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30 2014

ジェフ・ジョーンズ&アイヴァン・リース他/ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃(THE NEW 52!)

アトランティスの進撃表紙

「人類の先制攻撃に対して我々が報復攻撃をするのは当然だと思っていた。
 ところが、ここに来てみると、兄上は人類の支配者ではないという。
 なぜ下等な地上人の仲間になろうとする?母上が悲しむぞ。私もそうだ。
 兄上は祖国を捨て、何世紀も前から海を汚し続ける地上の国を選んだ。
 地上人は我らを憎む。
 だが、我々が恐怖に怯えていた時代は終わった。
 もはや逃げも隠れもしない」


海からの脅威が、チームの絆を揺るがす……。

きっかけは手違いで発射された海軍のミサイルだった。
そのミサイルが海底王国アトランティスを誤爆し、支配者オーシャン・マスターの逆鱗に触れたのだ。
地上に住む人類への報復を開始する海底人たち。次々と津波に襲われる都市だったが、そこには陰謀の影が……。
ジャスティス・リーグの一員であり、かつてアトランティスの王だったアクアマンは、地上と海底、二つの種族の板挟みになる。
そして、彼はある決断を下す……。

新たなスーパーヒーローも続々と登場し、ますます見逃せないニュー52シリーズ“ジャスティス・リーグ”第3弾!


◆収録作品

2012年12月:Justice League Vol.2 #13
2013年01月:Justice League Vol.2 #14
2013年02月:Aquaman Vol.7 #15
2013年02月:Justice League Vol.2 #15
2013年03月:Justice League Vol.2 #16
2013年03月:Aquaman Vol.7 #16
2013年04月:Justice League Vol.2 #17


◆関連作品過去記事
【ジャスティス・リーグ:誕生(The New 52!)】
【ジャスティス・リーグ:魔性の旅路(The New 52!)】

THRONE OF ATLANTIS
ニュー52版ジャスティス・リーグ、第3巻がついに邦訳!ちょうど一年ぶりの新刊ですね。
小プロから出るニュー52タイトルは「邦題を付けなきゃいけない」というマイルールでもあるのか、今回も日本語版独自のタイトルが用意されています。
原題は「Throne of Atlantis(アトランティスの玉座)」というタイトルだったんですが、今「進撃」という言葉がホットなのを受けてか「アトランティスの進撃」という邦題で発売されました。

小プロによると映画『300 帝国の進撃』に便乗したタイトルなようなんですが、元々『帝国の進撃』が漫画『進撃の巨人』のブームにあやかった邦題なんで、「半端に便乗するぐらいならいっそ“進撃の魚人”とかいうタイトルにすればよかったのに」という声もちらほらあったり?

まあ邦題の話はこれくらいして内容の話をば。
最初に収録されているのは、ワンダーウーマンのヴィランとして有名な『チーター』と戦うエピソード。
有名と言っても邦訳では拝む機会が少ないヴィランなんですけどね。
『キャットウーマン:ホエン・イン・ローマ』ぐらい。『月刊スーパーマン3号』に出るチーターは「プリシラ・リッチ」という本作とはまた別の人物)
ニュー52では新たに「傷つけた相手を獣人化させる」能力を得ており、なかなかの強敵ヴィランに変貌しているのが印象的。
ただ『アトランティスの進撃』に繋がる内容ではなく、まだ未邦訳であるエピソードへの伏線を貼る話になっています。

サイボーグとフラッシュの掛け合い
「自分は人間ではなく、そう思い込んでいる機械なんじゃないか」と思い悩むビクターに対し、
ジョーク交じりに慰めるバリー
セリフ回しといいこのエピソードではなんだか凄く好きな1シーン

そして表題作である『アトランティスの進撃』
空母がミサイルテストで誤爆、アクアマンの故郷であるアトランティスを攻撃してしまったことで、アトランティス人が報復攻撃を仕掛けてくるというエピソード。
地上との関係は良好とはいえないアトランティス人は迷信深く、縄張り意識の強い種族。
アクアマンの義弟でありアトランティスの現国王、オーシャン・マスターが大軍勢を率いて地上に登場してしまうのです。

アトランティスの進撃
アトランティスの進撃

事件のスケールの大きさだけでいえば1巻のダークサイド襲撃に匹敵するレベルなんですが、2巻でグリーンランタンが脱退したことと、フラッシュが「セントラルシティでゴリラと戦ってる」事が重なってしまい、ジャスティス・リーグの戦力は減少している状態。
加えてアクアマンは既に大量の死者を出したことに怒るジャスティス・リーグと、地上人に対して怒る義弟オーシャン・マスターとの間に挟まれてしまう微妙な立ち位置に。
アクアマンは何とか話し合いでアトランティス軍を引かせようとするのですが……

◆表紙詐欺?
本作の表紙には『シャザム』ことビリー・バットソン君(一番後ろで雷とともにマントをなびかせている子)が描かれているんですが、本編での出番はたった1コマだけ。
本編での扱いを見ると表紙詐欺もいいところなんですが、元々ジャスティス・リーグ誌にはバックアップとしてシャザムのストーリーが収録されており、TPB化の際にシャザムは単独で纏められたんだとか。


ニュー52版シャザムの単行本(原書)

だからまあ、リーフで読む分には別に表紙詐欺というわけではなかったんですが、今回の邦訳版ではシャザムが描かれている表紙を採用したため、実際の内容とは噛み合わない感じになっちゃったわけなんですね。
しかし原書の単行本はシャザムが映っていないイラストを採用しているのに、何故邦訳版はわざわざこの絵をチョイスしちゃったんだろうか。
あえて表紙詐欺を行うことで逆にシャザムの注目度を上げる小プロの巧妙な策略かっ…!?(考えすぎ)

PICK UP キャラクター オーシャン・マスター
オーシャンマスターニュー52版「大切な兄とやっと会えた喜びの涙さ!」

本名、オーム・マリウス。アクアマンの義弟であり、アトランティスの現在の国王。
そして、本作のメインヴィランを務めるキャラクターです。

ただ、ヴィランといっても本人は悪人というわけではなく、本作で人類を襲うのも誤爆したミサイルがアトランティスに直撃したことと、この出来事によって海を汚し続けた人類への積年の恨みが爆発したためであるため、今回の大事件を起こした動機自体はそれなりにマトモ。

また義兄アクアマンの事を心の底から慕っており、現在の彼が人類に肩入れすることを嘆く描写が非常に多いです。
アクアマンが地上に行ったことを知った時は涙を流したとか、王室警備隊に兄を救ってほしいと必死に頼み込んでいたとか、兄思い……というよりは軽くブラコン気味な発言がちらほら。
弟である自身が王位に就いたのも、自分で軍を指揮してアクアマンを捜索するためだったのが理由。
マスクの下の素顔が幼さの残る顔立ちなのと、こういうブラコン描写が目立つのもあって女性ファンがかなり付いてそうなキャラだと思いました。
というか実際多いみたい。

◆感想
オーシャン・マスターとアクアマン
弟と対峙するアクアマン

本作では前2巻でアートを担当していたジム・リーが離れ、新たにアイヴァン・リースが担当しています(エピソードによってはトニー・S・ダニエル、ポール・ペルティエが担当)
ジム・リーのアートが楽しめなくなったのはちょっと寂しいですが、アイヴァン・リースのアートも力強くてカッコイイのでこれはこれで……
ちなみに氏のアートは過去の邦訳では、『グリーンランタン:シークレットオリジン』『NEW52:ジャスティス・リーグ』収録の「アクアマン#1」で拝めます。

この3巻は『ジャスティス・リーグ』誌でありながらストーリーがほぼアクアマン中心に展開していくため、『NEW52:ジャスティス・リーグ』でアクアマン誌の#1を読んでジェフ・ジョーンズのアクアマン誌が気になっていた僕としては、彼の活躍がタップリ拝めてかなり満足感がありました。
地上人とアトランティス人、二つの種族で板挟みになってしまうアクアマンの葛藤描写が素晴らしい。
ジェフ・ジョーンズの描く話は熱いしジーンと来るしでもう堪らないですね。
ただラストの展開が色々悲惨というか……もっと他にやりようがなかったんだろうか。

そして、例によって次の巻が気になる伏線が多い!
マグナス博士が作り出そうとしている金属人間『メタルメン』、ジャスティス・リーグの内情を探るために送り込まれた『アトム』、そして、ヴィランを集めて何らかの計画を実行に移さんとする謎の人物の登場……
ニュー52になってから殆ど姿を見せていないヒーローの登場が仄めかされたり、大型イベントへの露骨な”引き”が作られたりしてるんで、今後もジャスティス・リーグ誌まわりの邦訳は続けてほしいところです。
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5 Comments

No Name  

オーシャンマスターの「意外といい奴」感が半端なかったのが印象深かった。
「トースターとキスしたいか?」はTOP10のジョー巡査と自販機のギャグを思い出す迷セリフだと思います。

2014/07/01 (Tue) 05:36 | EDIT | REPLY |   

森野大吉  

「兄上が居なくて寂しかったんだい」
なオームに萌え、アーサーの漢気に惚れた。
ただ表紙詐欺と、謎の人物の正体の読者の想像を解説で切り捨てるのはどうかと。ロビン:イヤーワンのダミアンの解説よりはましだけど。

2014/07/01 (Tue) 14:08 | EDIT | REPLY |   

星羅  

フォーエバーエビル来ないかな?

フォーエバーエビルは面白そうですのでぜひ翻訳して欲しいですね。ルーサーにアダム、シネストロにコールドと好きなヴィランが主役級なので。

後これの後のオーシャンマスターってどうなってんでしょうか?たしかこの話で収監されたらしいですけど

2014/07/02 (Wed) 13:51 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
>オーシャンマスターの「意外といい奴」感
DC大辞典でキャラ解説を読む分には普通に悪人にしか思えなかったんですけどねー。
ニュー52のキャラ付けは面白いのが多いなぁ。

>>森野大吉さん
>謎の人物の正体
いや、さすがに次巻(トリニティーウォー絡み)の最大のネタバレになると思うんでぼかすぐらいで正解だと思いますよ。
(まだ4巻の邦訳予定はないですが)

>>星羅さん
>オーシャンマスターってどうなってんでしょうか
それも次巻をお楽しみにって感じじゃないですかね?(僕も知らない)

僕は原書のネタバレを極力回避しながら邦訳アメコミを楽しんでるんで、
正直未邦訳絡みの質問されてもあんま答えられないです!ゴメンナサイ!

2014/07/02 (Wed) 19:00 | EDIT | REPLY |   

No Name  

今作のサイボーグの縁の下の力持ちっぷりがよかったっす
自分が人間離れしても感情を殺して事件に向かう姿は解決様子は仮面ライダー等日本ヒーローの悲哀に通じますね
P132とかちょっとうるっと来ました

2014/07/02 (Wed) 23:17 | EDIT | REPLY |   

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