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30 2014

ロックマンX5

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21XX年。
「レプリフォース大戦」から数ヶ月、地球に平穏な時間が続いていた。
大戦の影響で被害のあったスペースコロニー群の修復もほとんど終わり、
残りは、月のラグランジュポイントに浮かぶ超巨大コロニー「ユーラシア」の工事のみ。
老朽化が進んでいたため、もともと大規模改装の予定があった。
そんなある日、平和は一瞬にして崩れ去る…何者かに「ユーラシア」が占領される!
人工重力装置のコントロールを奪われ、地球へと向かう軌道に乗ってしまったのだ。
このままでは16時間後には地球と激突!
地球はほぼ壊滅状態になり、最悪の場合、消滅の恐れまである。
地球存亡への残る手段は、
旧時代のギガ粒子砲「エニグマ」を使って「ユーラシア」を破壊する以外に他はない。
この任務をこなせるのは、イレギュラーハンターのエックスとゼロ以外にはいない。
地球の未来は二人に委ねられる。
「エニグマ」再起動のパーツを集めて、
粒子ビームで超巨大コロニー「ユーラシア」の地球激突を食い止めるのだ!

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◆一気に低予算になり微妙な新要素が採用されまくったシリーズ5作目
グラフィック刷新、声優起用によるボイス搭載、力の入ったアニメーションパート含む演出関連の強化によりSFC時代から急激に進化を遂げ、ファンの度肝を抜いたロックマンX4。
……ですが、それ以降ほぼ毎年発売されていたXシリーズのリリースがピタリと止まり、「Xシリーズは打ち切られたのではないか?」という一抹の不安がよぎっていました。

というのも、ロックマン10周年を記念して気合を入れて発売したロックマンシリーズ3作(「ロックマン8」、「ロックマンX4」、「ロックマンDASH」)ことごとく売れず、ロックマンはわりと真面目にシリーズ存亡の危機に立たされていたのです。
別にゲーム内容が悪かったわけではなく、むしろプレイした人からは高評価な作品ばかりなのですが、ロックマンシリーズは知名度の割に購入するのがほぼ固定ファンばかりという厳しい現実があったのでした。

しかしX4から3年後、誰もが諦めかけた2000年にまさかの新作『ロックマンX5』が発売!
ストーリーも地球消滅、そしてシグマウィルスを全面に押し出した内容となっており、実に終末感漂うシリアスさ。
超久々なXシリーズ新作にファンは歓喜し、大喜びでX5を迎えたのでした。
そしてX4からの大劣化っぷりに涙したのでした。

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開発スタッフが『第三開発部』という部署に変わったロックマンX5。
まず悲しいのがアニメーションパートが無くなり、デモシーンが完全に紙芝居に変化した事。
OPも静止画を組み合わせた映像となっており、この時点でもうX4とは比べ物にならないほど演出面で劣っています。
しかもそれに追い打ちをかけるように、本作ではボイスがエックスとゼロ、そして本作初登場の新キャラ・ダイナモ以外には未搭載。
さらにダイナモの声優はエックス役の森久保氏が兼任しており、計2名という驚きの少なさ。
X4で戦闘中、あれだけ喋ってバトルを盛り上げてくれたボス戦もこのX5では完全に無言なので実に静かです。
デモシーンのテキストも漢字とひらがなのバランスがおかしい上に全体的に表現が稚拙であり、なんだか読んでて気が抜けてしまう。

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インターフェースもどうにもダサい!
ボスセレクト画面のほぼ全員証明写真状態な正面顔の羅列は凄く……微妙です。ボスアイキャッチでの名前表示がカタカナに変化した事も個人的にはしっくりこない。
特殊武器入手演出も本作では完全にカットされており、ステージクリア後の新要素、『ミッションレポート』という形で簡潔なテキストが表示されるのみとなっています。

本作ではエックスのアーマー入手も「プログラムデータを4つ集めることで初めて使用可能」という形式に変化。
ストーリー上は「ウイルス感染対策」と説明されているものの、実際のところは個別に強化した時のドットグラフィックを用意する手間を省いたと見るのが妥当でしょう。

