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20 2014

エド・ブルベイカー&マルコス・マーチン他/キャプテン・アメリカ:ロード・トゥ・リボーン

キャプテンアメリカロードトゥリボーン表紙

「おかしなものだが…スティーブがコズミック・キューブで俺の記憶を戻した時、
 同時に呪いをかけられた気がした…
 現代世界に無理矢理引き戻されたのはいいが、
 ここに自分の居場所はないと感じていたのだ。
 けれど彼は俺を助けただけじゃなく…俺にもう一度家族をくれたんだ」


ROAD TO FREEDOM, JUSTICE AND HONOR

アメリカ初の超人兵士にして、第二次大戦の生ける伝説、キャプテン・アメリカ。

市民の自由を侵す超人登録法に反対し続けた彼は、合衆国政府によって反逆者の烙印を押された末、凶弾に倒れた。

英雄の中の英雄の死は敵味方を問わず、あらゆる人々の心を揺るがした。彼への愛情を、友情を、改めて確かめる者もいれば、憎しみを新たにするものも。
だが、その反応はどうであれ、キャプテン・アメリカの死は、全ての人々の脳裏に深く、深く刻まれる事となった。

それから1年……。

キャプテン・アメリカの名は、かつての相棒であるウィンターソルジャーに引き継がれ、友も敵も、彼のいない世界をようやく受け入れようとしていた。

だが、その時……。

稀代の英雄の死を描き大きな話題を呼んだ『デス・オブ・キャプテンアメリカ』の続編がついに登場!
記念の#600に加え、大ベテランのジーン・コーラン、アレックス・ロス、フレッド・ヘンベックらも参加し、キャプテン・アメリカ誕生以来の歴史を俯瞰した特別号!


◆収録作品

2009年06月:Captain America Vol.5 #49
2009年07月:Captain America Vol.5 #50
2009年08月:Captain America #600
2009年09月:Captain America #601


◆関連作品過去記事
【キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー】
【シビル・ウォー】
【キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー】
【デス・オブ・キャプテン・アメリカ:デス・オブ・ドリーム&バーデン・オブ・ドリーム】

◆OLD SOLDIERS NEVER DIE
映画『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』の公開に便乗して(そして邦訳ニューアベンジャーズのストーリー進行度にも合わせて)、ヴィレッジからキャプテン・アメリカの邦訳本が発売!
本書は2年ほど前に同じくヴィレッジから発売された、キャプテン・アメリカの死を描く衝撃作『デス・オブ・キャプテンアメリカ』の続編となります。
キャプテン・アメリカ第5シリーズラスト2話と、キャップ関連誌が600冊目に到達したことで号数を#600にリナンバリングし、第1シリーズに戻ってカウントを再スタートしたキャプテン・アメリカ誌2話を収録。
改めて邦訳を振り返ってみると、ちょくちょく話が飛んだとはいえキャップの第5シリーズは殆ど翻訳されてますね…何気に凄い事な気がする。

本書『ロード・トゥ・リボーン』はキャプテン・アメリカ誌の本編ストーリーを進めつつ、彼が誕生してから今日までの68年の歴史を登場人物の回想という形で振り返っていくという内容になっています。

ナチスとインベーダーズ
バッキーがキャプテン・アメリカを引き継ぐまでのあらすじが冒頭に収録されている
マルコス・マーチンによるレトロ風のお洒落なアートがカッコイイ

キャプテン・アメリカ関連誌600冊目到達を祝っているだけあって、参加しているアーティストやライターも非常に豪華。
アレックス・ロスとポール・ディニが描く2ページのオリジンストーリーはあの『DCスーパーヒーローズ』収録のオリジンストーリーと同じスタイルで描かれており、ちょっとニヤリとさせられる。

さらに、ジャック・カービーと組んでキャプテン・アメリカを創造した偉大な方、ジョー・サイモンの「私の掲示板」という寄稿文も収録。
キャプテン・アメリカの盾を丸くしたその理由などを語る貴重なテキスト。
たった2枚だけ残っていたというキャプテン・アメリカの設定資料が記載された当時の社内メモも掲載されており、非常に興味深いお話となってます。
またジョーは2011年に98歳で死去されたため、この「掲示板」がマーベルコミックスで手がけた最後の作品だったり。

次ページには元祖アメコミパロディの雄、フレッド・ヘンベックの描いたコミックが収録されてます。
1970年代からスーパーヒーローのパロディコミックを手がけておられ、またデフォルメ絵が特徴的なので、どこかで彼の絵を見たことある人もいるんじゃないでしょうか。
【fred hembeck 画像検索】

そして本書ラストに収録された『Captain America #601』は、これまた大ベテランのジーン・コーランがアートを手がける短編作品。
#601はコーランの代表作である『Tomb of Dracula』に敬意を示し、また一時期キャプテン・アメリカ・コミックスのタイトルが『Captain America's Weird Tales』に変更され、ホラー寄りのストーリーになっていた事も意識したかのような不気味な話となってます。
時系列はシビル・ウォーの末期、キャプテン・アメリカ第5シリーズ#25以前。
この頃はまだウィンターソルジャーのバッキーが、フューリーに1945年にキャップと自分が遭遇した吸血鬼との戦いの話をするというもの。
これまでのスパイアクションのようなノリとはかなり趣の異なる作品ですが、苦々しい展開で引き込まれる一編です。
コーランが瀕死の大病を患った後でありながら不屈の創作意欲で発表したというのもあり、2010年度のアイズナー賞『ベスト・シングル・イシュー』を受賞したとか。

つい特別編の話ばかりになっちゃいましたが、第5シリーズ最終話『Captain America Vol.5 #50』の紹介もちょっとだけ。

最終話はバッキーがキャプテン・アメリカとして戦いつつ、これまでの自分の誕生日を思い返すというストーリー。
第二次大戦の頃から自分の誕生日は戦いで潰れ、人から祝われる事なんてすっかり諦めきっているバッキー。

バッキーのバースデー
しかし20歳の誕生日の時だけはスパイの尋問後、スティーブと一緒にバーで酒を飲んだ

その後、ウィンターソルジャーとして復活してからは誕生日なんてなく、人を殺し続ける日々。
記憶を取り戻し、死んだスティーブの跡を継いでキャプテン・アメリカとして活動するもこれまでの罪の精算は簡単に出来るわけはなく、バッキーは今日も悪と戦い続けるのだった……

……ってな感じですっかり疲れきっているバッキーの姿が描かれていくのですが、ラストはなんとハッピーエンド。
まさかここでほっこりさせられるとは思わなんだ。個人的に本書収録のエピソードの中ではイチオシです。
この最終話ではキャップを崇拝している極右のテロリスト集団、『ウォッチドッグズ』というマイナービランが16年ぶりに登場しているという点にも注目。

◆感想
CAPTAIN・AMERICAコミックス第1号
マーベルユニバースにもマーベルコミックスは存在している
作中ではヒーローの許可を得て活躍をコミック化しているという設定
だがキャプテン・アメリカのコミックは彼が犯罪者となった事で最終号を迎えてしまった

本書の時点では、本編ストーリーはあくまで初代キャプテン・アメリカであるスティーブ・ロジャース復活の伏線を張るだけに留まっています。
キャップ復活編の『キャプテン・アメリカ:リボーン』の邦訳もアナウンス済みですが、こっちが出るのは多分ニューアベンジャーズの邦訳をもう少し進めてからになりそう。

今回キャップ関連のキャラクターが大量に登場したり、過去の出来事などが改めて描かれたりするため、解説書が3段組で9ページという過去最大級の文章量となっています。キャプテン・アメリカ誌の知識を大量に得ることが出来る非常に濃い内容なので、読み応えは充分。

