんでもなくお寒いコメディ映画になっている一作でした。
…あ、でもエンディングテーマを歌うトモフスキー『脳』はいい曲だったなぁ。
トモフスキーというアーティストを知れたのは収穫だったかも。

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