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ただその代わりにエックスには『ファルコンアーマー』『ガイアアーマー』という2種類の新アーマーが用意されており、どちらも「空を長く飛べる」「機動力が落ちるが刺の上を歩けバスターが強力」などの独自の特徴があってなかなか面白い性能となっています。

新しくも不満点が多い仕様はまだまだあります。
新キャラクター、エイリアが本作では無線通信を通じてプレイヤーにアドバイスを送ってくれるのですが、これがなんとOFFに出来ず、強制的にプレイが中断させられてしまう仕様。
スピード感が売りのXシリーズでいちいちテキストが挿入されるのはテンポが悪い上に非常にストレスになるぞ!
さすがにこれは各ステージ初回プレイ時だけの仕様なんですが、どっちにしろウザいことには変わりはない。

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しかも攻略順はプレイヤーの自由なはずなのに、
ストーリーの流れを無視したステージ選択をすると嫌味を言われる

本作の重要ミッション、『巨大コロニー撃墜』もプレイの自由度を変に狭めている仕様。
X5では16時間以内に巨大コロニーを破壊するための兵器エニグマやシャトルの部品を集めなければならないのですが、ストーリーの進行上、前半がエニグマのパーツ、後半がシャトルの部品回収という流れになっているため、その流れを無視したパーツを持っているボスの元に行くと前述のエイリアの嫌味が飛んでくる仕様。
さらにこのパーツを全て集めても巨大コロニーを破壊できるかはなんと運任せ。
パーツを全部集めてもあくまでミッションの成功率が上がるだけで、巨大コロニーを破壊できないことは普通にあります。
まあシャトルの部品回収の流れになってからは、全ての部品を集めていればまず失敗することはないんですけども。

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ただちょっと面白いのは、部品を集めなくても巨大コロニー破壊に挑戦が可能な点。
ボスを攻略しなくてもエニグマ発射、シャトル発射は出来てしまうため、OPステージクリア後にこのイベントを行ってしまえば即ラストステージを出現させちゃえます。
しかも運が良ければ破壊にも成功しちゃいますし。

X4から引き続き、ダブルヒーローシステムが起用されているだけでなく、本作ではステージごとに主人公の切り替えが可能になっているのですが、なんとライフアップは入手したキャラにしか適用されない仕様。
また、本作ではボスにレベル制なるものが搭載されていて、ゲーム内時間の経過&ハンターランクSA以上でそのレベルが増加、レベル7以上でライフアップを手に入れるかウェポンアップを手に入れるかを選択可能になるだけでなく、レベル9以上ではパワーアップパーツなるものが入手できるのですが、こちらも入手したキャラにしか適用されず(パワーアップパーツは共有可能)、加えて入手できるパワーアップパーツは直前のライフかウェポンかの選択に依存しているので、選択の自由まで狭まっています。

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ぶっちゃけ平等に強化していく必要性は皆無なので、割り切ってどちらか一方のみを使用したほうが得な謎仕様。意味ねぇー!!

◆Xシリーズ最終作?終末感漂うストーリー
ぶっちゃけコレ以外にも細かい不満点が多い作品で、挙げていくとホンッとにキリが無いデキのゲームなのですが、それでも個人的には嫌いじゃないんですX5。さっきまでめっちゃクサしてたけど。

実はこのロックマンX5は、なんと稲船敬二氏が「もうこれでシリーズ終わらせて」とスタッフに指示して作られた作品(R20より。ちなみに氏はX4の時とは違い、X5以降はほとんど製作に関わっていません)
それもあって内容的には終末感漂うものになっているだけでなく、ストーリー展開もこれで完結にしてもいいような演出が目白押しなのです。

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本作のシグマの目的は「ゼロを覚醒させること」
シグマの影には明らかにあの老人、Dr.ワイリーがちらついており、終盤では初代ロックマンから続くワイリーとの因縁に決着を付けるかのようなゼロとの戦いが用意されていて、これが非常に熱い。
まあゼロ生存時のエックスでのプレイやゼロ使用時はちょっと無理矢理な流れになるんですが、この時にかかるBGMの相乗効果も相まってもう本当に堪らない展開です。

