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29 2013

マーク・グッゲンハイム&ジョン・ロミータJr.他/スパイダーマン:エレクション・デイ

スパイダーマンエレクション・デイ表紙

『誰もが自分なりの十字架を背負ってるんだ。
 僕らは自分の荷物が他人より重いと考えたがる…
 だけど…それは間違ってると思う。
 重要なのは、その重荷をどうするかじゃないか?
 重荷も呪いも君の一部だ。潰されてはいけないんだ。
 君は父親と全然違う。「オズボーンの呪い」なんかに負ける君じゃない。
 だから僕は…君を信頼するのさ。
 親友だもんな』


ついに決戦の日がやってきた!
ヒートアップするニューヨーク市長選挙、その結果はいかに……!?


『ブランニュー・デイ』が始まって以来、スパイダーマンをも巻き込んで過熱するニューヨーク市長選挙。ついにその選挙投票日が近づいてきた。二人の候補者――巨大企業トップのランドール・クラウンと、清廉潔白な検事ビル・ホリスターの選挙戦はデッドヒートとなり、ニューヨーク市民は勝者が決まる投票日を待ち望んでいた。
だが、大きなイベントを控えたニューヨークの熱気の中で、謎のヴィラン・メナスが暴れ続け、選挙戦に混沌をもたらし続けていた。

ヴィランの暴力を阻止し街を守ろうとするスパイダーマンにも、大きな問題が立ちふさがる。彼はスーパーヒューマン登録法にも違反しているために指名手配中だ。しかも市長候補のリサ・パーフリーが群衆の目前でメナスの襲撃によって死んで以来、スパイダーマンへの非難がさらに高まった。その上、スパイダートレーサーを死体に残していく未知の連続殺人犯が現れ、当然のようにスパイダーマンに容疑がかかってしまう。今や彼は何重にも追われる身となっていた。

盲目のヒーロー・デアデビルことマット・マードック、J・ジョナ・ジェイムソン、ハリー・オズボーン、ノーマン・オズボーンなど、多くのキャラクターが入り乱れる本書は『ブランニュー・デイ』の第1シーズン・ファイナルに当たる。いくつもの謎が解き明かされ、そしてまた新たな謎が生まれていく――。

世界中でセンセーションを巻き起こし、ビッグヒットとなったスパイダーマンとオバマ大統領のスペシャル・チームアップ『アメイジング・スパイダーマン』#583も収録。Web限定で公開されたページも加えた完全版でお届けする。


◆関連作品過去記事
【スパイダーマン:ワン・モア・デイ】
【スパイダーマン:ブランニュー・デイ1】
【スパイダーマン:ブランニュー・デイ2】
【スパイダーマン:ブランニュー・デイ3】
【スパイダーマン:ニューウェイズ・トゥ・ダイ】

◆収録作品

2008年09月:Amazing Spider-Man: Extra! #1
2009年02月:Amazing Spider-Man:President's Day Special
2009年03月:Amazing Spider-Man #583『Spidey Meets the President!』のみ収録)
2009年03月:Amazing Spider-Man #584
2009年04月:Amazing Spider-Man #585
2009年04月:Amazing Spider-Man #586
2009年04月:Amazing Spider-Man #587
2009年05月:Amazing Spider-Man #588
2009年05月:Amazing Spider-Man: Extra! #3


◆ELECTION DAY
ここまで引っ張ってきたメナスの正体がようやく判明、そしてスパイダートレーサー殺人事件の真実が明かされるという、注目の展開が目白押しの一冊。

メナスの目的とは
メナスがニューヨーク市長選挙を引っ掻き回し、スパイダーマンに執着するその理由とは…?

どんどん謎が明らかになっていく本書のストーリー展開には目が離せません。
こういう長期連載ならではの面白さはオンゴーイングシリーズでしか味わえませんねー。
小プロのスパイダーマンコミックは合間合間のエピソードをすっ飛ばしての邦訳となっていますが、それでも継続して出してくれている事がありがたい。

それはそうとスパイダーマンのコミックは『ピーターの不幸っぷりに同情しつつ痛快なストーリーを楽しむ』という印象があるのですが、前巻の『ニューウェイズ・トゥ・ダイ』あたりからはピーターの親友ハリーも結構可哀相な目に合い出してなんだか不安。
父親のノーマンからは精神的虐待を受けてるし身の回りで色んな事が起こりすぎてるしで…なんなのスパイダーマンのライターは登場人物全員を不幸に叩き落とさないと気がすまないの?
しかしそんなハリーが“ある決意”を胸に秘めて、あのコスチュームを身に纏うシーンは必見。

あと今回本筋以外のエピソードもちょこちょこ収録されているのですが、これが結構迷シーンの多い作品で面白いです。

リーガハイッ!

