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12 2013

桑田次郎版バットマンに登場するヴィラン図鑑

やたらと個性的なヴィランが数多く登場する桑田次郎版バットマン
とはいえこの作品は原作コミックのエピソードを下地にしており、
登場するヴィランも全てキチンと原作にも登場しているヴィランなのです。
この記事では桑田次郎版バットマンに登場するヴィランたちを、原作で登場した時の画像を交えて紹介していきたいと思います。

◆デスマン(死神男)
デスマン

「きさまがつかまえたのは死の影だけだ
 そんなもの いつでも
 ゆびのあいだからにげだすぜ!」


1巻『死神男』に登場。原作での初登場は『Batman #180』

自分の生死を操ることが出来る能力を持っているため、どれだけ捕まえて裁判で死刑に処そうとしても、自ら命を絶って刑を逃れてしまう厄介なヴィラン。
共同墓地に埋めようとも部下が掘り出し、自分の能力で復活してしまうのだ!
死んでも復活するその能力の為に、バットマンは「ヤツは復活してわたしの命を狙いに来るのではないか」と不安に駆られろくに眠ることが出来なくなってしまった。
しかしバットマンとロビンは気晴らしに出席したパーティーの余興で披露されたあるイリュージョンを見て、死神男の能力の謎を突き止めるのである。

1回きりの登場と思われたヴィランだが、2011年の『Batman Incorporated #1』にて復活を果たし、後に日本のバットマン、ジロー・オサムの宿敵として立ちはだかることとなる。

◆ドクター・ノーフェイス(デントン博士)
ノーフェイス

「わっははは…
 顔という顔は みんなめちゃめちゃにしてやるぞ
 ひーっひひひひ……
 みんなおれと同じ顔なしにしてやるんだっ」


1巻『顔なし博士』に登場。原作での初登場は『Detective Comics #319』
原作ではバーソロミュー・マガンという名前。
アニメ『バットマン:ブレイブ&ボールド』33話の『3人のバットマン』にも登場している。

皮膚再生光線の実験に失敗し、顔を失ってしまったショックで発狂したデントン博士はゴッタム市に飛び出して、顔を破壊する事に執着するようになる。
…のだが、何故か顔の破壊だけでなく宝石を盗むなどの強盗にも手を染めるようになっていく。
そこに不信感を抱いたバットマンは、調査を進めていくうちにこの事件に隠された裏を知ることになるのだった。

◆バウンサー(ボール人間ギャグニィ)
バウンサー

「さあとめてみろ!
おれのうごきをとめられるものなら!!」


1巻『ボール人間』に登場。原作での登場は『Detective Comics #347』
ギャグニィという本名は桑田次郎版のオリジナル設定。
日本未放映のエピソードだが、アニメ『バットマン:ブレイブ&ボールド』53話の『Joker: The Vile and the Villainous!』にも登場している。

冶金家であるギャグニィは数年研究した末に作り上げた弾性合金を用いて、どんなショックにも耐えられバウンドする弾力服を制作。
実験を兼ねて弾力服を身に纏い、犯罪行為に手を染めるようになった。
この弾力服を国際的な犯罪組織や軍隊に売りつけ、世界一の金持ちになる事が目的というヴィランである。
それを喰い止めるためにバットマンとロビンはボール人間に戦いを挑むのだが、ショックを吸収する上に自由自在に壁を跳ね回る彼の動きを捉える事は難しく、相当な苦戦を強いられてしまう。

◆カーマック
カーマック

「人間が地球上にいるかぎり
 動物はどこにいても平和はない!!
 おれの生きている限り
 人間どもをころしてやるのだ」


1巻『ゴリラ博士の復しゅう』に登場。原作での初登場は『Detective Comics #339』

動物の能力を人間に移植する事が可能な装置を発明した『ウオルター生体学研究所』のウオルター所長は、ゴリラの力を自分に移植しようと実験を始めたが、その際に装置が故障してしまい、力を得た代わりに檻に閉じ込めていたゴリラのカーマックに自分の思考能力を与えてしまう。
そしてカーマックはテレパシーでウオルター所長を操りつつ、自らも脱走しゴッタム市で数々の建築物を破壊しまくるのであった。
ゴリラのパワーと人間の知性を手にしたために強力なヴィランと化していたが、その行動原理はあくまで動物のためであったため、バットマンはカーマックの身の上に同情していた。

◆ウェザー・ウィザード(魔神ゴゴ)
ウェザーウィザード

「大気のあるところならこわいものはない
 世界中の大気がおれの武器さ」


1巻「魔神ゴゴ」に登場。原作での初登場は『Flash #110』
バットマンのヴィランというよりは、打倒フラッシュを志すヴィランチーム『ローグズ』のメンバーとしての姿の方が有名かも。

