ツルゴアXXX

ARTICLE PAGE

17 2014

不思議惑星キン・ザ・ザ

不思議惑星キン・ザ・ザ予告編不思議惑星キン・ザ・ザ
【原題】Кин-Дза-Дза 1986年【ソ連】


妻に頼まれ夕飯の買い物に街へ出た建築技師ウラジーミル・マシコフに、「あの人が変なことを言ってます」と音大生のゲデバンが助けを求めてきた。
浮浪者のようなその男は、自分は空間転移装置の事故で異星から飛ばされてきた者で、自分の星に帰りたいと2人に話す。
そんな話など信じないマシコフは、男が持っていた“空間移動装置”のボタンを押してしまい、キン・ザ・ザ星雲の惑星ブリュクに飛ばされてしまうのだった!
この惑星ブリュクでは、なぜかマッチが貴重品。貧富の差も厳しく、貧しき者は富める者に対して、怪しげなポーズに“クー!”という奇声を発して挨拶しなければならない(ここでは土下座並に屈辱的な挨拶なのだ)。
果たして二人は、この砂漠だけの惑星から無事に地球へ帰りつくことができるのか?

ゲオルギー・ダネリヤ監督が制作したディストピアコメディー・SF映画。ソ連全土で1570万人もの観客動員数を誇り、その後世界中でもカルト的な人気を獲得している一作です。
映画に出てくる“クー!”という挨拶や異星人の珍妙な身振りはロシアでは未だに一発ネタとして通用するとかなんとか。

主人公のウラジーミルとゲデバンがもの凄く唐突に別の星に飛ばされ、地球に帰る方法を模索しながら異星人達と出会い、妙に頭に残る言語や身体表現を獲得していくんですが、これが「どういう発想から生まれたんだ」と言いたくなるような文化ばかりで思わず吹き出してしまう。
1本の映画でありながら全2章構成というのも珍しい。途中でいきなり用語解説が挟まれる映画なんて初めて見ましたよ!

【チャトル=パッツ語小辞典】
カツェ:マッチ
ツァーク:鼻用小鈴
エツィフ:囚人ボックス
エツィロップ:権力者
ペペラッツ:宇宙船
グラビツァーパ(加速器):宇宙船モーター部品
キュー:公言可能な罵倒語
クー:残りの表現全部
※解説には出ませんがルツは「燃料」、チャトルは「通貨」です。

壮大なSFのはずなのに、作中に登場するのはほとんど砂漠に退廃的な建物、そしてポンコツな機械ばかりでこれまた独特な雰囲気。
そして何故かマッチが大きな価値を持っており、主人公たちがこの星で行動するためのキーアイテムになっている。

言葉も文化も違う世界で珍道中を繰り広げていく、終始超不条理なSFコメディ。個人的にはだらだら見て楽しむタイプの映画だと思いました。
異星人とのやり取り、そして異星の飛行艇や地下都市のデザインが秀逸なので、こういう奇妙な世界観がツボな人にはオススメ。
旧ソ連時代に作られた作品なのもあってか本作には貧富の差や身分制度による差別といった要素があり、当時のソビエト社会を皮肉ったかのような描写もちょくちょく見られます。
権力や金がモノを言う共産主義に対する皮肉が込められている……ような気がする。

ちなみに本作、監督自身の手により2013年2月13日に『クー!不思議惑星キン・ザ・ザ(Ку! Кин-дза-дза)』というタイトルでアニメ映画としてリメイクもなされました(日本では未公開)
見てみたいぞコレ……



関連記事

0 Comments

Leave a comment