Xシリーズでも屈指の名曲『X vs ZERO』


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シグマ最終形態もワイリーが関わっているためかあの『ガンマ』を思わせる風貌に
実は未完成なところまでおんなじ

X4の時と同じく今回もゼロの設定を掘り下げたシナリオなため、ゼロがストーリー上で目立っているのは変わらないのですが、ここまで初代ロックマンと繋げてくるのは思わなかったので当時かなり衝撃を受けた覚えがあります。
それに加えて、3種類のエンディングのどれもがなかなかショッキング。

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1つ目は覚醒ゼロエンド。
ゼロをワイリーロボットとして覚醒させてシグマを撃破するとこのエンディングを迎えます。
このエンディングではなんとライト博士がゼロの記憶を「いやなメモリー」として勝手に消去、エックスはゼロのメモリーを完全に失い、またプロテクトまで施されてゼロのデータを受け付けなくなったというあんまりな鬱エンド。
しかし最後にエックスがレプリロイドと人間の理想郷、『ヘブン』の建国を目指すというロックマンDASHに繋がる伏線が張られる結構興味深いエンディングでもあります。
ただ実際にDASHをプレイしても、この伏線がどう繫がっているのかはイマイチよく分からないんですけどね。

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2つ目はゼロでクリアした時のエンディング。
こちらはシグマと相打ちになり、死の間際に記憶メモリーが暴走して過去のメモリーを見続けるゼロが描かれる、これまた暗い内容の終わり方。
ワイリーに作られた自分の姿、自分に搭載されたロボット破壊プログラム、そしてアイリス……
自らがどのようなロボットなのかを知り、『自分は消えるべき存在だ』と悟ってそのまま息を引き取るゼロが映し出されるという結末です。
ちょっと気になるのは、初代ロックマンシリーズの時点では『ロボットの理想郷を作るのが目的』だったはずのワイリーが何故ロボット破壊プログラムを仕込んだゼロを作ったのかという一点。
彼に何があって本来の思想が歪んでしまったのだろうか。

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3つ目はコロニー破壊に成功してゼロが生存、エックスでクリアした時のエンディング。
こちらはゼロを失い、自らも瀕死の重症を負うもライト博士によって修復され、見事復活したエックスの姿が描かれる内容です。
一気に時間が3年も経過し、エックスも後輩ハンターから「隊長の目つきがあのお方ぐらいに鋭くなった」と揶揄されるほどに成長した模様。
形見のセイバーを持って今日もエックスはイレギュラハンターとして活躍するというエンディングであり、3つのエンディングの中では一番希望のある終わり方をしているのですが、ゼロが死亡する展開は回避不能という容赦の無さが凄い。

こんな感じで、本作X5のどのエンディングも「これでストーリーは完結です!」と言い切って問題ないような作り。
まあ終わらせるつもりで作ったこのX5、低予算で作った割には意外と売れてシリーズ存続が決定し、ここから無理やりストーリーを繋げる事になったためにX6のシナリオは未だにネタにされまくる突飛な展開が起こってしまうんですが……それはまたX6のレビューを書くときにでも。

◆謎の新キャラクター『ダイナモ』
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シグマの雇った謎のレプリロイド、ダイナモ。
巨大コロニー『ユーラシア』をたった一人で占拠し、地球に落下させるという大悪事を引き起こしただけでなく、イレギュラハンター本部にも単独で2度襲撃するという行動まで取り、わりとストーリー上で存在感のある新キャラクターです。
結局エックスとゼロに迎撃された後は「あんたらとつきあってたら…いのちがいくつあってもたりないよ。」とこぼして撤退、ゲーム中の出番は終了。

この大惨事を楽しんでいるフシがある愉快犯であり、エックスとゼロの新たなライバルキャラクターとして用意されたかのようなキャラなのですが、次回作のX6では単なるゲストボスとしてちらっと登場するのみに留まり、以降は完全に出番がなし。
そしてロックマンX8ではユーラシアを落下させたのがVAVAの仕業という設定に変更され、その存在は完全に黒歴史化したのでした。
謎の新キャラは本当に謎のまま姿を消した。

