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03 2014

ピーター・デイビッド&アンドレア・ディ・ヴィト他/アベンジャーズ:シーズンワン

アベンジャーズシーズンワン表紙

「自分たちを見てみろ!
 行動はバラバラ…チームワークも失せて…心もバラバラだ。
 オレにゃ盾なんか必要ねぇ。鉄のヨロイも、偉そうな態度もだ。
 お前らは…学ぶことのできないバカどもだ」


伝説のヒーローチーム“アベンジャーズ”はいかにして誕生したのか?
歴史に残る初期エピソードがここに復活する!


地球最強のスーパーヒーローたちが、一人では対抗できない強敵を倒すために一致団結した……その日こそ、スーパーヒーローチーム“アベンジャーズ”誕生の瞬間であった。そして今、チーム結成後の知られざる秘話がここに明らかとなる!

結成間もないアベンジャーズは、謎の存在によって知らぬ間に操られていたのだった。その陰謀者は、チーム間に不信の種を蒔き、アベンジャーズの団結を乱そうとしていた。ハルクがチームから追放された後、アベンジャーズはいっそう疑心暗鬼にとりつかれていく……マイティ・ソーは“地球侵略を企む異星人”なのか?キャプテン・アメリカは“稀代の詐欺師”なのか?そして、アイアンマンは“敵のスパイ”なのか?

アベンジャーズは、黒幕の正体を暴く前に自滅してしまうのか、それとも、アベンジャーズの誰かがその企みを見破るのだろうか……物語は予想だにしない方向へと進んでいく!


◆収録作品

2012年05月:Avengers Assemble Vol.2 #1
2012年11月:Avengers: Season One GN


◆関連作品過去記事
【アベンジャーズ:ハルク・ウェーブ!】

◆First Days Of The Super-Hero Icons
ヒーローチーム『アベンジャーズ』結成直後の物語というコンセプトで制作された作品、それが本作『アベンジャーズ:シーズンワン』
訳者の解説によると本作は映画『アベンジャーズ』のBD/DVDのウォルマート限定パッケージの封入品として描き下ろされたコミックであり、正史とは違う時間軸の物語であるとのこと。
(ただ非公式wikiでは正史扱いとして纏められているため、見解は分かれている模様?)

映画からのファンをコミックに誘導する事を目的とした作品なため、アイアンマンらのコスチュームが当時の原作コミックと映画でのコスチュームをミックスした独自デザインに変更されていたりします。
また、「映画に出ていないから」というメタな理由で初代アベンジャーズのメンバーであるアントマンとワスプは「休暇で欠席している」と説明され、本作では不在。
不憫だ……

まあそういう大人の都合で微妙にメンバーの欠けたアベンジャーズ。
キャプテン・アメリカ、ソー、アイアンマンのBIG3はロス将軍からハルク捕獲の命令を受ける所からストーリーは始まります。
その一方で彼ら3名に猜疑心が芽生えている事に気づいたロキは、その炎をより掻き立てるために魔法で色々お膳立てをするのでした。

同じ手を使うロキ
アイアンマンはソーが本当に神なのかを、
ソーはキャプテン・アメリカが本当に第二次大戦から蘇った男なのかを、
キャップはアイアンマンが敵のスパイなのではないかとそれぞれ疑っていた

この中でアイアンマンとソーだけはロキの計略関係なしにもともと疑念を抱いていたのがミソ。
結果ヒーロー達は仲違いをしてしまい、黒幕ロキの存在に気づかず同士討ちをしてしまうというなんかアベンジャーズ第1話の再来ともいうべきストーリーが展開していくのです。
アベンジャーズ第1話で一度使ったような手がまた通用してロキさんも嬉しそう。

ちなみに本書にはおまけとして、これまた映画合わせでリニューアル創刊された2012年のコミック『Avengers Assemble』の第2シリーズが1話だけ収録されています。
ライターはブライアン・マイケル・ベンディス。アートはマーク・バグリー。

メンバーがキャプテン・アメリカ、ソー、アイアンマン、ブラック・ウィドウ、ハルク、ホークアイと見事に映画アベンジャーズの面々なのが特徴。
こないだの邦訳『ホークアイ』では殆ど披露されなかった映画版風コスのホークアイが拝めるよ!
内容も初登場のヴィランチーム、ゾディアックとの戦いの始まりを描く新シリーズだ!

ゾディアックのタウロス
ヴィランチーム『ゾディアック』は12名で構成されており、それぞれが12星座に由来する力を持つ
上記のヴィラン、タウロスはミノタウロスのような姿に変身できるスーパーパワーを身につけている

しかし1話完結というわけではなく、普通に次回への引きを作り『アベンジャーズ・アセンブル(未邦訳)に続く!』と言い放って終わるんで辛い。


◆感想
ギャグマンガかこれは!

本作『アベンジャーズ:シーズンワン』ハルクを除いたアベンジャーズの面々の思考がやたら短絡的になっており、その一方で超速理解も見せるという近年の作品にしては地味にカオスな一作です。
一コマ一コマのセリフは少なく、基本アクション中心なんで話のテンポは滅茶苦茶良いんですけども……

ボケ役3名(アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカ)を抑え、チームを纏める役目を果たすのが本来脳筋ポジなはずのハルクというのも妙な笑いを誘います。さっき述べたように本作はかなりのスピード展開なんで、その怒涛の勢いで吹いてしまう箇所がちょくちょくと。
ロキの「笑えてくるわ!なんと騙されやすい奴らだ!」というセリフは読者の気持ちと確実にシンクロしていたハズ。
しかも信頼関係の復活も超スピード。このへんの下りは実際に読んでもらいたい。

いいかげんにしねえかこのバカどもが!
敵に騙されているという可能性を一ミリも考えないメンバーにキレるハルク
完全にチームの良心

こう、別ベクトルの面白さを求めるならば読んでもいいんじゃないかなと思うストーリーでした。
実際の所、ややコミカルな作りなのは意図的な感じがする(ロキの退場シーンやラストシーンの掛け合いなど)のですが、ウケを狙っているのか狙ってないのか分からない描写もちらほらあるのが気になりました。
個人的には笑ってしまったいがみ合いのシーンは、ライター自身は本気でシリアスを描いたつもりだったんじゃないかと思う。

まあでも、ここ最近の邦訳ニューアベンジャーズのストーリー展開がわりとシリアス一辺倒だったのもあってか、自分としては本作のどこかゆるい内容はそれなりに楽しめました。それなりに。
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