本名はマーク・マードン。手に持っているウェザー・ワンドという杖は亡くなった兄弟のクライドから盗んだものであり、これを用いて風や気温を操って自由に雷や雨、氷を作り出すことが出来る。
2代目フラッシュのバリー・アレンだけでなく、エロンゲイテッドマンとも戦ったことがあるとか。
桑田次郎版バットマンでもこの杖の能力をフルに発揮してバットマンとロビンを追い詰めていく。

◆アンドリュー・ワーナー知事
ワーナー知事

「もしも……もしもわたしがいまの人類に
 害をおよぼすような未来人に
 生まれ変わるようなことになれば…
 いいかね!!バットマン
 そのばであの光線砲をつかって
 わたしをしまつしてくれ!!」


1巻『人間をやめた男』に登場。原作での初登場は『Batman #165』

夢遊病にかかっているかと思われたワーナー知事は、精神科医に検査してもらったところ、人類の次なる進化形態である未来人になりかかっている事が判明する。
ワーナー知事は悩んだ末、「人類が未来人になる時どのような種族になるのか」を知るチャンスを失う訳にはいかないと判断し、ミューテーションを進ませて未来人となる事を決意する。
もし人類にとって害をなすような存在に変わるのであれば、バットマンに自分を殺すように指示を与えて…
そして実験の結果、ワーナー知事は未来人へと変貌したのだが、未来人は人類を滅ぼし新しい世界を創らんとする凶暴な種族であった事が判明してしまう。
未来人は同じく未来人の細胞を持つワーナー知事の娘リズを攫い、実験室から逃亡してしまうのであった。
念力やテレポートを用いることができるため、ろくに攻撃を通すことが出来ずバットマンらは大いに苦戦した。

この話に登場するリズという少女は桑田次郎版オリジナルの登場人物であり、作中の未来人のデザインは『Detective Comics #251』に登場したエイリアンを元にしているとの事。

◆2代目クレイフェイス(ドロ人間フェリス)
2代目クレイフェイス

「わっははは
 ドロになってしまえば
 つかまえることもできないだろう」


1巻『ドロ人間の復しゅう』、3巻『怪盗ドロ人間』に登場。原作での初登場は『Detective Comics #298』
桑田次郎版ではフェリスという名前に変更されており、原作ではマット・ヘーゲンという名前。
この他にもトレジャーハンターだった設定を本作では服役中のギャングに変えられている。

バットマンに追われていたフェリスは、たまたま逃げ込んだ洞窟の水溜まりの中に隠れてその場をやり過ごしたのだが、その水はただの水ではなく、自分の身体をドロのように変化させてしまう作用を持つ正体不明の液体だった。
精神を集中してなりたいものを頭に思い浮かべるだけで変身することが出来るようになったフェリスは、さっそくこの能力を悪事に活用するのであった。
作中では鳥や悪魔のような怪物の姿、果てはドリルや恐竜にまで変身しバットマンたちに襲い掛かった。

◆フーデッド・ハングマン(しばり首男)
フーデッド・ハングマン

「いまやゴッタム市の英雄はバットマンじゃない!!
 このしばり首男さまさ!!」


2巻『恐怖のしばり首男』にて登場。原作での初登場は『Detective Comics #355』
原作ではテルマン・デイビスという本名が判明している。
これ以降にも『Superman/Batman #70』にて再登場を果たしているとの事。

しばり首男は彗星のように現れ、未だ無敗の悪役プロレスラー。
ある日バットマンとロビンはしばり首男が強盗を犯して逃走している光景を目撃し、すぐに彼を追いかけるのだが、そこにもう一人のしばり首男が現れ、強盗を犯したもう一方のしばり首男を殺害する現場に遭遇する。
この事件は『しばり首男の名を語った偽物の犯罪者を本物のしばり首男が成敗した』という風に報じられ、彼はいちやくゴッタム市の英雄となる。
しかしこの事件になにかきな臭い物を感じたバットマンは、しばり首男の事を独自に調査するのであった。

試合では反則技ばかりを繰り出し、とどめにしばり首を用いて相手を倒す凶悪な男。
何故かバットマンを目の敵にしているのだが、その理由は…?

