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スコット・スナイダー&グレッグ・カプロ他/バットマン:喪われた絆 (THE NEW 52!)

バットマン喪われた絆表紙
“あの男が目を逸らすまで漆黒の瞳を見つめ返せ。
 それは人間の目だ。瞳孔の変化も読み取れる。
 突然、気がつく。ごくわずかだが、瞳孔が変化した。
 かすかに光が宿る。やっぱりそうだ。
 所詮、彼もただの人間だ。人間。
 だが、一つ不可解な点がある。
 こちらがじっと見つめ返したことで瞳孔は拡大した。
 そこから読み取れる感情。
 それは……愛だ”

ついに最凶の男がゴッサムに帰ってきた!
この1年間、彼の姿を見た者は誰もいない――。

狂人の手によって青白い顔の皮膚を剥ぎ取られた後、深い傷を負ったジョーカーはゴッサムの表舞台から姿を消し、暗闇の中へと歩み去っていった。バットマンと仲間たちは、彼がいつ戻ってくるのかと不安を抱えながら、決して警戒を怠ることはなかった。そして今、ジョーカーが戻ってきた。これまでより、はるかに残虐で凶悪な存在として……。

今回の彼の標的は、闇の騎士ではないらしい。宿敵ジョーカーが魔の手を伸ばしたのは、ブルース・ウェインが家族と呼ぶ、深い絆で結ばれた数少ない人々……ゴードン本部長、アルフレッド、ロビン、ナイトウィング、バットガール、レッドフード、レッドロビンたちだった。犯罪界の道化王子は、残酷で予測不可能な攻撃をとおして、バットマンにとって大切な人々の心を痛めつけるのだが……。ファミリーの絆は喪われていくのだろうか!?

ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー作家であるスコット・スナイダーとグレッグ・カプロが、ファン待望の物語を書き下ろした。本書において再び表舞台に復帰したジョーカーは、史上かつてない方法で闇の騎士の精神と肉体を苦しめる。本書は月刊誌『バットマン』#13-17をまとめたものであり、ジェームズ・タイノンⅣと『バットマン:ブラックミラー』のアーティストであるジョックによるバックアップストーリーも同時収録している。


◆関連作品過去記事
【NEW52:バットマン】
【バットマン:梟の法廷】
【バットマン:梟の街】
【バットマン:梟の夜】

◆収録作品

2012年12月:Batman Vol.2 #13
2013年01月:Batman Vol.2 #14
2013年02月:Batman Vol.2 #15
2013年03月:Batman Vol.2 #16
2013年04月:Batman Vol.2 #17


◆Death of the Family
ニュー52版ディテクティブコミックス#1で自らの顔の皮を剥ぎ、何処かへ行方をくらませたジョーカー。

整形中ジョーカーさん
殺人鬼ドールメイカーと接触して「整形」したジョーカー
このエピソード以降ジョーカーは全く登場しなかった

そう、『ニュー52』で再スタートを切った各バットマン誌では、人気の宿敵ヴィランでありながらジョーカーはこの『ディテクティブコミックス#1』1回しか登場していなかったのです。
本作『喪われた絆』はそんなジョーカーが満を持して再登場、しかも「Death of the Family」という衝撃的なタイトルも話題となった注目作!

今述べたように本作、原題は『Death of the Family』となっており、あの2代目ロビン、ジェイソン・トッドが殺害されるという重要エピソード『バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー』引っ掛けたタイトルだったのですが、この邦訳版では「混乱を防ぐため」という大人の事情から独自のタイトルに変更されました。
小売店が間違って発注しないようにとか、そういう配慮もあったのかな?

デス・オブ・ザ・ファミリータイトル変更の理由
デス・オブ・ザ・ファミリータイトル変更の理由2

邦題の話はこれくらいにして本作の話。
ジョーカーがゴッサム市警本部を襲撃し、ディテクティブコミックス#1で現場に残した自分の顔の皮を奪取する所からストーリーは始まります。

今日まで手間暇かけて準備していた犯罪計画を、バットマンに向けて実行するジョーカー。
バットマンの正体を知らないはずのジョーカーが何故かアルフレッドを誘拐し、次にゴードン本部長、そしてロビン達に魔の手を伸ばしていく。
「仲間ができてヤワになった」バットマンを“治療”するため、ジョーカーは予測不可能な凶行を次々に重ねていくのだった!

新デザインジョーカー
ニュー52に復帰した新デザインのジョーカー
自分の顔の皮を改めて貼り付け、口角や目尻を顔の周囲に取り付けた針金でつり上げることで
「常に歯茎がむき出しの狂気に満ちた笑顔」を演出している
ちなみに本書、カバーを外すと皮膚の下の顔が拝めちゃうグロテスクな仕掛けが……

バットマンを肉体的にではなく、精神的にじわじわと追い詰めていくジョーカー。
揺さぶられ、焦り、感情的になるバットマンは他の話ではなかなか見ることが出来ません。
今回のジョーカーが単なる挑発ではなく、本気で自分の周囲の人間を襲うと考えたバットマンはロビン達に「頼むから身を隠してくれ、ゴッサムから離れてもいい」という言葉を投げかける始末。

感情的なバットマン

当然ロビン達は自分一人で戦おうとするバットマンを放置するわけもなく、各々ジョーカーを追い詰めるために行動を取るわけなんですが。
他の犯罪者と違い、思考が全く読めないため先手は打てない、またバットファミリーの正体を掴んでいるかのような言動と行動を取り続けるジョーカー。
果たしてバットマンは、ジョーカーの残虐な犯罪計画を阻止することができるのか。

◆感想
面白かった!
原書が出た辺りからネタバレを踏まないよう今日まで警戒してきた甲斐があった!

ジョーカープロデュース晩餐会

本作のジョーカーの狂人っぷりは頭一つ抜けています。
ジョーカーというキャラをニュー52で早くもここまで濃密に描くとは。個人的には『キリングジョーク』と並んでジョーカー好きにオススメしたい作品かも。
バットマンとジョーカーの関係に深く切り込んだ内容となっており、特にジョーカーがバットマンに対して向けている感情が『愛』であると示唆されるシーンはインパクトが凄い。
詳しくは書きませんが、ラスト付近のバットマンとジョーカーの対話も印象的でした。
これがヤンデレってヤツか……!

ただまあ、「デス・イン・ザ・ファミリー」に引っ掛けたタイトルだった割にストーリーは無難な落とし所で締めくくられましたけど……読み終えれば「デス・オブ・ザ・ファミリー(喪われた絆)」の持つタイトルの意味も納得なのでまあいいかな!

今回も訳者の高木亮氏がブログ上で本作の補足解説をされているので要チェック。
ストーリーに踏み込んだ内容になっているので、読了後に見ることをオススメします。
【『バットマン:喪われた絆』の象徴について】

本作も梟の法廷編と同じくクロスオーバーが行われており、他のバットマン関連誌でもサブストーリーが描かれていました(梟の法廷編の時よりも話数が割かれているので大ボリューム)
8月と9月に『ジョーカー:喪われた絆』という邦題で上下巻で刊行されるのでこちらも楽しみ!
【バットマン:喪われた絆 タイイン一覧】
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