ツルゴアXXX

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01 2013

ヴィクター・ギシュラー&ボン・ダゾ他/デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス

デッドプールマークウィズアマウス表紙

「おぬしの挑戦、しかと受けようぞ。ここがおぬしの墓場となろう」
[アイヴァンホーの霊でも乗り移ったのか]
「ふざけたことばかり言いおって」
「よく言われるよ。冗舌な傭兵マーク・ウィズ・ア・マウスって表紙にも書いてあるだろ」


空から何かが落ちてくる……
あ、あれはデッドプールだ!!


激しく燃えた謎の火の玉がサベッジランドの密林に墜落した。
その残骸のなかから出てきたものは…な、なんと我らが愛すべきデッドプールだった!しかも黒焦げ状態で……
でも彼には超回復能力があるから大丈夫!世界の破滅を目論む悪の組織AIMと契約した冗舌な傭兵は、謎の新型生物兵器を手に入れるため、ジャングルの中へと足を踏み入れた。任務の報酬を手にするためには、ライバルであるテロリスト組織ヒドラの兵士たちを出し抜かなければならない。
しかし、目的の生物兵器にたどり着くことができたデッドプールは衝撃的な事実を知る。彼が持ち帰るべき生物兵器とは、ベラベラしゃべって、脳をムシャムシャ食べるゾンビ・デッドプールの頭部ヘッドプールだったのだ!デッドプールとヘッドプールの珍道中がはじまった!!

え!?ヘッドプールだけじゃ物足りない?それなら、SHIELDのウィルソン少佐やデッドプール・キッドはどうかな?そうそう、無限に広がるマーベルの並行世界を語る時に忘れてはならないゾンビバースでの冒険も盛りだくさんだ!

デッドプール史上、最もクレイジーな一冊にして、ファン必携のコミック、日本初邦訳!


◆収録作品

2009年09月:Deadpool: Merc with a Mouth #1
2009年10月:Deadpool: Merc with a Mouth #2
2009年11月:Deadpool: Merc with a Mouth #3
2009年12月:Deadpool: Merc with a Mouth #4
2010年01月:Deadpool: Merc with a Mouth #5
2010年02月:Deadpool: Merc with a Mouth #6
2010年03月:Deadpool: Merc with a Mouth #7
2010年04月:Deadpool: Merc with a Mouth #8
2010年05月:Deadpool: Merc with a Mouth #9
2010年06月:Deadpool: Merc with a Mouth #10
2010年07月:Deadpool: Merc with a Mouth #11
2010年08月:Deadpool: Merc with a Mouth #12
2010年09月:Deadpool: Merc with a Mouth #13


◆デッドプールのテーマ曲(MVC3より)

◆冗舌な傭兵
ついにデッドプールの邦訳本が日本初上陸!
(厳密にはヴィレッジのシビル・ウォー:クロスオーバーの方が早かったけども)

かつてはアメコミファンの間でのみ知られているキャラだったのですが、カプコンの格闘ゲーム『MARVEL vs. CAPCOM 3』に登場した事で知名度が急上昇、日本でも押しも押されもせぬ人気キャラクターとなったのがこのデッドプール

セクシーポーズ
「恋かッ!?オレちゃんにホレてるのかッ!?愛かッ!?オレちゃんにゾッコンなのかッ!?」

本名はウェイド・ウィンストン・ウィルソン。彼の精神は歪んでしまっており、その言動は支離滅裂。
黄色いフキダシが特徴的で、また心の中に複数の人格も存在し、それと会話することも出来ちゃう。

そんな彼が持つ能力は、なんとウルヴァリンと同じ超回復能力(ヒーリングファクター)
様々な銃器を使いこなし、さらには格闘術にも精通しているその高い戦闘能力を持って、死なないという強力なアドバンテージを利用し雇われ傭兵として活動するキャラクターなのだ!

さて、デッドプールというキャラを語る上で外すことができない『超重要な能力』がもう一つあります。
それは、「第四の壁」を破ることができるというトンデモな能力。

「第四の壁」とは演劇に関する用語であり、部隊の奥と左右にある二つの壁の他に、舞台上(フィクション)と観客席(現実)の境に立ち、二つの世界を隔てている観念的なもう一つの壁のこと。
それが破壊できるデッドプールは、堂々とメタ発言をすることができるキャラクターであり、読者に話しかけたり、作者にストーリー展開について物申したり、本来知りえない筈の情報を入手出来たりと、主にコメディチックな作品で大活躍することができるのです。

日本の漫画でもこのような「第四の壁」の破壊が行われることがありますが、デッドプールの場合は本人が持つ能力としてキチンと設定されているというのが特殊な点であり、彼の持つ大きな魅力とも言えるでしょう。
ただし、作中ではデッドプールの発言や行動はあくまで「精神異常者の妄言」として片付けられてしまうんですけどね。

ジャージャービンクス最低です
スター・ウォーズの『ジャー・ジャー・ビンクス』が大嫌いなので新三部作も大嫌い
同意しないヤツは即ヘッドショット!

