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11 2014

私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES

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199X年、日本は奇妙な事件に揺れ動いていた。
それは、全国各地の高校が次々と何者かに襲撃され、ある者は大けがを負い、またある者はどこかへ連れ去られてしまう、というものであった。
しかもその犯行は、学校関係者や警察の厳重な警備体制をあざ笑うかのように、各地で同時多発したため、巨大な犯罪組織によるものと見られ、世間では文部省や警察の陰謀、果ては外国の謀略などと噂された。
当然、国会でもこの事件についての対策は協議されたが、関係省庁の責任のなすり合いに終始するだけで、事態はいっこうに解消される気配はなく、日本中が得体のしれない恐怖に凍り付いてしまっていた。警察も大人も、もうあてにはできない!
「オレ達の学校は、俺達が守る!」
そんな中、ついに生徒達自身が立ち上がった。
組織の本当の目的は?
生徒たちの無謀な挑戦の行方は?
日本の高校を舞台に、20世紀最後の戦いが始まった。


◆カプコンが放った学園根性ポリゴン格闘モノ
1997年12月にアーケードに登場し、1998年7月30日にプレイステーションに移植、それから数年たって2012年2月22日にゲームアーカイブスで配信された名作3D格闘ゲーム『私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES』を紹介!
配信されたときにすぐさま購入したのだけれど、つい最近再プレイして熱が高まったので今になって記事を書きたくなったのだ!

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実はこのゲーム、「ゲームアーカイブスでの配信は絶望的」と言われていた作品なんですよ。
配信されるまでの道のりはかなり長く険しいものであったとか。
まず、本作『ジャス学』の背景グラフィックには実在する会社名や雑誌名が大量に用いられています(いわゆる『ゲーム内広告』)
さらに家庭用版ではオリジナルテーマソングとしてあの尾藤イサオを起用、それに加えて漫画家の島本和彦がデザインした『熱血隼人』という新キャラが追加されており、再販するにはクリアしなきゃいけない権利関係がとにかく山積みな作品なのです。

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「熱血隼人」は元を辿るとアーケード版稼働時に
島本和彦が短編作品としてコミカライズした『私立ジャスティス学園外伝』に登場したオリジナルキャラ
現在は『炎の筆魂―島本和彦傑作選 (2之挙)』で作品を読むことができる

当時のカプコンレトロゲーム担当がユーザーのアンケート結果を持って社内を駆け回り、現在も取引がある部署に権利者との調整をお願いしたり、既に取引が無い権利者には直接広報窓口から問い合わせたり、ジャスラックにも楽曲の利用申請をしたり、現存しない権利者はその権利を受け継いだ企業を探したりして、ついにゲームアーカイブスでの配信にこぎつけたのだとか。
熱い、熱いぜスタッフ!

最近はスパロボといった版権ゲームのアーカイブス化も割と多いんですが、権利関係が複雑になると相当な手間と時間がかかるという大人の事情も相まって、メーカーによっぽど熱意が無いと版権が絡むPS作品の配信は望み薄なんですよね。

【参考記事:リンダキューブアゲイン配信開始】

とにかく皆が待望していた作品が配信されたというのは本当に喜ばしい!僕も配信希望のアンケート出してましたし!
まあゲームアーカイブス配信の経緯はこれぐらいにして、そろそろゲーム内容の話に移ります。

◆忠実移植!アーケードディスク
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ジャス学のPS版はCD2枚組で発売されました。まずはアーケードの移植となっている『アーケードディスク』から紹介。
本作のアーケード版はPS基板でリリースされていたので、作品の移植度はかなり高め。

3D格闘ゲームではありますがプレイ感覚は2D格ゲーのソレに近め。とはいえ画面の手前や奥に移動することもでき、相手の攻撃を避けて反撃するといった行動は可能です。

最大の特徴は、ジャス学の対戦が2対2のタッグ戦であるという点。
キャラクター選択画面では主役と相棒の2名を選択、主役は実際に対戦で操作するキャラになり、相棒は協力攻撃愛と友情のツープラトンの内容を決める役割を担っています。
また、ラウンド終了後には主役を交代することも可能。

