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07 2014

トニー・S・ダニエル&ファビアン・ニシーザ他/バットマン:バトル・フォー・ザ・カウル

バトルフォーザカウル表紙

バットマン後継者!?
たな火蓋られた―――。

闇の騎士不在のゴッサムシティに平穏はなかった。アーカム・アサイラムは崩壊し、ゴッサムシティには悪が蔓延っていた。混乱のなか、ブルース・ウェインが纏っていたカウル(マント)を継ぐ者だと名乗る謎の人物が突如現れた。冷酷で巧妙な、この恐ろしい“闇のバットマン”は、カウルの正統な後継者の座をめぐり、ナイトウィング、ロビン、そしてゴッサムのヒーローたちに挑戦状を叩きつけたのだ。役者はそろった。誰がカウルを纏うのか……後継者争いが勃発する。ゴッサムには“バットマン”が必要不可欠だ。だが、“バットマン”を受け継ぐことができる者は、この世にただ一人だけ……。

トニー・S・ダニエルが脚本と作画の双方を担当した表題作「バトル・フォー・ザ・カウル」は、小社より邦訳版を刊行した『バットマン:R.I.P.』のその後を描いた話題のミニシリーズである。ファビアン・ニシーザが脚本を手がけたミニシリーズ「ゴッサム・ガゼット」も同時収録。


◆関連作品過去記事
【バットマン・アンド・サン】
【バットマン:ラーズ・アル・グールの復活】
【バットマン:ブラックグローブ】
【バットマン:R.I.P.】
【バットマン:ザ・ラスト・エピソード】

◆収録作品

2009年05月:Gotham Gazette: Batman Dead?
2009年05月:Batman: Battle for the Cowl #1
2009年06月:Batman: Battle for the Cowl #2
2009年07月:Batman: Battle for the Cowl #3
2009年07月:Gotham Gazette: Batman Alive?


◆ブログ更新再開
PCの内蔵HDが死んでしばらく更新できませんでしたが、ようやく修理が終わってネット環境も整ったので今日から再開です!
レビューの前に、昨日飛び込んできた大ニュースの話から。

2014年2月6日、マーベルがなんと公式で多言語デジタルコミックアプリ、『マーベル・グローバル・コミックスアプリ』を発表!
現在12か国語に対応しており、対応言語の中には日本語も含まれております。

【Marvel extends international reach with Global Comics app】

1話200円という割と手を出しやすい値段。
まだ作品は少ないようですが、現在未邦訳であるハルク誌やクロスオーバー作品、フィアーズ・イットセルフなどの作品がもう日本語で販売されているため、今後タイトルが充実していくことが予想されます。

残念なのは今のところiOSにしか対応していない点と、翻訳のレベルはそこまで高くない(作品によってまちまちらしいですが)、そして当然解説書のような代物はついてこない点ですかね。

ただ今後様々なプラットフォームで本アプリがリリースされるようですし、タイトルが充実すれば解説が無くても自分で作品を購入して確かめれば良いわけですから些細な問題。
あとは翻訳の質が上がるかどうか。

DC作品(というかバットマン)メインで邦訳本を出している小プロはともかく、マーベル作品を中心に出版しているヴィレッジがどうなってしまうのか非常に不安になる展開だ!
作品を読むだけが目的なら邦訳本を買うより(基本的に)安くついてしまうし!

ちなみに僕はAndroidスマホなんで、当面の間指をくわえて眺めることしかできそうにないです。悔しい。
それじゃいつも通りレビューに移ります。

【『マーベル グローバルコミック』で無料のアイアンマンを読んでみYEAHHH!】
(※エキサイトニュースの記事)

