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14 2014

バッドサンタ

バッドサンタ予告編バッドサンタ
【原題】Bad Santa 2003年【米・独】


酒と女が大好きな前科者のウィリーは、毎年サンタクロースの格好をして、妖精に変装した相棒のマーカスと共に、クリスマス・シーズンのデパートで勤務しつつ金庫泥棒を働いている。今年はアリゾナ州フェニックスのデパートに狙いを定めていた。
2人を迎えたマネージャーのボブは、ウィリーの最悪の勤務態度に呆れ果てるが、マーカスの口車に乗せられてクビにすることができない。荒れた日々の中でウィリーは、サンタ好きのセクシーなウエイトレス、スーと付き合うようになる。
しかしある夜、定宿のモーテルに捜査の危険を察したウィリーは、サンタの客としてよく来ていたイジメられっ子の太った少年キッドの家に身を隠すことになる。ボケた祖母と大邸宅で2人暮らししているキッドとウィリーの間には、奇妙な心の交流が生まれていく。

***

女に目がなくて、どこでもセックスをおっぱじめるだけでなく大酒飲みのアル中で、極めつけは金庫破りの常習犯というクズ男、ウィリーを主役に据えたブラックな雰囲気のコメディ映画。
監督はアンダーグラウンドコミックの第一人者、ロバート・クラムを扱ったドキュメンタリー映画『クラム』やダニエル・クロウズのコミック原作『ゴーストワールド』を映画化したテリー・ツワイゴフ。
さらにエグゼクティブプロデューサーにコーエン兄弟を迎えている豪華な一作です。

だらしのない“バッドサンタ”が一人の少年、キッドと出会ったことにより、主人公は心の奥底に隠された暖かな情感を取り戻していくという、過激なギャグを盛り込みつつもハートフルな展開になっていくのだろう……
と思ったら主人公のクズな性根は全く変わらなくて驚かされる凄い映画でした。

いや多少は意識の改善といったものは見られるんですけどね。こう、一緒に暮らし始めたからといってキッドと急速に仲良くなるといった展開もなく、ウィリーはキッドとの接し方がわからないまま話が進行していくんですよ。
そもそもウィリーがキッドの家に居候し始めたのもボケた老婆との二人暮らしであり、キッド自身はいじめられっ子で友人が訪ねてくることもないから隠れ家にうってつけだとかそういう理由ですしね!

で、前述したように少年と交流していくことで多少は意識が変わっていくのですが、クズな性根に変化は無いので家に女を連れ込みまくるし、キッドがいじめっ子に殴られたと知った時は大人の解決法を見せつけるわけでもなく、ただ「年下のガキボコって面白いか!?あぁ!?」とか言いながらボコボコにする。
もう徹底して子供に優しいサンタクロース像を破壊しまくってます。ダメだこの大人!

小人症の人を皮肉った差別的なジョーク、クリスマス物でありながら基本的にダメ人間の生活を淡々と映していく作品なため、コメディといっても笑いの方向性はちょっと独特。
個人的には自分の笑いのツボとあまり合わなくてそこまで楽しめた映画ではなかったです。
とことんクズな主人公の行動を見て笑うことができるかがキモかな!
ラストの「間違って買ってきてしまったピンク色のゾウの人形が血で滲んで……」の演出とかは好きなんですけどね。終盤のこのプレゼントの下りやら、キッドの「いじめっ子を倒したい」といった願いをきっちりと叶えたあたりはちゃんとサンタしていた。

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