この他にも「弱攻撃⇒弱攻撃⇒強攻撃⇒レバー入れ攻撃」と順番に入力することで連続攻撃になる『熱血コンボ』、相手を高く打ち上げて空中で追撃できる『エアバースト』、攻撃をガードしたときの硬直中にレバー入れ攻撃、必殺技などを入力することで反撃する『根性カウンター』など、カプコン格ゲーでお馴染みのシステムが大量に採用されています。
ここら辺も割と手になじみやすい点。
あとはー……『削り勝ちが存在しない』ってのがちょっと特殊な部分かな?他にも例がないわけじゃないですけどね。

CPU戦では主役と相棒の所属高校を揃えることでストーリーが展開するようになっています。
(所属校が別々の場合や、さくら、醍醐、隼人のようなキャラを使用した場合は中間デモはなし)

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アーケードとは異なり、デモシーンの会話は全てフルボイスで展開
7話目でツープラトンでフィニッシュを決めたか否かによって最終話に突入できるかが決まる

独特の世界設定と熱血スポ根のようなノリが楽しい!『ジャスティス学園』のようにカプコンの格ゲーで中間デモの演出に力を入れまくっている作品は割と珍しかったりします。

……で、格ゲーとしての評価なんですが、ぶっちゃけると底はかなり浅いです。
ゲージがかなり溜まりやすかったり操作系統がシンプルなのは遊びやすくて良いんですが、中段や下段からのコンボルートがほぼ皆無で、基本的には弱P、弱Kのぶつけ合い。一段目がヒットすればそこから一番ダメージの大きいコンボを決めていくだけ。
ジャンプ攻撃は隙が大きく、ガードを崩す中段攻撃は当てても追撃出来ることが少ない。
結局「いかに相手の攻撃を避けてコンボ始動ルートの弱攻撃を当てるか」な対戦になってしまうのです。

そして猛威を振るったのが立ち弱Kのローキック。
発生が異様に早く隙も小さい。ヒット確認からのコンボも容易で、根性カウンターもあっさり潰せるほどに強力。
もう立ち弱Kがローキックじゃないキャラはそれだけでしんどいレベルです。
対戦ではとにかく弱Kで立ち回ればまず損はしない!

……とまあ、どのキャラを使っていても大体やることは決まっているので、対戦格ゲーとしてガチでやりこむとなると飽きが早い作品かもしれません。キャラバランスもあんま良くないですしね。
外道高校のエッジに至っては実践的な永久コンボを複数所持する始末。げ、外道~~~!

結果ゲーセンでの受けはあまり良くなくて割と早くに姿を消してしまった作品なんですが、それでもジャス学が評価されるに至ったのは、PS移植版に収録された『エボリューションディスク』のおかげだったり。
次はこちらを紹介します。

◆熱血青春バラエティ!エボリューションディスク
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ジャスティス学園の評価を大きく上げるに至った家庭用オリジナルのおまけディスク、それがこの『エボリューションディスク』
勝ち抜き戦など様々なルールの対戦モードが用意されているだけでなく、ゲームバランスが一新され、バツやロベルトなど一部のキャラに搭載されていた完全燃焼アタック「エアバースト」別の技に差し替え、そして前述した立ち弱Kからの熱血コンボルートが削除されていたりと、まさにバージョンアップ版というにふさわしいディスク。

ですが、一番の目玉は自分だけのオリジナルキャラを作成して恋愛シミュレーションゲームを楽しむことができる『熱血青春日記』の存在に尽きるといっても過言ではありません。

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『熱血青春日記』は入学時から2年生に進級するまでの一年間で、自分だけのオリジナルキャラクター(EDITキャラクター)を作り上げることが目的のモード。
作成したキャラクターはエボリューションディスクでのみ実際に対戦で使用することが可能です。
部活や行事、試験や生徒たちとのコミュニケーションを通し、上手く育成すれば強力すぎる性能のキャラが出来上がっちゃったりも。

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本モードで魅力なのは、キャラクターとの恋愛も楽しむことができるという点。
ゲームを進め、キャラクターの友好度を上げていけば攻略キャラに応じたエンディングを拝めます。
キャラ人気が高い作品だったというのもあり、多くのファンの心を掴んだゲームモードでした。
さらに男女交際はもちろんの事、このモードではなんと同性キャラであっても恋愛に持っていくことができます。
主人公を女性にして百合百合な展開にすることも当たり前のように可能。
明らかに開発者が暴走している……!

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【参考画像】男性主人公を用いてのボーマンルート

あくまでもおまけモードなので、大体1回クリアするのに2時間もかからないややあっさり目のボリューム。パラメータも本当はパンチやキックなど細かく設定されているのですが、ゲーム画面上では5種類のざっくりした能力値しか確認できません。
細かい部分で不満はあるのですが、充分一つの作品として楽しめるモードです。
トライ&エラーも容易なんで、充分ノーヒントでグッドエンドを迎えることができる難易度。
正直このディスクだけで単品販売されてもおかしくない充実した内容です。
このおまけモードが評価されて、後述する『熱血青春日記2』が発売されることになるんですけどね。

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ちなみにモード内でプレイすることになるミニゲームはどれも難易度がやや高め
「夏のサービスエース」はランダム要素が皆無でコツが掴みやすく遊びやすいので
「太P戦」や「五輪祭」を乗り切る時はこれを選ぶのがお勧め(大体15000点以上とれば高評価)

◆感想
前述したように格ゲーとしての出来はそれほどでもないです。もちろん格ゲーのパイオニアであるカプコンが作っただけあってそれなりには遊べるんですけどね。
ゲーム性の弱さを補いまくったのはやはり魅力的なキャラクターたち!格ゲーというよりは、一種のキャラゲーとして楽しむのがベターな一作
アーケードディスクで全エンディングを観終わってからは、ぶっちゃけ『熱血青春日記』ばっかりプレイしてますし!
PS版ストZERO3やPS版ジョジョの奇妙な冒険しかり、この頃のカプコンのPS版家庭用移植は「とにかくおまけを充実させるぜ!」なスピリットに溢れていてホント大好き。

可能であれば『熱血青春日記2』もアーカイブスに来てほしいなー。
この1作目が配信できたなら、2の配信はもっと容易なはず……ゲーム内広告が排除されてるし。

 
「熱血青春日記」を大幅にリニューアルした家庭用のみの続編
新キャラに「流」と「ラン」が追加され、
さらに空中移動しながら受け身を取る「移動受け身」という新システムが搭載されている
アーケード部分も移植はされているものの、中間デモなどがカットされた簡素な内容

◆裏技
■隠れキャラ使用法
ひなた、夏、ティファニー、響子で「一人で遊ぶ」モードをクリアすると、ひなた2、夏2、ティファニー2、響子2という隠れキャラがそれぞれ出現する。
通常時とはコスチュームが異なり、ツープラトンが攻撃技に変更。またアーケードディスクでは、完全燃焼アタックの『エアバースト』がそれぞれエボリューションディスクで差し替えられた技に変更されている。
それ以外のキャラ性能に変化はなし。
ショートカット機能未使用時のアーケードディスクのキャラ選択画面では、通常キャラにカーソルを合わせてL2を押しながら決定することで使用可能。

■響子先生のマッサージモード
エボリューションディスクで「五輪祭」モードを選び、メニュー画面を開いてセレクトを押すと「響子先生の保健室」モードに入れる。
デュアルショック使用時は響子先生のマッサージに合わせてコントローラーが振動する。

■「校歌」が出現
エボリューションディスクの「一人で遊ぶ」を同じ高校のキャラ同士でクリアすると、「おまけ」モードにクリアキャラの所属高校の校歌が出現する。
校歌を視聴する際に○ボタンを押し続けていれば歌入りで聴くことも可能。

■勝利ポーズの視点変更
対戦勝利時、勝利ポーズの画面が表示されるまでスタートを押し続けておくと、方向キーで視点を変更できるようになる。

■背景回転
アーケードディスクでの対戦前、VS画面が表示されているときに方向キーをグルグル回転させると、背景で回転している渦のスピードが方向キーに合わせて変化する。

◆関連サイトリンク
【私立ジャスティス学園 ~熱血青春日記・フリー移動キャラ表~】(※「気まぐれ銀世界」様)
【私立ジャスティス学園】(※「略してヒゲ部」様)
【ROUND 2:伊津野英昭さん 前編】
【ROUND 2:伊津野英昭さん 中編】
【ROUND 2:伊津野英昭さん 後編】(※「CAPCOM公式:シャドルー格闘家研究所」