初代キャプテン・アメリカの死は『デス・オブ・キャプテンアメリカ』だけでなく、『ニューアベンジャーズシリーズ』『アイアンマン:シビル・ウォー』『アイアンマン:ホーンテッド』でも大きな事件として描かれ、その後もず~っと尾を引いてきました。
邦訳オンリーでも長きに渡るキャップの死の余波を感じ取ることができたので、ヴィレッジの出す邦訳は実に上手いラインナップだったと思います。
スティーブ・ロジャースが長い時を経てようやく復活するというだけで……今からそのカタルシスを感じずにはいられない。

本編部分はこれまでの邦訳を読んでおいた方がいい作りではありますが、大部分はキャプテン・アメリカの歴史を俯瞰し、豪華アーティストが参加した短編作品群を楽しむというのがメインの構成なので、これ一冊だけ買うというのも充分ありだと思いますよ!

◆キャプテン・アメリカ第5シリーズ未邦訳エピソード
『House of M: World of M, Featuring Wolverine』

【収録作品】
Wolverine Vol.3 #33-35; Captain America Vol.5 #10; Black Panther Vol.4 #7; Pulse #10
『ハウス・オブ・M』のタイイン回。超人血清の影響は薄れており、かなり老化が進んでいるキャップ。
この世界のキャプテン・アメリカは大戦末期、ドイツ軍(バロン・ジモ)が放った爆弾を見事解除、
バッキーも無事生存しており、ついにはヒトラーを捕えて欧州の戦いを終結させる。
しかしその後政府と対立しスティーブはキャプテン・アメリカを引退、宇宙飛行士に転職。
老人となった今はミュータントが人類を虐げる世の中を見て、
「自分の戦いの意味はなんだったのか」とただただ悲しみに暮れていた。

『Captain America: Red Menace』

【収録作品】
Captain America Vol.5 #15-21 and Captain America 65th Anniversary Special
シビル・ウォー勃発直前のエピソード。
レッドスカル(ルーキン)はキャプテン・アメリカを誘い出すため、ロンドンでナオナチの暴動を画策、
ロンドンに急行したキャップを巨大ロボット、スリーパーに襲撃させる。
さらにその直後、スカルはマスコミにビデオレターを送りつけ、
世間に「1年前のスカルの死は誤報だった」事を明らかにする。
超人登録法の成立を後押しし、宿敵キャプテン・アメリカを追い詰めるためのスカルの罠が発動する。

『Captain America: The Man With No Face』

【収録作品】
Captain America Vol.5 #43-48
第二次大戦、冷戦、そして現代の様々な時代が交錯するエピソード。
ドクター・ジャーン・チンとの対決が描かれる。
初代ヒューマン・トーチ、ジム・ハモンドの遺体を奪ったジャーン・チンの目的は、
トーチの体から作り出した致死性のウィルスを空中散布し、人口問題を解決するというものだった。
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5 Comments

No Name  

自分も誕生日のエピソードのラストには思わずホロリと…
あと、オズボーンに呼ばれたサイモン&ガーファンクルで吹いた。

2014/04/20 (Sun) 15:45 | EDIT | REPLY |   

アウル  

ウィンターソルジャー公開に合わせ、ウィンターソルジャーがキャップとの思い出に馳せ、今までの罪を清算していく話を持ってくるとは憎い演出ですな。

2014/04/21 (Mon) 12:12 | EDIT | REPLY |   

森野大吉  

また金欠で月末まで読めない(ToT)。
バッキーキャップが好きで、デス・オブ・キャプテン・アメリカをもう三十回程も読み返しているのに…。
読みたい~!読ませろ~!

2014/04/21 (Mon) 14:04 | EDIT | REPLY |   

森野大吉  

うう…ヴィレッジさんにミスがあったらしく、未だ読めず、入荷日も未定。助けて、ブログ主さん!

2014/04/30 (Wed) 15:15 | EDIT | REPLY |   

森野大吉  

やっと読めた!
内容はジャック・カービーを思わせる冒頭から最後のコーランの作品まで、大満足です。特に誕生月がバッキーと同じなので、♯50は大感動でした。

2014/06/04 (Wed) 15:18 | EDIT | REPLY |   

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