◆隠し要素
○アルティメットアーマー、ブラックゼロを使用する

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零空間ステージ3まで進める。
ステージ中盤にこれみよがしに動かない足場があるので、そこから右の壁伝いに下に降りる。進んだ先にカプセルがあるので、それに入ると、エックスの場合はアルティメットアーマーを入手、ゼロの場合はブラックゼロに変化する。
エックスで入手する場合はアーマー無しで行かなければならない点と、カプセルに入れるのはどちらか一人だけな点には注意。

本作のブラックゼロはパワーアップパーツのショックアブゾーバー、ショットイレイザー、ウィルスバスターを最初から装備している状態であり、通常時と同じく4つのパーツも装備可能。
ショックアブゾーバー、ショットイレイザー、ウィルスバスターを重複して装備しても効果は変わらないため、ボスからパワーアップパーツを回収する際は気をつけること。

また、最初から使用する方法もある。
プレイヤーセレクト画面で、アルティメットアーマーが欲しい場合はエックス、ブラックゼロが欲しい場合はゼロにカーソルを合わせ、下記のコマンドを入力し、成功音が鳴ってから決定すればOK.
ちなみにこの方法でアルティメットアーマーを入手した場合、フォースアーマーは消滅する。

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スタッフロール終了後、5分ほど放置しているとこの画面が表示される

◆感想
露骨なまでに低予算臭が漂っており、ぶっちゃけアクションゲームとしても微妙なデキのX5なんですが、個人的にはむしろ結構思い入れのある作品です。
もうね、ホントアクションゲームとして見ると微妙にもほどがある作りなんですが、Xシリーズファンとしては堪らない展開が多いんですよ。特に終盤は。
自分としては前述した最終話感のあるストーリー展開だけで結構許せてしまう。

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過去作との繋がりを感じさせる演出や、「シリーズ最高の出来じゃないか?」と囁かれるBGM群、何だかんだで意欲的であり新鮮な新システムの数々と、評価できるポイントは多い作品なんですよX5。

まあでもボスキャラのボイス未搭載、稚拙なテキスト、そしてゲームとしてのアレさはやっぱり遊んでてしんどい部分ではあるってのも本音。
まず無いだろうけど、ここら辺を改善したリメイクが出るなら……普通に買うぞ!

◆関連リンク
【公式サイト】
【ロックマンX5攻略】「ROCKMANIA」
【2chロックマンX攻略wiki ロックマンX5】
【ロックマンX5基礎データベース】「孤島」様。各種パワーアップパーツの解説あり
【ロックマンX5セリフ集】「缶ジュース1本120円」
【ケイン博士の日記】
【台湾の漫画版ロックマンX5(洛克人X5)】「ぎあの歯車島」
 
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3 Comments

No Name  

X5の記事待っていました。
自分の初ロックマンシリーズがX5なので思い入れのある作品です。

それまでは、横スクロールACTだと、マリオシリーズやスーパードンキーコングシリーズ辺りに触れただけで、
ロックマンXのダッシュ移動やセイバーで敵をなぎ払いで、サクサク進めるスピード感が楽しかったです。
プレイ後直ぐに零空間を出せるのも面白かったですね(笑)装備が整っていないからし、シャドーデビルに潰さる流れでしたが(笑)

2014/12/31 (Wed) 08:58 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
零空間をいきなり出してもステージクリアがしんどいですよね確かに!
自分はウイルスに完全に侵されたボスキャラの台詞を見たくなった時に条件を満たしてる感じですねー。
ペガシオンが実はアイリスを手にかけたゼロを相当憎んでいる事が分かるのは零空間出現後だけですし!

それにしても初ロックマンがX5って人はちらほら見かけますね。わりと売れてシリーズ存続が決まった作品ではあるけれど、当時興味を引く宣伝ってそんなにされてたっけ…?

2014/12/31 (Wed) 15:27 | EDIT | REPLY |   

内藤  

過去作をやっているほど、それを匂わせる要素を感じる度にワクワクしていたあの頃。
そしてエンディングのあの胸を締め付けられるような寂寥感。上○○だけになったゼロを初めて見たときのショックは今も覚えている。
確かに演出やゲーム完成度で不満を感じるところはあったけど、大切な思い出のゲームだ。

2016/03/14 (Mon) 00:45 | EDIT | REPLY |   

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