◆コンボ動画
 

    
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7 Comments

久仁彦  

私も『熱血青春日記』大好きでした!
シリーズ通してエッジの攻略難易度が異様に高かったのが思い出深いですね。
今後も『熱血青春日記2』『燃えジャス』も含めて移植を希望したいところです(ラン派だった)。
続編とまではいかずとも、コラボゲーでのゲスト出演も継続していただきたいですね。

それにしても『ナムカプ』での先生コンビの嫌がらせのような弱さはなんだったんだろうか…。
(根性で育てて無理やり一軍入りさせてた)

2014/04/11 (Fri) 19:57 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>久仁彦さん
『燃えジャス』はろくにプレイしたことないんで特に出してほしいです!グラフィックも一気にキレイになってますし。
ぶっちゃけPS時代は公式イラストが良い反面、3Dモデルがかなりギリギリな感じが…キャラ物なのに…ゲフンゲフン

>先生コンビの嫌がらせのような弱さ
手数と攻撃力が物をいうゲームシステムだったのに攻撃低いしブランチアップもさせ辛いしで厳しい性能でしたね…
ただスキルがやたら便利だった記憶があるんで、そこでバランスを取ってたのかな?

2014/04/11 (Fri) 21:06 | EDIT | REPLY |   

流浪牙@SASURAI-KIBA  

私もジャス学はリアルタイム世代でしたので興味深い話題ですね……
とりあえず熱血青春日記についてはもっとハマっときゃ好かったかな――と今更ながらに。
でも原作キャラクターのキャラクター性および関係性(特に恋愛絡みは)へ無駄に深入りしちゃうのは
いくらゲームとはいえ、何かこうチョット複雑な気持ちになったりしてたのも事実なわけでして。
さすがにアカンって……ヒトの恋人寝取っちゃあ…… いや、熱血青春日記(や燃えジャスでのすごろくゲーム)みたいなのは
好きなんですが。だいいち格ゲーであそこまでのオリジナルキャラエディットってのは
そうそう無いし。ああいうシステムを公式サイドの皆様(特に2D系)も幅広く導入すれ
格闘ゲームの普及にも何かしらの功績を残せるのではなかろうかと

>続編
卒業-さらば-! ジャスティス学園は絶対来ると思っていたのに、絶対に

2014/04/14 (Mon) 00:01 | EDIT | REPLY |   

まさよし  

始めてやったのは数十年も前ですが、未だに格闘ゲームの好きな女キャラを聞かれればジャス学のアキラと答えてます。
僕自身はあまり格闘ゲームをやらない人間ですが、ジャス学は格闘ゲームとしての質が低い分、普段格ゲーをやらない自分のような者でも簡単に楽しめ、なおかつキャラゲーとしても十二分に楽しめる、まごうことなき名作だと思っています。

しかし今回の記事を読み、権利関係のあれやこれやは初めて知りました…。
せっかくのアーカイブス、権利に縛られず名作や良作をバンバン配信して欲しいなと一人のゲーマーとしては思いますね。

2014/04/14 (Mon) 23:45 | EDIT | REPLY |   

二ーニャ  

昔滅茶苦茶やりました!!このゲームに限らず
カプコンのこの時期のキャラデザインが好きで
今もオリジナルギャグ漫画描くときはカプコンのキャラデザの影響受けた
結果かなー?って思うようなキャラを描いてしまいますwww
(あとG=ヒコロウさんの影響)とくにストゼロ、ヴァンパイア、ジャス学の
影響は今も大きいと思います
今度描くつもりの漫画のキャラも真似するつもりもないのに
カプコンキャラを感じてしまいます

2014/04/15 (Tue) 05:07 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>まさよしさん
>権利関係のあれやこれやは初めて知りました
配信当時、カプコンレトロゲーム担当のツイッター公式アカウントがこの権利関係の話をしていたのが印象的でした。
基本的にツイートは配信の告知がメインだったんで、こんな裏話が聞けるとは思いませんでしたもの。

2014/04/16 (Wed) 23:31 | EDIT | REPLY |   

サム・ライス  

熱血青春日記2は持ってないので配信されたら嬉しいですね。
PSPで遊びたいですが、それには早く壊れたボタンを修理しないと……。

それと報告が遅れましたがTwitterの方、フォローさせて頂きました。

2014/04/19 (Sat) 17:55 | EDIT | REPLY |   

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