◆バットマンサーガ第二部への橋渡し的作品
『バットマン・アンド・サン』に始まり『バットマン:R.I.P.』に終わる、2012年に翻訳がスタートしたグラント・モリソンによるバットマン新サーガ第一部。
一部の謎を残しただけでなくブルースの生死が不明なまま終了というのもあって続きが気になって仕方がない状況だったのですが、今年になってようやくバットマン新サーガ第二部の邦訳のアナウンスが!
2月に『バットマン&ロビン』、3月に『バットマン:ブルース・ウェインの帰還』、4月に『バットマン:ブルース・ウェインの選択』とまたも月刊バットマン状態で連続刊行される模様です。
最終的には第三部にあたる『バットマン:インコーポレイテッド』まで続けることを目標にしているようなので、是非完走してほしいところ。


で、今回紹介する一冊はこのバットマン新サーガ第二部への橋渡しとなるエピソードが収録されている『バットマン:バトル・フォー・ザ・カウル』
『R.I.P.』で生死不明となってしまったバットマン(正確にはクロスオーバー『ファイナルクライシス』で死亡?した)のカウルを受け継ぎ、誰がゴッサムの新たな守護者となるのかが描かれます。

すでに半年もの間バットマンが不在という状況のため、ここぞとばかりに暗黒界をめぐり悪人が暴れまくるゴッサムシティ。現在トゥーフェイスとペンギンの二派に分かれて抗争中だったところに、アーカムの囚人を脱走させて自軍の強化を図ったブラックマスクも参戦!もうてんやわんやのしっちゃかめっちゃかと言える状態です。
『バットマン・アンド・サン』の時点ではゴッサムは一部の小物を残すだけという所まで来ていたのに(その後ブラックグローブとの決戦になるのですが)早くも元通りですよ。
マジでゴッサムにだけは住みたくない。

ブラックマスク復活
アンダー・ザ・レッドフードの時とは異なり悪のカリスマに満ち溢れているブラックマスク
ちなみに彼はすでに死んでいるはずなのだが、その正体は…?

大荒れのゴッサムシティで毎夜戦い続けるナイトウィング達。
そんな中、悪人たちを容赦なく殺害する『謎のバットマン』が突然現れます。
銃を用いて戦い、バットマンとロビンに強く執着する謎の人物…

謎のバットマンVSナイトウィング
あっ(察し)

勘のいいバットマンファンは初登場の時点でこの謎のバットマンの正体に気付きそう。

それはさておき、バットマンがゴッサムに与えていた心理的効果は絶大だったことがこの現状で明らかになった今、誰かがバットマンのカウルを受け継ぐ必要があります。
しかし初代ロビンであったディックは、“ある理由”から師匠ブルースの役割を継ぐことを拒否しっぱなし。
ディックが跡を継ぐことを拒んでいる今、次のバットマンはいったい誰になるのか!
BFTCは全3話と短いエピソードですが、歴代ロビンや様々なバットマンファミリーが集結し活躍する光景が拝める貴重な一作です。
あとヴィランも大集合してるよ!

本作収録の『ゴッサム・ガゼット』というミニシリーズではヴィランのキャバリエことモーティマー・ドレイクが更生し、レスリー・トンプキンスのボディーガードになるというちょっと面白い再登場を果たしています。
キャバリエは騎士風の言動や行動が特徴的なキャラ。
彼の存在は「バットマンの英会話」やアニメ「バットマン:ブレイブ・アンド・ボールド」ぐらいでしか知らなかったのですが、このエピソードですっかりお気に入りのキャラになったので、今後のエピソードでも話に絡んでくれるのかが気になる。

キャバリエ(モーティマー・ドレイク)
初登場は1943年のディテクティブコミックス#81となかなかの古参ヴィラン

◆感想
ディックとダミアンがすっかり兄弟のような関係になっているのがたまらない一冊。
ただあくまで本作は前述したように橋渡し的なエピソードなのでヴィランたちとの戦いにケリがついたりはせず、話のメインはあくまで『誰がバットマンの後継者となるのか』の一点。
また、本作BFTC以外にも複数のエピソードが制作されていたのですが今回は未邦訳のため、アズラエルの下りなど若干わかりにくい展開もちらほら…でもきちんと解説でフォローはされています。
ブラックマスクの正体も解説の方で言及。

