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04 2014

ガース・エニス&ジョン・マクリア他/ヒットマン Volume2

ヒットマン第2巻表紙
「ようしみんな、今から悪のケツをけっ飛ばそうぜ。
 誰も俺たちを止められない。俺たちは」

SECTION EIGHT!セクションエイト

犬溶接マンたちの勇姿!
ゴッサムシティの三流ヒーローが堂々活躍!?
これがヒーローチーム「セクション8」だ!
個性的なヒーローたちが特殊な攻撃で悪に立ち向かう!彼らの戦いを見逃すな!


◆関連作品過去記事
【ヒットマン Volume1】

◆収録作品

1996年12月:Hitman #9
1997年01月:Hitman #10
1997年02月:Hitman #11
1997年03月:Hitman #12
1997年04月:Hitman #13
1997年05月:Hitman #14
1997年06月:Hitman #15
1997年07月:Hitman #16
1997年08月:Hitman #17
1997年09月:Hitman #18
1997年10月:Hitman #19
1997年11月:Hitman #20
1997年12月:Hitman #21
1998年01月:Hitman #22


◆まさかの公式PV

◆「セクション8」とは軍隊用語で「精神上の問題で入隊不可」を意味する
酒を飲んで酔っ払い、酒瓶で相手の頭を殴るみんなのリーダー『シックスパック』
吃音と貧乏ゆすりで敵を苛立たせるのが役目の『シェイクス』
ヴィランを窓から投げ捨てろ『デフェネストレイター』
フランス人っぽさを見せつけて戦え『ジャン・ドゥ・バトン』
画面外で敵を掘るんだ『ブエノ・エクセレンテ』
痰を吐きかけ目を潰せ『フレムジェム』
高威力のビームを発射できるチーム最強のメンバーだが、必ず味方に誤射してしまうのだけが玉にキズ『フレンドリー・ファイア』
そして我らが『犬溶接マン』

セクション8、GO!
「セクション8、GO!」

…というわけで、昨年ネットで話題沸騰となったスーパーヒーロー『犬溶接マン』と、彼が所属するヒーローチーム『セクション8』の面々が初登場するヒットマン2巻のレビューを始めるぜ!
1巻収録のエピソードにも彼らは登場しているけれどもあっちは2000年に発表された作品を前倒しして収録したものなんで、初登場するエピソードが拝めるのはこの2巻です。

この『セクション8』が登場するエピソード『エース・オブ・キラーズ』は、主人公トミーがキャットウーマンに悪魔エトリガンという有名どころのDCキャラと共演し、さらに1巻で戦った怪物マウザーとの再戦を行うという盛りだくさんの回であり普通に話を盛り上げる要素が充分に揃っている状態なのですが、ライターのガース・エニスはそこにこんな奇天烈過ぎるヒーローチームをデビューさせるという展開までぶっこんでいるためもうなんか色々ヤバイ。
彼らのインパクトに全部持っていかれちゃってます。

なんで数ある武器からわざわざ窓枠をチョイスして戦うのか。
フランス人パワーとは何なのか。
味方に誤射するだけのフレンドリーファイアはチームに必要なのか。
「変態の力で悪と戦う」と説明されているブエノは要するにただのホモのおっさんではないのか。
敵の顔に何故かガス切断機で犬を溶接する犬溶接マン以外にも衝撃的なヒーローが続々登場します。
もうこのエピソードだけでお腹一杯や…

…と思ったら他のエピソードもスゴイのばかり。
まず『ローカル・ヒーローズ』というエピソード。
政府機関の人間から企業問題や環境問題に首を突っ込むヒーローの殺害依頼を断ったトミーは、彼らの息がかかったゴッサムの汚職警官たちに付け狙われる羽目に。
それだけでなくスーパーヒーロー『グリーンランタン』(カイル・レイナー)まで騙してトミーにけしかける始末。
まあなんとか誤解を解いてそのグリーンランタンと協力しあうことになるんですけど…

カイル君の扱い
DCコミックスを代表するヒーロー『グリーンランタン』もこの作品ではこんな扱い
カイル君かわいそう

『JLA:バベルの塔』『グリーンランタン:リバース』で拝めたカイル君のカッコよさはどこへやら。
この作品ではやや脳筋気味な正義バカとして描写されています。
どうも『ヒットマン』の世界では普通のスーパーヒーローが浮いたキャラになってしまう。

『ゾンビナイト・アット・ゴッサム・アクアリウム』というエピソードも発想がぶっ飛んでる。
マッドサイエンティスト・ミネットが死体をゾンビ化させるガスの研究成果を試すため、水族館にいる生物を大量に殺害しゾンビにして暴れさせるというトンデモ展開。完全にB級ゾンビ映画のソレです。

そして、本書の最後を飾るのがクリスマス回な一作『サンタ処刑命令』

放射能サンタ
事故で原子炉に落ちてスーパーパワーに目覚めた原発作業員のボブ・スマードが
クリスマスを中止にするために暴れまくる凄まじいエピソード

『バットマン:ノエル』と併せてクリスマスに改めて読みたい。
ちなみにごっつい痰を吐いて戦うフレムジェムがあのスーパーパワーに目覚めた理由もこのエピソードでさらっと判明します。

◆感想
ガースが怪しい
確かに「神様(ガース・エニス)はヤクでもやってたのか?」
と思ってしまうようなエピソードばかりだった

1巻で死亡してしまったトミーの仲間・パットの葬儀のシーンやトミーとティーゲルのいじらしいラブロマンス等思わずしんみりする場面も多いのですが、2巻はそれ以上にブラックユーモアに溢れた内容でした。
もはや1巻を軽く凌駕する勢い。それでいて必要以上にカオスなノリにはなっていない。
本当にヒットマンは笑いあり、涙あり、ハードボイルドありの最高のアメコミだ!

それと海法氏の翻訳も上手く、セリフの意味が変わらないように配慮しつつ面白い意訳がなされていて読みやすい。
1巻でもそうだったけど、本作に登場する悪魔エトリガンというキャラは『常に韻を踏んで会話する』かなり特殊なセリフ回しなのにもかかわらず綺麗に和訳されていて驚く。

『韻を踏んで話す』という特徴がガン無視の訳ですね…
ちなみに『レガシーズ2巻』での訳はこんな感じ

彼が登場する邦訳は数が少ないので、出番が多いとちょっと嬉しいですね。
(他には旧版『ハーレイ&アイビー』『スワンプシング』『サンドマン』で顔を見せているとか)

そんなヒットマンですが日本語版第3巻の発売予定は今のところ未定。
「売上次第」とのことなので、続きが読めるかどうかは…とりあえず「売れろ」と祈るしかないですね。
原書TPB全7巻のうち既に4巻相当部分まで邦訳されており、巻数はもう折り返し地点を越えてますし!

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5 Comments

森野大吉  

発売予定リストの方にも書きましたが、ミラクルマンは6月、プロメテア1は5月28日だそうです。
それはさておき、今巻も面白いです。フレンドリー・ファイアーを説得するところは熱いものの、結局あんなオチだし、ブエノに背後とられて、なんだか焦っているし、シックスパック最高です。
あと、冒頭だけで水族館のエピソードがシリアスだと思った俺が馬鹿だったよ、な森野でした。

2014/03/04 (Tue) 09:58 | EDIT | REPLY |   

久仁彦  

『ヒットマン』二巻、もう最ッ高でしたね。
生きている間に僕らのブエノさんのデビューシーンが日本語で拝める日が来るとは思いませんでした。
(日本語喋ってないけど)

序盤、人生投げやりになってるトミーやらナットとの厚い友情やらの
地に足着いた描写もスゴク好きなので是非続刊もお願いしたいですね。
終盤ではシックスパックの”スーパーヒーロー”としての真っ当な見せ場もあるらしいので楽しみです。
(出ること前提の発言)

2014/03/04 (Tue) 14:24 | EDIT | REPLY |   

No Name  

なんというか男子校の休憩時間のノリみたいなボンクラどもの会話が楽しくてたまらない。

悪との戦いが終わり、ボロボロに(片腕を失っている者も!)なりつつも「かすり傷だ」と語りながら帰路につく…
この場面にセクション8のヒーロー魂を感じました。

2014/03/05 (Wed) 06:46 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>森野大吉さん
>ミラクルマンは6月、プロメテア1は5月28日だそうです。
ありがとうございます。
ただ、あのリストは極力自分の目で確認してから更新すると決めているので情報提供は結構ですよー。
あと、プロメテアは今のところ購入を考えていないのでリストに追加するつもりはありません。ゴメンナサイ!
それはそうと水族館エピソードは傑作でしたね。
『ハッケンの手を切り落とす必要なんて全くなかった』という事実が判明したときの一同のなんともいえない表情が…w

>>久仁彦さん
シックスパックの“真っ当な”見せ場…!?
一体どういうストーリーにすればそういう展開になるんだ…気になる…

>>No Nameさん
戦い方はコメントしづらい彼らですが、激闘後の姿はなんだかんだでヒーローのカッコ良さに溢れててシビれましたね。
でもブエノさんは単に賢者モードになってるだけですね。

2014/03/05 (Wed) 17:28 | EDIT | REPLY |   

流浪牙@SASURAI-KIBA  

もしボブ・スマードと「サンタクロース反対ーッ」のあの人が共演していたなら
どうなってたんだろうか……だったり、何故かガス切断機で犬を溶接する件については
そういえば我らが日本でも過去にミキサーで物を遠心分離する漫画があったハズだな――といった
人生にさほど有益では無い感慨を懐いてしまった今日この頃であります。とりあえず誤射マンは最初から味方に向けて
ビーム撃てば逆に敵に大当たりするのかもしれないな

2014/03/06 (Thu) 21:41 | EDIT | REPLY |   

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