ツルゴアXXX

ARTICLE PAGE

24 2011

マイケル・グリーン&デニス・コーワン他/バットマン:ラバーズ&マッドメン

表紙_convert_20110324210526

「あんたのおかげさ。
 あんたがコウモリごっこを始めるまで、
 俺は自分が何をしたいのかわからなかった」


バットマンがゴッサムシティの守護者となってから10か月が過ぎ、街はいつしか平和を取り戻せるかに見えた。だが謎の犯罪者"ジャック"の出現が、その微かな希望をも打ち砕いてしまう。
バットマンに執着し、無差別な犯罪を繰り返すジャックは、ついにはブルース(バットマン)の恋人まで手にかけていく。ジャックの狂気を止める術は無いと判断したバットマンは彼にある罰をくだした。
それが最凶の犯罪者"ジョーカー"を生み出すことになるとは知らずに......。


◆収録作品

2007年09月:Batman Confidential #7
2007年10月:Batman Confidential #8
2007年11月:Batman Confidential #9
2007年12月:Batman Confidential #10
2008年01月:Batman Confidential #11
2008年02月:Batman Confidential #12


◆異伝・ジョーカーオリジン
ジョーカーのオリジンが描かれるという触れ込みの「ラバーズ&マッドメン」
でもジョーカーのオリジン自体はすでにアラン・ムーアが「キリングジョーク」で描いていますよね。

しかし!
ジョーカーというキャラクターは狂気にまみれたキャラクター。
現在はその記憶も混濁してしまっており、
「キリングジョーク」で描かれた過去が真実かどうかなんて誰にも分からないわけです。

「だからもっと色々な解釈が存在してもいいじゃないか」
「色々なジョーカーがあっても良いじゃないか」


本作ではジョーカーの狂気の「恐ろしい面」をクローズアップして描いています。
小粋なジョークで読者をクスリとさせながら「HAHAHA!」と高笑いするジョーカーではないため、
完全に狂っているがために先の行動が予測できないというジョーカーの恐怖が伝わってきます。

ペンシラー(作画)担当のデニス・コーワンと、
インカー(ペン入れ)担当のジョン・フロイドが合わさって出来た絵はなんともインパクトがあります。

表紙2_convert_20110324212451
原書版表紙
ちなみに第4章の表紙絵でもある

こういうアクが強い絵は僕大好きです。

◆LOVERS & MADMEN
ブルースがバットマンとなり、ゴッサムで悪と戦い続けてから42週間が過ぎた。
あらゆる学問、訓練、書物に精通する事によって犯罪者の手法と動機を予測し、
さらに極限まで鍛え上げた肉体で戦う事によって犯罪者はバットマンを恐れるようになり、
ゴッサムシティは平和を取り戻しかけていた。

そんなある日、ゴッサムの宝石店で強盗殺人の事件が発生する。

110324_213255_convert_20110324213609.jpg

2人の親子が銃で殺されるという無残な事件であったが、
強盗に成功しているのにもかかわらず何も盗んでいないという不可解な事件だった。

バットマンはこの謎の事件も自分の頭脳で必ず解決できると考え、ゴッサムで悪党と接触したり、
被害者の背景を徹底的に調べ上げる事で答えが見つかると信じ調査を続けたのだが、
その甲斐もなく犯人に近づく事はできなかった。

110324_213350_convert_20110324213621.jpg

ゴッサムに現れた新たな犯罪者、
"ジャック"は数週間のうちに冷酷で理解不能な完全犯罪を何件も起こし続け、
平和を取り戻しかけたゴッサムを新たな恐怖に陥れた。
行動が読めない犯罪を続けるがために後手にまわり続けてしまうバットマン。
ついには恋人である"ローナ"までもジャックの手にかかってしまう。

バットマンはジャックの狂気を止めるためにある行動に出る。
それが結果的に最凶の犯罪者、"ジョーカー"を生み出してしまう事になるとは知らずに…

◆他に登場するヴィラン
本作にはジョーカー以外のヴィランも少し登場します。
といっても犯罪者として登場するわけではなく、いち市民としての登場ですが。

はーリーン_convert_20110324221032

「ハーレイ・クイン」となってジョーカーに付きまとう娘だった「ハーリーン・クインゼル」
本作では酒場で悩んでいたジャック(ジョーカー)の愚痴を聞いてあげ、
アドバイスを施すといった役どころに留まっています。

ハーレイ
マッドラブで見れたおバカっぽさはどこへやら

ジャックの「人生が楽しくない」といった悩みに応えてあげたハーリーンは
実質"ジョーカー"を生み出してしまったもう一人の犯人とも言えるんでしょうかね。

まさかジャックが無差別殺人の犯人とは思いもしなかったのでしょうが。

きみはじつにばかだな_convert_20110324222105 スケアー_convert_20110324222132

「スケアクロウ」である「ジョナサン・クレーン」も登場。
神経化学科の研究者として、バットマンにジャックの心理を教える役で登場します。

…ジャックを『立派なソシオパスと断定し、
アドバイスを求めたバットマンに対して「先手を打つことは不可能だよ」とばっさり切り捨てたがために、
バットマンが自分で手を下す事をあきらめ、その結果"ジョーカー"誕生に繋がってしまうんですけどね。

ちなみに、アーカム精神病院を刑務所に改装する計画を立てているという設定も追加されています。
ヴィランとなる人間が新たなアーカムを作ろうとしているとは皮肉が利いてます。

◆感想
同時発売だった『ジョーカー』と一緒に購入したのですが、
当初楽しみにしていた『ジョーカー』よりも楽しめた作品です。
結局正史ではなくIF扱いの作品ですが、こういうオリジンもアリかなと。
※本作品も正史として扱われているようです ご指摘ありがとうございます>>とおりすがりさん
※『バットマン:梟の法廷』の解説によると本作は「異世界を舞台にした作品」との事らしいので再修正させていただきました。

しかし3月だけでバットマン作品が3冊も刊行されるとは。
所持してるアメコミがバットマンだらけになってきました。
アメコミではバットマンが一番好きなんで良いんですけどね。(笑)

無関係な話ですけど本書を買いに走った際、
アメコミを仕入れている贔屓の本屋では見つからず、
仕方なく別の本屋で購入したんですがなぜか「イラスト集」の棚で売られていました。

確かに絵を眺めるってのもアメコミの楽しみ方のひとつではあるけども!
哀れな病人ども_convert_20110324223832

関連記事

2 Comments

とおりすがりいいいいい  

No title

初めてこのブログをよませてもらいました
確かラバーズ~もifではなく正史として扱われてると思います。
英語版wikipediaやDCコミックデータベースでも正史扱いされているので

2011/04/21 (Thu) 12:44 | EDIT | REPLY |   

michael  

Re: No title

> 初めてこのブログをよませてもらいました
> 確かラバーズ~もifではなく正史として扱われてると思います。
> 英語版wikipediaやDCコミックデータベースでも正史扱いされているので

そうだったんですか!?
自分のにわかっぷりが露見して恥ずかしい・・・(;´Д`)
ご指摘ありがとうございます 修正しました

2011/04/21 (Thu) 19:15 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment