ツルゴアXXX

ARTICLE PAGE

27 2014

ストライダー飛竜1&2

ストライダー飛竜1&2
“そいつは激しく、雄々しく、そして真っ直ぐだった…”

◆飛竜の光剣サイファーの煌き再び!
カプコンから2000年にプレイステーションで発売された、ストライダー飛竜シリーズのカップリング移植版『ストライダー飛竜1&2』がついにゲームアーカイブスで配信されたぞー!
実は今年多機種で発売されたリブート版完全新作『ストライダー飛竜』のPS3版購入者特典として先行して配信されていたんですが、8月27日にようやく一般購入が可能になったわけなんですね。
というわけで早速レビュー!

◆ストライダー飛竜
1989年にアーケードでリリースされた記念すべき一作目の飛竜!
……といってもこの一作目のレビューは既に執筆済なんで、本記事では追加要素や差異について軽く触れる程度に留めておきます。
このPS版は合間合間にちょっとしたロードが入ることと、BGMの音色やステージでの曲切り替わりタイミングが微妙に異なる点を除けばほぼ忠実な移植。
さらに追加要素としてアレンジBGMを搭載、また難易度・コンティニュー数を問わず一度ゲームをクリアするとオプションに『PLAYER SETUP』という新項目が加わり、飛竜のカラーやライフ量、サイファーのパワーアップ状態の維持を設定できるようになってます。

2014-08-27_12-06-01.png 2014-08-27_13-14-19.png
全8色から選択可能
序盤から飛竜をパワーアップさせることもでき、新鮮なプレイが楽しめる

飛竜のスペックが高いのもあってボス含めあっさり撃破できる一方で、ミスを重ねると立て直しが難しくなるやや荒々しいゲームバランスですが、攻略パターンを確立できるとサクサク爽快に進められるため、痺れるデモ演出とともに自分のプレイに酔える作品です。
今見ると古めかしい部分が多いかもしれませんが、未プレイの人は是非一度遊んでみて欲しい!

◆ストライダー飛竜2
2014-08-27_12-45-19.png

その名を口にすることすら許されぬ独裁者・グランドマスターが地球全土を支配する未来。
増えすぎた人口はさらなる飢餓と紛争を引き起こし、慢性病と化した環境破壊は病気と遺伝子障害を生み出しつづける。犯罪の増加、自殺率の上昇。強力なドラッグの蔓延に、人体改造の横行。堕落した政治と結託した大規模な企業犯罪。
この時代にあって正義や平和を叫ぶ者は、その逆しかもたらさない。
人類は熟れすぎた果実のように、ゆっくりと腐っていた。

そして今。
陽光も射さない暗い都市の底に、1人の暗殺者が降り立つ。
グランド・マスター抹殺という恐るべき任務を帯び、世界の全てを敵に回して…!
光剣サイファーと鍛えぬかれた体術のみを武器として、稲妻のように素早く、死のように容赦なく、飛竜が駆ける!


1998年の『MARVEL VS. CAPCOM』に飛竜が登場したことで知名度と人気が上がり1999年に制作された、ストライダー飛竜の10年振りのアーケード続編!
……なんだけれども、前作のプロデューサー・四井浩一氏が一切関わっていないのもあってゲームデザインが大幅に変化している一作です。ドット絵横スクロールアクションという形式を踏襲しつつも、背景グラフィックは3Dという作りに進化。

もっと言うと本作は2Dグラフィッカーが3Dモデルやモーションも作れるか、ドット絵と3Dが共存できるかという実験作的な側面もあり、また当時キャラ人気が上がっていたのもあって「作ってみればそこそこペイするだろう」という理由で制作された作品なため、続編なのに飛竜に思い入れのあるスタッフが集まっていないという不遇のタイトルでもあります。
しかも99年にも関わらずPS互換基板(ZN-2)でリリース。この頃の基板の性能はとっくにプレイステーションの性能を凌駕していたため、ゲーセン的には時代遅れ感がスゴイ。
PS互換基板なおかげで(多少の仕様変更はあるものの)このPS版は完全移植となっていますが。

【ストライダー飛竜2シークレットファイルより】

3Dポリゴン表現の中で2D絵は共存できそうか、同時に2Dグラフィッカーが3Dモデルやモーションも作れるようになるのかという宿題の存在。
そのために前作が持っていたアクションの限界への挑戦という志は最初からなく、その意味で真の「飛竜2」になれないということはこの時点で決まっていた。
飛竜というタイトルが選ばれたのは、「マーヴルVSカプコン」に登場したことで知名度が挙がったというのと、実験作として完成度が思うように上がらなくてもかっこよさである程度カバーできるという計算があったようです。
それでも、大作でなく小さなゲームとしてそれなりに面白くてそこそこペイするゲームにできるのではないかとこの時僕は思っていた。
E3ショーに参考出品。「この手のゲームは時間をかけて調整すれば面白くなるのにね(訳:このゲーム全然できてなくてつまんないヨ!)と言われる。んなこたー言われんでも・・・<削除>


また飛竜2のサントラにも開発の内情が書かれており、「このゲームの開発は貴重な体験だが、もう二度としたくない類の体験」なんていうぶっちゃけすぎな愚痴まで掲載されています。
っていうかサントラにわざわざそんな事書くなよ!
そうした事情もあって、四井氏が初代ストライダー飛竜のゲームデザインを大幅にブラッシュアップし1996年にミッチェルから発売した『キャノンダンサー』という作品を飛竜の正当な後継作として見る向きもあるとか。

ちょっとマイナスな話から始めてしまいましたが、遊んでみると1とはまた違った疾走感に溢れており新しい魅力も持ったゲームに仕上がっているので、前作との違いや新要素について色々語りたいと思います。

2014-08-27_15-40-23.png 2014-08-27_15-27-53.png

2では前作にあった強力な装備・オプションの数々が無くなった代わりに、飛竜のアクションが非常に豊富になりました。
『2段ジャンプ』、『ダッシュ』、『後方宙返り』、壁から壁に素早く飛び移れる『八双飛び』、空中でコマンド入力することで使用できる『乱れ斬り』、そして一定時間攻撃がパワーアップし、敵にホーミングするプラズマウェーブを放つことが出来る『ブースト』と、追加された新アクションは実に様々。
※ちなみにこの『ブースト』を使用せずにステージをクリアするとアーケード版ではボーナススコアが入ったのですが、このPS移植版ではオミットされてます。

2014-08-27_15-20-27.png 2014-08-27_15-58-00.png
2014-08-27_15-58-27.png 2014-08-27_16-22-20.png

また本作ではロックマンのようなステージセレクト機能が搭載されており、好きな順番でステージを攻略していくことが出来ます。前作の名シーンを連想させるシチュエーションもあったりしてニヤリとさせられることも。

ただ、前作では上達すればほぼノンストップでステージを駆け巡ることができたんですが、本作では状況に応じて頻繁に立ち止まって敵やトラップの対処にあたる事を要求されます。しかも1に比べて敵の体力が全体的に高めに設定されているため、必然的に1ゲームのプレイ時間は前作よりも長めです。
(このPS版はアーケード版から調整されて敵の体力が下がってはいるのですが)
2のこのゲームデザインが、旧来ファンから「コレジャナイ」と揶揄される理由の一つだったり。

2014-08-27_15-30-07.png 2014-08-27_15-42-12.png
2014-08-27_16-15-10.png 2014-08-27_15-54-16.png

2の最大の見どころは超カッコイイデモシーン。
前作とは違い多言語が入り乱れることはなくなり日本語でのフルボイスに統一されましたが、正直これだけでもプレイする価値はあると断言できます。飛竜のセリフ一つ一つ全てが印象に残るのはスゴイ。
前作の飛竜は必殺仕事人って感じの濃ゆく渋いキャラクターだったんですが、本作の飛竜は徹底的にクールでフリーキーなキャラクターに。敵にかける言葉がいちいち辛辣です。
ちなみに本作で飛竜の声を演じた鳥海浩輔氏は『ナムコクロスカプコン』にも続投されています。
飛竜が外部出演する際はこの『2』の設定やデザインが踏襲されているので、アーケード版2の稼働が振るわなかった割には本作の飛竜の知名度は1よりも高いと思われます。

これは余談ですが、月刊アルカディアに掲載された開発者コメントによると、当初は「続編ではなくリメイクとして作っていた」とか。
結局2として作ることになり、辻褄合わせに相当苦労したとのこと。
個人的には本作の時を越えて1と繋がっている事が判明する壮大なスケールのエンディングは大好きです。
っても1のEDは明らかにグランドマスターを打ち倒してるんで本来繋げようがないんですけども。

2014-08-27_16-28-49.png 2014-08-27_16-29-09.png
かつて冥王グランドマスターは全生命体の絶滅を図る悪魔の計画『ザ・サードムーン計画』を成功させ、
その後自らの生み出した生命で世界を満たし、現在の独裁者の地位に就いた
しかし二千年前に自分の前に現れた暗殺者・飛竜までもがこの世界に誕生してしまうのだった

グランドマスターの「あの時果たせなかった任務を今ここで果たすというのか!?」という台詞を見るに、1の飛竜はグランドマスター暗殺に失敗した模様。
つまりストライダー飛竜2は「1のラスボス戦でゲームオーバーになった後の世界」という事なんでしょう。たぶん。
ちなみに本作の飛竜はこのグランドマスターの問いには答えず、そのまま彼を殺害。
1の飛竜と同一人物だったのかはどうかは分からずじまいという大きな謎を残したままゲームが終了するのですが、カッコイイからどうでもいいか!(思考放棄)
……正直2はゲーム性云々よりもキャラゲー的な楽しみ方をしてたんで、なんだかんだで開発スタッフの「かっこよさである程度カバーできるという計算」はあながち間違いでもなかったかも。

最後に隠し要素についても少しだけ。
前作『ストライダー飛竜』のクリアデータ(難易度・コンティニュー数は問わない)がある場合、飛竜2に新ステージ『指令00:超古代遺跡調査』が追加されます。
ちゃんと新規にデモシーンも用意されているため要チェック。

2014-08-27_12-58-16.png 2014-08-27_12-59-41.png

また、難易度・コンティニュー数問わず『ストライダー飛竜2』をクリアすると、本作の中ボス・飛燕を用いてステージをクリアしていく『飛燕モード』が追加されます。
飛竜と違ってブーストが使えない代わりに、通常攻撃が強力なホーミング性能を持ったジオメトリカル・サイファーなため、ゲーム攻略の難易度は飛竜よりも大幅に低下。
但しデモシーンは一切用意されていません。
この飛燕でゲームをクリアすると(難易度・コンティニュー数は問わない)、オプションでブーストを無限に設定することが可能になります。

2014-08-27_17-28-59.png 2014-08-27_17-37-59.png
あまりゲーム本編とは関係ないが、本作の得点アイテムは
ゼニー、牛、樽、矢七、モビちゃんなどカプコンのレトロゲーを知っていると懐かしいものばかりだったり

◆感想
PSPの『Capcom Classics Collection Remixed』に収録されたストライダー飛竜はBGMにミスが有る初期バージョンの移植だったことと、飛竜2はアーケードで軽く触れた事しかなかった作品だったんで、ゲームアーカイブスで安価で再販されたのはありがたい。
これでいつでもPS3やPSPで気軽に飛竜をプレイできるぞー!!

そもそもストライダー飛竜はカプコンとモト企画(漫画家・本宮ひろ志のプロダクション)の共同作品であるため、版権が絡んでくるシリーズだったんですよね。だから飛竜を登場させるためにはいちいちモト企画の許諾をとらなきゃいけない
それでも他ゲームのゲスト参戦やバーチャルコンソール、完全新作などでちょくちょく顔を見せて、今回旧作の完全移植版がリリースされる事になったのは本当に嬉しいです。
ストライダー飛竜シリーズは独特な雰囲気を持つサイバーな世界観とスタイリッシュなアクションが堪能できるゲームなんで、この機会に触れてみてはいかがでしょうか。

2014-08-27_16-31-27.png

◆関連リンク
【ストライダー飛竜 攻略】(※「Arcade Fan」様)
【ストライダー飛竜攻略】(※「Cross Street」様)
【STRIDER HIRYU】(※「BEFiS_WEBPAGE」様)
【ストライダー飛竜単行本未収録ページ】(※「ちまいか」様)
【アーケード版ストライダー飛竜2公式】(※WEBアーカイブス)
【「ストライダー飛竜2」攻略】
【カプコン伝説第三回 「未来を駆ける忍者、飛竜!」】
※カプコン創業30周年記念ページより。
「飛竜2のビジュアル担当はマイク・ミニョーラやスポーンなどに影響を受けていた」などといった貴重な裏話が掲載されている。

  
関連記事

2 Comments

久仁彦  

『2』はPS移植版でべらぼうにハマったゲームなので
こういう裏話はちょっと悲しくなりますねー。
サイファー振り回しながら坂を駆け下る飛竜のビジュアルや
「貴様の辞世の句ならその程度だろうよ」にシビれたこっちの身にもなって欲しいと思う。

サントラでの裏話というと『黄金の旋風』で
ジョルノ役の朴ロミさんは当初はスタッフ間でも
「ミスキャストでは?」と囁かれていた旨が記されていた覚えがあります(慣れたらむしろ大いにアリという評価に落ち着いたオチつき)。
ゲームのサントラなんてマイナー製品はあまり販売数が見込めないから、
巷のインタビュー記事等よりもぶっちゃけ度が高いのかなと思ってみたり。

2014/08/27 (Wed) 22:49 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>久仁彦さん
>こういう裏話はちょっと悲しくなりますねー。
ただまあゲーム自体はやってみるとそれなりに楽しいのが救いです。
初代の雰囲気とは違っちゃってて色々思う所はあるけれどこれはこれで……

2014/08/29 (Fri) 21:52 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment