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18 2014

クリス・クレアモント&ジョン・バーン他/X-MEN:デイズ・オブ・フューチャーパスト

デイズ・オブ・フューチャー・パスト表紙

「全ては今日…1980年のハロウィンに始まるの。
 ブラザーフッド・オブ・イビル・ミュータンツが
 大統領候補のロバート・ケリーとチャールズ・エグゼビア、
 モイラ・マクタガードを暗殺する、今日、この日にね。
 ケリーの暗殺は社会に混乱を招くわ。
 それは30年先まで続き、最終的に核によって人類は虐殺され、
 世界は滅びる事となる…それを防ぎに来たのよ」


THE BEST OF TIMES, THE WORST OF TIMES...

2013年のアメリカ。
ミュータントのみならず、あらゆる超能力者が迫害され、恐怖政治が人々の上に重くのしかかる暗黒の時代。
今、この悲劇の連鎖に終止符を打つべく、一人のミュータントが立ち上がった。
目指すは、全てが始まった1980年!

現代と未来を股にかけるショッキングなストーリー展開で話題を呼んだ名作「デイズ・オブ・フューチャーパスト」を中心に、X-MENがコミックスシーンの頂点へと駆け上がった時期の作品を網羅。
1980年代のアメリカンコミックスに変革をもたらし、コミックス全体の流れをも変えてみせたX-MENの原点を堪能されたい。


◆収録作品

1980年10月:X-Men #138
1980年11月:X-Men #139
1980年11月:X-Men King Size Annual #4
1980年12月:X-Men #140
1981年01月:X-Men #141
1981年02月:X-Men #142
1981年03月:X-Men #143


◆DAYS OF PRESENT PAST
今月30日公開の映画『X-MEN:フューチャー&パスト』に合わせて、ヴィレッジから原作コミックの邦訳版が刊行!
本書『X-MEN:デイズ・オブ・フューチャーパスト』は、久々にクラシックな作品を詰めあわせた一冊になっております。
クリス・クレアモントとジョン・バーン、テリー・オースティンのトリオで最後に手がけた6つの作品とアニュアル1作品を加えた内容。

古いコミックというのもあり、今読むとアートだけで十分伝わっている事でもいちいち大量の文字で解説する若干クセのある作りになっていますが、個々のエピソードの面白さは折り紙つき。
基本的に単発のエピソードが多く、映画の原作エピソードである『デイズ・オブ・フューチャーパスト』ですらたった2話で片付けられているあたりが物凄いです。
時間改変という壮大なストーリーで、今なら大規模クロスオーバーで展開していくような設定なのに!
アイデアの消費の仕方がとことん贅沢すぎる。

映画の原作エピソードである『デイズ・オブ・フューチャーパスト』は、2013年の未来世界と1980年の現代、二つの時間軸のストーリーが同時に展開する意欲作。
2013年の未来は「ミュータント管理法」というものが発布され、X-MANと称された人物はキティとウルヴァリン、ストーム、コロッサスの4人しか生き残っていないという絶望的な世界。
彼らはFFの遺児であるフランクリン・リチャーズとテレパスのレイチェルと協力し、たったの6人で反センチネル運動を推し進めているのです。
ちなみにマグニートーは今や車イス生活を送っているただの老人だったり。
そしてフランクリンの作った装置とテレパスのレイチェルの力を用いて、キティはこの世界が生まれるきっかけとなった1980年代へと意識だけをテレポートさせるのでした。

2013年の未来から来たキティ
未来世界、2013年のキティが意識だけを1980年の自分に転送し、
現代のX-MENのメンバーに事情を説明して悲惨な未来のきっかけとなる暗殺事件の阻止を依頼する

果たしてX-MENはこれから起こる暗殺事件を、そして2013年のX-MENのメンバーたちはこの世界を変えることが出来るのか!?……というお話。
改めてたった2話で片付けるようなスケールのエピソードじゃないと思いました。

前述したように本書は複数のエピソードが収録されており、話の内容もなかなかバラエティに富んでいます。
Dr.ストレンジと協力して地獄のような世界に閉じ込められてしまったナイトクローラーの救出に向かうエピソード(アートは駆け出し時代のジョン・ロミータJr.)
ウルヴァリンとナイトクローラーが邦訳では拝む機会の少ないヒーローチーム『アルファフライト』と協力してある一家の殺害事件を追うエピソード、
キティが学園に侵入してきた妖魔、ンガライから様々な手段を駆使して逃げ惑うという怪物映画のようなスリル満点なエピソードと、一風変わった作品が多いです。

エルフがかわいい
あとこんな感じのコミカルな1シーンが多くてほっこりする

◆感想
ここ最近仲間内で殺伐としているX-MENの邦訳を読んだばかりというのもあって、チーム同士仲が良く信頼し合っている描写が多い本書は読んでてとても楽しいです。
ダークな展開も嫌いじゃあないんですが、やっぱ個人的にはコレぐらいほどほどに明るく痛快な展開の方が好みかもしれない。

あと今回、小冊子の解説が2分冊15ページというかつてない文章量
こないだ『キャプテン・アメリカ:ロード・トゥ・リボーン』の解説が過去最大級と紹介しましたがあっさり塗り替えられました。
というのも、一話目に収録されている『X-Men #138』が、1963年に連載開始した『X-Men #1』からこれまでのストーリーを解説するというエピソードになっているためなんですけどね。

X-MENのこれまでのあらすじ
ジーン・グレイの葬儀回でありつつ、サイクロップスがこれまでの思い出を回想するという一作
一コマ一コマのテキストがとにかく多く、18ページほどでありながら密度が異様に濃い

ここで語られた出来事やちらっと顔出ししたキャラを全て解説書で補足しているので、そりゃ分冊も已む無しといった感じ。
おかげで最初期のX-MENのストーリーをほぼ完全に抑えることが出来る貴重な一冊になってます。
これに加え、アメコミファンで有名な俳優、ダンテ・カーヴァー「アメコミの魅力」を語ってもらうというインタビュー小冊子まで収録しているため、おまけ要素の充実っぷりがスゴイです。
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2 Comments

森野大吉  

邦訳でしかアメコミに接してないので「誰やねん」のオンパレードでした。
ダンテさんといえば、とあるアメコミ特集の番組でワン・モア・デイに本気で怒っていたのが印象深いです。
本当にアメコミ好きなんですね。

2014/05/21 (Wed) 14:24 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>森野大吉さん
>とあるアメコミ特集の番組
そんな番組があったんですか!?見てみたかった…
アメコミファンな事はちょくちょく訊くんですけど、ダンテさんが熱心に語る姿はまだ拝んだことが無いんですよね~。

2014/05/21 (Wed) 22:59 | EDIT | REPLY |   

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