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22 2014

ジョー・カザーダ&パオロ・リベラ他/スパイダーマン:ワン・モーメント・イン・タイム

スパイダーマンワンモーメントインタイム表紙

「プロポーズに応えた時には、すっかりわかってるつもりでいたわ。
 …スパイダーマンの妻になるってこと。だけど本当は理解できてなかったのよ。
 ごめんなさい、ピーター。私はあなたほど賢くないし、考えなしだったわ。
 だけど今、はっきりわかったの。こんな生活は望んでない。
 あなたの妻になりたい。でもスパイダーマンの妻にはなれないわ。
 こんなこと言うのは辛いけど私の望み…わかってほしいの」


ピーターとMJの辿った運命とは……?
その疑問がついに本書で明らかとなる!!


マーベル・コミックスの歴史のなかでも野心的な作品の一つである『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』は、発売当時、コミックファンに大きな衝撃を与えた。その後、新しい幕開けとなる『スパイダーマン:ブランニュー・デイ』が始まり、以後、数多くのスパイダーマンの物語が紡ぎだされた。
だが、一つだけ未だに解決されていないことがある……それは「コミック史上で最大のイベントだったピーターとメリー・ジェーンの結婚式の前後には、何が起こっていたのか?」という疑問だ。
ピーター・パーカーとメリー・ジェーンの愛は誰にも引き裂かれず、永遠に続くはずだった……しかし『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』で、悪魔メフィストがその愛を一瞬で終わらせた。メフィストは二人の弱みにつけ込み、メイおばさんの命と引き換えに“二人の結婚”をなかったことにした。
二人の結婚はなぜ破綻しなければならなかったのか?結婚が消滅する時に、二人が思い巡らせていたこととは?ピーターとメリー・ジェーンの視点から別れの真相がドラマティックにいま初めて語られる!


◆関連作品過去記事
【スパイダーマン:ワン・モア・デイ】
【スパイダーマン:ブランニュー・デイ1】
【スパイダーマン:ブランニュー・デイ2】
【スパイダーマン:ブランニュー・デイ3】
【スパイダーマン:ニューウェイズ・トゥ・ダイ】
【スパイダーマン:エレクション・デイ】
【スパイダーマン:アメリカン・サン】

◆収録作品

2010年09月:Amazing Spider-Man #638
2010年10月:Amazing Spider-Man #639
2010年10月:Amazing Spider-Man #640
2010年10月:Amazing Spider-Man #641


◆Something Blue
小プロのスパイダーマン邦訳がようやく再開!!
……なんですが、なんと前巻『アメリカン・サン』の後に展開された『The Gauntlet and Grim Hunt』という1年分のストーリーラインを丸々カット。
前巻が#599までの収録だったのに対し、続きの本巻は一気に#638からのスタートです。

TPB9冊に渡るストーリーを大胆に省いていて衝撃的なんですが、『The Gauntlet and Grim Hunt』での事件の伏線はこれまた『ニューウェイズ・トゥ・ダイ』刊行の際に省いた『Kraven's First Hunt』というエピソードで張られていたらしく、実際の所邦訳で読む分には飛ばされててもあんまり問題はなかったり。
しかも本書の時系列は『アメリカン・サン』直後のメイおばさん結婚エピソード『ダイド・イン・ユア・アームズ・トゥナイト』(未邦訳)の後まで遡っていますしね。

で、『スパイダーマン:ワン・モーメント・イン・タイム』
本作がどんな話かと言いますと、あの『ワン・モア・デイ』でメイおばさんを助けるために悪魔メフィストと契約してピーター・パーカーとメリー・ジェーンが結婚していたという事実が無かったことになったわけなんですが、『その歴史がどのように改変されてしまったのか』を描くエピソードとなっております。
もうこの掴みの時点で嫌な予感しかしない。

話を聞いてくれMJ

結論から言うとピーターは悪人と揉み合いになって気を失ってしまい、結婚式に駆けつけることが出来ずに全ておじゃんになってしまったというゲンナリ展開。
わざわざピーターとMJが結婚する本来の1987年制作のエピソード『Amazing Spider-Man Annual #21』を再録、引用してこういう展開に持って行くからホント曇る。

この後は狙撃されて意識不明の重体だったメイおばさんがピーター達の愛の力で峠を越えたり、二人の記憶消去の下りがどのような事実にすり替わったのかなどが描かれていくのですが、「全てメフィストという悪魔の仕業なんだ」という事を知っている身としてはどういう描写がなされても茶番に見えてきてしまって辛い。

◆感想
そもそも『ワン・モア・デイ』のストーリーにいまいち乗りきれなかった自分としては、あのエピソードが本作で補完されても読んでてしんどかったです正直。

ただ、ピーター・パーカーとメリー・ジェーン。二人の間に夫婦の愛というものは無くなってしまったけれど、つかず離れずの大切な友人同士になるという点はちょっと良かった。元は恋人同士だったのがこういう不思議な関係に発展するとは。
リブートされたブランニュー・デイ以降はMJの出番が少なくなっていたので、本作でようやく彼女がフィーチャーされたのも嬉しい。
何よりラストのMJのセリフは心に残ります。いいヒロインだなぁ……

あと、『Amazing Spider-Man Annual #21』『ワン・モア・デイ』のシーンを流用して改変を施すという演出自体は見ていてけっこう面白かった部分。
本作のメインアーティスト、パオロ・リベラのアートも非常にオシャレなのでコレを目当てに読むのもアリかも?

帰ろうMJ

なんにせよスパイダーマンの邦訳が続いてくれたのは素直に嬉しいです。
このままアメスパ第1シリーズ最終話の#700まで(この際幕間回はカットでも良いから)最後まで突っ走って欲しい!

◆おまけ
本書の翻訳を担当した光岡三ツ子氏による『ワン・モーメント・イン・タイム』の補足ツイート。

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