●BFTCサブストーリー
【Azrael: Death's Dark Knight】
【Oracle: The Cure】
【Battle for the Cowl: Arkham Asylum】
【Battle for the Cowl: The Underground】
【Battle for the Cowl: Commissioner Gordon】
【Battle for the Cowl: The Network】
【Battle for the Cowl: Man-Bat】
【Secret Six Vol 3 #9】

ストーリー的な面では若干の物足りなさがあるのですが、そこら辺はこれから始まる第二部の邦訳に期待。
カウルを受け継いだ新バットマンとダミアンのコンビが楽しめる『バットマン&ロビン』の発売が今から楽しみだ!

ここから余談。
今回訳者がバットマンサーガ第一部の時と違うのもあってか、ディックの口調がモリソンバッツの時とやや異なっているのがちょっと気になりました(一人称が「僕」になってたりとか)。全体的に柔らかい話し方です。
梟の法廷シリーズ邦訳の際、年齢設定が引き下げられたのを理由に一人称を俺から僕に変更してましたけどあれとごっちゃになったんだろうか。
それとダミアンが母親タリアを呼ぶときの呼称が「母さん」から「ママ」になっていて、これまた一連の邦訳と統一されていないのがどうにも(もしかしたら演出かもしれないけど)
小プロとヴィレッジで翻訳の雰囲気が異なるのは当然としても、同一の出版社ではこういう部分はチェックして統一してほしいところです。

【解説部分の誤記について】
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3 Comments

アウル  

翻訳が統一されていないのはもはやお約束な感じがしますな~(´_ゝ`)
英語だと「Ma'am」の一言で済みそうだが、日本語にすると一人称でも結構な数があるため、翻訳家さんの努力には頭が下がります。
バットマンがいないといつも通り荒れまくってるゴッサムとか、治安が悪いとか以前にもうそれがデフォなんじゃないかと錯覚w
やっぱアメコミは1都市1ヒーローは必要なんですな(マーベルヒーローはNYに集中しすぎ)

2014/02/07 (Fri) 17:42 | EDIT | REPLY |   

久仁彦  

兄弟ケンカの末に収まるべきところに収まる話、という感じでしたが
「謎のバットマン」のハチャメチャな暴れっぷりが楽しい一作でした。
『UTRF』未読のまま読んじゃったのは勿体無かったかも…。
あと行きずりのチャンネーをナンパするダミアンに吹きました(本筋関係ない)。

>ゴッサム・ガゼット
邦訳ではなかなか出てこない色んなキャラクターのお話が読めて嬉しかったですねー。
お気に入りキャラのステファニー・ブラウンさんが日本語で拝めたのも手伝って
個人的には本編よりも好みでした。

>キャバリエさん
『英会話』登場の彼と名前が違うのが気になって、英Wikiを覗いてみましたが
本書に登場する「モーティマー・ブレイク」さんが元祖キャバリエさんで
『英会話』に登場する「ハドソン・パイル」さんは同名の別人のようです。
何だこのややこしい設定。

ツイッターでもお伝えしましたが『英会話』もなかなかの佳作ですので機会があれば是非。
Amazonだと送料込みでもほぼ定価と変わらないな…(チラッ

2014/02/07 (Fri) 17:56 | EDIT | REPLY |   

森野大吉  

お久し振りです、森野大吉でございます。私もAndroidユーザーなので、涎をダラダラ落としっぱなしです。
本書についてですが、デス・オブ・キャプテンアメリカが愛読書の私にとっては燃える作品でした。ただ残念なのは、一人称の件と登場人物の解説不足。
前者はバットマン&ロビンで改められるでしょうが、後者は邦訳でしかアメコミに触れていない私には辛いものがありました。
ああ…どこかのブログで解説してくれないかなぁ(チラ…チラ…)。

2014/02/08 (Sat) 17:06 | EDIT | REPLY |   

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