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08 2015

パーフェクト・ブルー

パーフェクト・ブルー予告編パーフェクト・ブルー
1998年【日】


アイドル・グループ、チャムから独立し、女優へ転身を図った未麻の初仕事は連続ドラマ出演だった。事務所の社長のプッシュで重要な役回りをゲットした彼女は、その見返りにアイドル時代には考えられないような、大胆なレイプ・シーンを演じなければならなくなる。それでも、元マネージャーのルミの反対を押しきり、役に挑戦する未麻。その甲斐あって、彼女の女優としての知名度は鰻登りに上がり始めるのであった。
ところが、それと同時に彼女の身辺で怪事件が続発。脚本家の渋谷やヘアヌード・カメラマンの村野が殺害され、インターネットの彼女に関するホームページでは、何者かが彼女の名をかたって詳細な日記を書き綴っていたのだ。
不安を募らせていく未麻は、やがてアイドル時代の自分の幻影と、熱狂的な追っかけの男の存在に脅え始める……

竹内義和の小説『パーフェクト・ブルー―完全変態』を原作とした、今敏のアニメーション監督デビュー作品。暴力的要素とアダルトな要素が多いため、国内ではR-15、その他多くの国ではR-18に指定されているサイコ・サスペンス映画です。
監督は原作に目を通さずざっくりとシナリオを読んだだけであるため、話の展開は原作小説と大きく異なっているとのこと。
(原作者からも作中にある「アイドル」「ホラー」「熱烈なアイドルのファン」という要素を押さえてくれるなら好きなように買えていいと言われていたとか)

劇中劇を交えつつ、主人公の未麻が直面する虚構と現実、夢と幻などが複雑に絡み合い、彼女が精神的に追い詰められていく様をショッキングに描いていく内容。
98年の作品でありながら「ストーカー」や「インターネット」といった物を作中に取り入れているのも特徴です。
終始徹底してリアリズムに溢れており、また未麻が現実と夢をだんだんと認識できなくなるという描写は受け手であるこちらまで混乱させられるように作られていて没入感が凄いです。
単純なサイコホラーに終わらず、最後までこちらを惹きつける演出や展開が待ち受けているため目が離せなくなる作品でした。
グロテスクは表現も多いし、色々尖っている所もあるので万人受けする映画ではないかもしれませんが、個人的にはオススメの一作です。

ちなみに2010年の米映画『ブラック・スワン』にて本作に似通った演出が多数盛り込まれており、その類似性を指摘されるという出来事があったりしました。
これに関して監督のダーレン・アロノフスキーは類似性こそ認めたものの、「影響は受けていない」と返していたりします。

【Darren Aronofsky Q & A (And Day Two of Philly Film Fest)】
【映画『ブラックスワン』の“元ネタ”疑惑について調べてみた】

しかしアロノフスキー監督は過去にパーフェクト・ブルーのリメイク権を獲得していたり、2001年には今敏監督と対談を行っており、彼の死後発売された『今敏アニメ全仕事』では哀悼コメントを贈っている方なんで、やはり意図的に似せているんじゃないかな―と思ったり。

  
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