本編ではあっさり目に描かれていた裁判シーンを密に描いた『Amazing Spider-Man: Extra!#1』
スパイダートレーサー殺人事件の犯人として捕まってしまったスパイディが裁判にかけられた際、彼は検察側からマスクを脱ぐように要求されてしまうのですが、これを切り抜けるために弁護側のマット・マードック(デアデビル)が取った作戦がかなりぶっ飛んでて吹き出してしまいました。
頭の中で思わずリーガル・ハイの『あのテーマ』が流れ出しましたね。

そして表紙にもなっている、本書の目玉エピソードであるオバマ大統領との共演会!
バラク・オバマ大統領就任式の取材にやってきたピーターだったが、なんとその式にもう一人のオバマ大統領が現れるというトンデモな事件が発生。
そこでピーターはスパイディに変身し、本人にしか分からない質問を投げかけて偽物をあぶり出そうと提案するという内容。

ダブルオバマ!
割と普通の方法で偽物のオバマが判明

ちなみにWeb限定で公開された追加部分は冒頭の4ページとのこと。
この後に、『アメイジング・スパイダーマン:プレジデント・デイ スペシャル』というリンカーン大統領との共演回も収録されています。
このエピソードではスパイディを押しのけてキャプテン・アメリカが共演しちゃってますけどね!
ラストはフルーツパイネタで締めてるのがまた堪んない。

◆感想
自分が不幸を振り撒いているのではないか
「自分は周囲に災厄を振り撒く存在なのではないか」という意識に囚われるスパイディ

ブランニュー・デイ1巻から積み上げてきた様々なエピソードの総決算ともいえる内容でとにかく面白かった!
ニューヨーク市長選挙の結末、メナスの目的、スパイダートレーサー殺人事件のショッキングな真実、そしてハリー・オズボーン…
怒涛の伏線回収で盛り上がるストーリーだったというのもありますが、一連のエピソードで描かれてきたピーターとハリーの親友同士の関係も実にいい。
本記事トップでも引用した#588での二人の会話は本当に感動させられる。

しかしミスター・ネガティブやノーマン・オズボーンとの戦いはまだケリがついていないし、デイリー・ビューグルも買収されたまま。
謎のヒーロー・ジャックポットの正体も不明なままだし、メナスも不穏な動きを見せているので相変わらず問題は山積みです。
このあたりは今後の邦訳に期待ですね。

次の邦訳『スパイダーマン:アメリカン・サン』は、『スパイダーマン:24/7』というTPBを飛ばしての刊行となります。


#589-#594+Extra!#2を収録

本書『エレクション・デイ』の解説書では未邦訳となった『クレイブンズ・ファースト・ハント』『クライム・アンド・パニッシャー』『デス・アンド・デーティング』収録エピソードの簡単なあらすじが書かれていたので、次の単行本でも『24/7』収録のエピソードについてはまた別途解説でフォローされるはずです…多分!

◆余談
『ブランニュー・デイ』以降から、小プロの邦訳では超人登録法の事を「スーパーヒューマン登録法」と訳されるようになっていました。
何故こういう表記になったのかず~っと気になっていたのですが、作中で『SRA』という略称(SUPERHUMAN REGISTRATION ACTの略)が頻繁に用いられ始めたので、それに合わせるためだったのかもしれません。
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3 Comments

No Name  

個人的に印象的なシーンはメナスに殺されかけたスパイディがグウェンを思う場面。一瞬とはいえ「あきらめる」スパイディにはショックだが、同時にちょっとしんみり。

2013/12/01 (Sun) 13:14 | EDIT | REPLY |   

アウル  

オバマが表紙に出てるの見て「まさかね~」と思っておりましたが、
まさか本人とはw
時事ネタをなんの惜しげもなくヒーロー物」にぶっこめるアメコミってすげ~なとつくづく感心しましたw(ま、必ずしもいいネタばかりではないんでしょうが)

ノーマンは、この後のシークレットインベージョン関連であまりスパイディと絡まないから今が対決としての見せ場なんでしょうが、焦らしますね(^^;

2013/12/02 (Mon) 13:59 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
ちょっと切ないシーンですよね。
しかしガチで戦うメナスがあんなに強いとは驚き。毎回取り逃がしてばかりで実力のほどが解り難い敵ではありましたけど。

>>アウルさん
>時事ネタをなんの惜しげもなく
ネタ自体は本当に今更な内容ですけどね!

2013/12/05 (Thu) 19:29 | EDIT | REPLY |   

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