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22 2013

チャック・ディクソン&ハビエル・プリード他/ロビン:イヤーワン

ロビンイヤーワン表紙

“私の忠告は多くの場合、耳が痛いと聞き流されてしまいます。
 しかしながら、ディック・グレイソンが活動に参加することにより、
 旦那様のなかで変化が生じてきておりました。
 旦那様は確かに笑いました。
 屋敷の地下の恐ろしい洞窟から私のいるキッチンまで、
 くぐもった笑い声が反響してくることすらございました”


脅威の少年ボーイ・ワンダー、ロビン誕生――
バットマンの相棒サイドキックである初代ロビンこと
少年ディック・グレイソンの知られざる物語。

彼の名はディック・グレイソン。師と仰ぐゴッサムシティの守護者バットマンとともに幾年もゴッサムの闇と戦ってきた。のちにナイトウィングとして活躍する彼は、ロビンのマントを纏った最初の少年だった。そう、彼こそが初代ロビンなのだ。
ギャングの陰謀により孤児となったディック・グレイソンは、バットマンのもうひとつの顔である大富豪ブルース・ウェインの庇護の下に引き取られた。彼はブルースの下でクライム・ファイターになるためのトレーニングを積むことになった。訓練を終えたディックは、初めてゴッサムシティの悪たちと対峙する。訓練と実戦は違う。そこには厳しい試練が待ち構えていた。自分の運命は、自分で切り開かなければならないのだ……。


◆収録作品

2000年12月:Robin: Year One #1
2001年01月:Robin: Year One #2
2001年02月:Robin: Year One #3
2001年03月:Robin: Year One #4


◆初代ロビン ディック・グレイソンの冒険
バットマンとロビン会話
まるで父子のような会話

本書『ロビン:イヤーワン』はそのタイトルの通り、リチャード・“ディック”・グレイソンがバットマンのサイドキックとなってロビンを名乗り、ヒーロー活動を始めた直後の冒険を描く作品となっています。
少女誘拐事件を起こしているマッドハッターや、クルーマスター、B級ヴィランのキラーモスなど、さまざまなヴィランをひっ捕らえてどんどん実力と実績を積み重ねていくロビン。
バットマンはそんなロビンの成長を喜んでおり、現在の二人の間にはまるで本当の父子のような信頼関係が生まれているのです。
その光景は見ていて結構ほっこりします。

ですが、アルフレッドはディックが学生と自警活動の二重生活を後悔してしまう日が来ないか、またゴードン警部は少年であるディックが大怪我を負ってしまうような事が無いかを常に気にかけています。
一見するとバットマンとロビンは上手くいっているコンビに見えますが、バットマンの理解者である二人は少年を相棒にするという事の問題点をさりげなくバットマンに指摘するんですね。

警告するゴードン警部
ゴードン「それと鱗パンツに生足という組み合わせは君の趣味なのかね?」

トゥーフェイスという危険なヴィランと対峙することになり、バットマンは一時的にロビンを外そうとするのですが、結局ロビンは付いて来てしまいます。
その結果二人はトゥーフェイスの罠にかかっただけでなく、ロビンの判断ミスによって“大きな失敗”を犯してしまい、さらにロビンは全身を殴打されて酷い重傷を負ってしまう事態に。
その後、何とか窮地を脱したバットマンのおかげで命からがら逃げ帰る事が出来たのですが、バットマンは今回のミスを受けてロビンをクビにしてしまいます。
それからというもの、二人の間には会話も無くなってしまい…

◆感想
ロビンがとにかく健気で可愛くてカッコいい。これに尽きる一冊。
バットマンにロビンをクビにされてもディックは「何だコノヤロー!」と反発はせず、それでもバットマンの役に立とうと行動するんですよ。
そりゃお姉さま方に支持されるってもんだわ。

普段のバットマンの邦訳とは違い、少年が主人公の作品というあたりもまた違った感じで楽しめる要素でした。
最近はナイトウィングでの活躍を見る事の方が多かったんで、ロビン時代の活躍を今見ると逆に新鮮ですね。

あとハビエル・ブリードとマルコス・マーティンの、陰影がハッキリしたカートゥーンタッチのアートが作品の雰囲気に凄くマッチしています。
ほどよくデフォルメされたキャラデザインが良い!
そしてバットマンが超恐い。

恐怖のバットマン
「悪人に恐怖を与えるために蝙蝠のコスチュームにした」とはよく聞くものの、
実際に絵で見て恐怖を感じたのは初めてかも

現在のNEW52のバットマンは様々なガジェットを装備しておりかなりスタイリッシュなコスチュームですが、初期のコスチュームのバットマンはこうやって見ると結構不気味ですね…

ちなみに本書は合田綾子という方が翻訳を手がけられているのですが、なんとこの人は本作がコミック翻訳初デビューなんだとか。
ストーリーが面白かったのもあるのですが、翻訳が良かったのかスイスイ読み進めることが出来ました。
また、巻末には高木亮氏による『ロビンの歴史』という歴代ロビンについて知ることが出来る解説が付いています。

さらに本作の解説と言うわけではないですが、ブログ上でロビンに関するネタを取り上げた記事を公開されているのでこちらも必見。
【ロビン】
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