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17 2013

名探偵コナン ベイカー街の亡霊

ベイカー街の亡霊名探偵コナン ベイカー街の亡霊
2002年【日】


アニメ『名探偵コナン』の劇場版第六作であり、セル画で制作された最後の作品。
脚本はテレビドラマやミステリー小説の分野で高い評価を受けている野沢尚氏が手掛けています。

コナンの父・工藤優作がシナリオを提供した仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーに招かれたコナン達。そのパーティーには今後の日本の未来を担うことになるであろう、警察官僚や政治家の二世・三世が勢揃いしていたのである。そのパーティーに最中に殺人事件が発生し、コナンは被害者のダイイング・メッセージを見て、事件の手がかりがゲームの中にあると推理し、皆と一緒にコクーンに乗り込むのであった。
だが、ゲームが始まった途端にシステムが人工知能「ノアズ・アーク」に占拠され、コクーンに乗り込んだ50人の子供たちが人質に取られてしまう。
「日本という国のリセット」を目論むのアズ・アークは、「プレイヤーである子供たちが一人でもゲームをクリアすることができなければ、プレイヤー全員の脳を破壊する」と宣言した。
コナン達は、用意された5つのステージの中から『19世紀末に実在した殺人鬼・切り裂きジャックを追いかける』という「オールタイム・ロンドン」を選択し、命懸けのゲームに挑む。
一方、現実の世界では優作たちが殺人事件の捜査に乗り出していた。
ゲームの世界と現実の世界、2つの世界でコナンと優作が事件の解決に動き出す。
…というストーリー。

舞台が体感ゲームの中であり、命を懸けたデスゲームという設定が打ち出されている劇場版の中でもかなりの異色作となっており、仮想世界とはいえ、コナンのキャラクターの設定上作るのが難しい『海外が舞台』のエピソードとなっている点が特徴的。
ゲームの世界という事で、シャーロック・ホームズやモリアーティ教授、ジャック・ザ・リッパ-といった有名なキャラクターや人物と共演しています。しかもかなり重要な役割として。
また、本作では最初から(現実世界で起こっている事件の)犯人が判明している倒叙形式で描かれており、優作が少しずつ真相に近づいていく描写がまた面白いのです。

ゲーム世界の方ではいつものコナンの便利グッズが使えない設定になっており、純粋に推理だけで殺人犯・切り裂きジャックを追い詰めていく展開になっています。
(時代設定に細かい矛盾はあるのですが)ホームズとその当時のロンドンを自然な流れで話に盛り込んでいるため、映像から漂う全体的な雰囲気がまた堪らないです。

反面タイトルの亡霊の意味や、ヴィクトリア朝の洋服を着ていたアイリーンについての説明、序盤では反発していたエリートの子供達の心境の変化などに関する描写がちょっとおざなりになっているのですが、これは原脚本をそのまま全て採用しようとすると107分の尺に収まらないため、泣く泣くカットされたためなのだとか。
また、上記で異色作と述べたように『どこかコナンらしくない』雰囲気についてですが、これは脚本の野沢尚氏が『名探偵コナン』をあまり熟知しておらず、登場人物各人の行動や台詞の言い回しに違和感があったのをアニメスタッフが大幅に追加・修正しても残ってしまったためとのこと。

【◆◇◆ 『ベイカー街の亡霊』感想 ◆◇◆】(※『Side-W』
↑上記のサイトに原脚本を読んだ方の感想文が掲載されている。

2013年7月17日現在、劇場版コナンの中で唯一といっていいほどSF要素が強いこの『ベイカー街の亡霊』。推理要素よりもアクションに比重が置かれている所為なのか実は結構賛否両論なのですが、個人的にかなり好きな一作です。
…もっと長尺で作ることが可能だったら、より内容が詰まった作品になっていたんだろうなぁ。
何らかの形で原脚本を読んでみたい。

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