◆アウトサイダー
アウトサイダー

「ふふふ……
 バットマンとロビン!
 もはやおまえたちは
 死からのがれることはできないぞ!!」


2巻『アウトサイダーのなぞ』にて登場。原作での初登場は『Detective Comics #356』

赤トカゲギャング団(原作では「グラスホッパーギャング」)の攻撃からバットマンとロビンを救うために身を挺して命を落としたアルフレッドが、クロフォード博士が製作した細胞再生装置により蘇生させられたものの、装置に狂いがあったために変異してしまった姿。
狂っていた装置が原因で「バットマンとロビンを救う」という意識も反転し、二人の命を奪おうと画策する性格に変わってしまっている。
超能力で死者を動かしてバットマンらを襲わせたり、クロフォード博士の家にあった物質変換機を用いて二人の身体を溶かそうとしたりと恐ろしい戦い方を見せる。
結局アルフレッドがどうなったのかは本編で。

後にリランチ前最後の大規模クロスオーバー『フラッシュポイント』にてまさかの再登場を果たしたが、こちらはインド人のメタヒューマンであり、国ぐるみの犯罪で祖国の繁栄を目指しているという実質新キャラに変更されている。
…と思ったら、タイイン誌『Flashpoint: The Outsider』にて驚きの正体が明かされる事に。
エピソード自体は未邦訳ながら、『フラッシュポイント:バットマン』巻末のタイイン誌解説にその正体が記載されている。

◆プラネットマスター(惑星王)
惑星王

「金星計画はおわった!!
 つぎは土星計画を実行する」


2巻『惑星王の犯罪』に登場。原作コミックでの初登場は『Detective Comics #296』

惑星にちなんだ犯罪計画を立てるヴィランであり、毎回その犯罪計画のネーミングに合わせてコスチュームも変更するという、一昔前のカレンダーマンのような男。
コスチュームによって攻撃方法も変わり、水星計画の時は焼けただれた星の表面最近否定されちゃったけどにちなみ火炎放射で、金星計画の時はガスに覆われた星にちなんでガス攻撃を、そして土星計画の時は画像のようなエネルギーリングで敵を攻撃してくる。
木星計画の時は、木星の巨大さにちなんで敵の持つ所持品を巨大化させて相手の動きを封じたりと発想こそバカバカしいものの、バットマンらは惑星王の多彩な攻撃に苦しめられる事となる。

惑星王が登場するこの回は少年キング版最終話であり、二転三転する惑星王の正体とSF要素満点なアクションが相まって非常に盛り上がる傑作エピソードとなっている。
(ただし最終話感は薄い)

◆キャットマン(猫男)
キャットマン

「おれのこのマントには
 九つの命をもつ猫の霊がのりうつっている
 猫の霊にまもられたおれは不死身なのさ
 わっはっはっはっ……」


3巻『怪人猫男』に登場。原作での初登場は『Detective Comics #311』
桑田次郎版バットマンでのエピソードは2回目の登場となる『Detective Comics #325』を原作としているため、読者が知らないうちに1回目の戦いが終了してしまっている。

バットマンっぽく描かれたこの絵の所為で微妙に有名だと思われるヴィラン。
しかし彼はある程度原作コミックに忠実にデザインされている桑田次郎版バットマンの中で、数少ないオリジナルテイストの強いデザインに描き直されているキャラでもある。
本作のキャットマンは『バットマン・ザ・フューチャー』のバットマンのようなデザインであり、時代を先取っていて非常にカッコいいので必見。

本名はトーマス・ブレイク。猫に強い執着心を抱いている男であり、太平洋のある島で生まれた“キャット・カルト”という宗教に惹かれ、そこの教団から聖なる猫の彫像をそれを包んでいた布を盗み、その布を用いて自分のコスチュームを作って犯罪者キャットマンとなった。
『コスチュームには9つの命が宿っているため不死身である』とは本人の弁であるが、迷信の可能性が高い。
…はずなのだが、何度も命拾いしている事を考えると本当に不思議な力が宿っている可能性も否定できないのである。

桑田次郎版バットマンでは猫男という名前と、原作コミックと同じく南太平洋に浮かぶゼタタマ島にある島の宝である布を盗み出した事しか判明していない謎の男として描かれている。
「マントの加護により自分は不死身である」と信じ込んでいるため、命知らずの行動に出ることが多くバットマン達は手こずる事となってしまう。

これ以降も原作コミックでは何度もヴィランとして登場してはヒーロー達と敵対するのだが、悪のゴリラ、ムッシュ・マラーを密告し証人保護プログラムで姿を隠した後にグリーンアロー(オリバー・クイーン)の死を知った時は、葬儀に無理を押して参列していたりもする。

◆宣伝
桑田次郎バットマンは日本オリジナルのコミックとはいえ、おおまかなストーリーの流れは原作コミックをベースにしているとか。
桑田次郎先生による日本向けの脚色が加えられたというちょっと変わった形でクラシックなバットマンを楽しめる一作でもあるので、この機会に読んでみてはいかがでしょうか?(露骨な宣伝で〆)
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