口数が多くてモラルも皆無、報酬さえ貰えれば悪の組織の計画にも加担しちゃうアンチヒーローなキャラですが、「どこか憎めない」性格となっているデッドプール。
本作品『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』はそんなデッドプールの活躍をたっぷり楽しむ事が出来ます。
というわけで次は作品紹介!

◆ZOMBIES! CAVEMEN! DINOSAURS! ZOMBIE-CAVEMEN!
悪の組織AIMに依頼されて、サベッジランドにあるという謎の生物兵器の奪取に向かったデッドプール。
しかしサベッジランドに住む原住人に祭られていたその生物兵器の正体は、なんと自分の生首だった!
…というトンデモな掴みからスタートする本作。
マーベル版ターザンとも言うべきなややマイナーなヒーロー、ケーザーもゲストとして登場します。

この生首デッドプール『ヘッドプール』は、なんとあのマーベルゾンビーズの世界から転移してきたデッドプール!
まさか正史世界とあのゾンビーズの世界がこんなところでクロスするとは思わなんだ。
並行世界もしっかり設定として組み込んでいるアメコミだからこそできる展開ですね。

ちなみに『マーベルゾンビーズ』と関連性があると言っても、明確な繋がりがあるのは未邦訳の『3』『4』なので、ヴィレッジから刊行された『1』『2』をチェックする必要はあまりありません。
(ちなみに邦訳ゾンビーズでのデップーは『1』1コマだけちらっと顔見せするだけ)
解説書でしっかりフォローされているのでそっちをチェックするだけで充分かも。

AIMに所属する秀才科学者であるセクシーな眼鏡っ娘『ベティ・スワンソン』と出会い、原住民や同じくヘッドプールの奪取を目論む敵対組織『ヒドラ』の猛攻を掻い潜りながら、ヘッドプールを持ち帰ってAIMへの帰還を目指すデッドプール。

デッドプールとヘッドプール
ギャグをやりつつスプラッターな表現も多めな本作
ベティの「グロの連続だわ!」という発言も致し方なし

無事AIMに帰還し、報酬も貰えてハッピー!…では終わらず、むしろここからがストーリーの本番。
脳内の自分と会話して、AIMがヘッドプールからゾンビウィルスを取り出し、全人類をゾンビ化させて世界を破滅させるのが目的である事にようやく気付いたデッドプールは、

「このままじゃフレスカを作る人間も、アダム・ウェストポーラ・アヴドゥル『アイ・カーリー』の娘も好きなゲームの拡張パックを作ってる奴らも死んじまう!」

と危機感を覚え、ヘッドプールを連れ出し、ついでにベティやかつての相棒・ボブにそっくりなAIMの工作員・ビルも引き連れて、ヘッドプールを元の世界に送り返すための大冒険に赴くのであった!

道中ではマンシングに遭遇したり、ヒドラの追手と真剣勝負を挑まれたり、並行世界の様々な自分と出会ったり、最終的にマーベルゾンビーズの世界でゾンビ化したヒーロー達との厳しい戦いを続ける事になってしまったりともうてんやわんや。

それでもデッドプールのキャラは全然ぶれない!
むしろいい女と出会えたことを喜んだり、Xboxやプレステで遊べたり、朝食にホットケーキが毎日出たりフレスカが飲み放題である事に大興奮、マーベルゾンビーズの世界を満喫する始末。

セクシー美女!
「極上の女は俺にゾッコン。このゾンビ世界は天国だ。帰るわけねえだろ」

こんな状態で一体どうやってストーリーに収拾をつけるのか!?
『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』は、ジャングルでの冒険、宇宙戦、並行世界、大量のゾンビと、普通ならどれか1個だけで一本のシナリオが作れそうな要素を贅沢に詰め込み、さらにデッドプールの痛快なギャグや爽快アクションも大量に盛り込んだ快作ですよ!

◆感想
ロブい!
様々な並行世界を旅するパートでは、デッドプールの生みの親である
(色々とネタにされる事も多い)ロブ・ライフェルドのアートも楽しめます

本書『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』が出版されるに至ったのは、アンケートやツイッターで読者から様々な意見を募り、多くの意見を反映した結果なのだとか。
キャラ人気こそ高く見えますが、これまでデッドプールの活躍は国内では殆ど拝めず、一般的な知名度を引き上げたのはゲームだけという状況でしたからね。
小プロの邦訳は基本的に知名度が高いバットマンや映画に合わせた刊行物が多かったので、純粋に読者からの声だけを強く反映して発売したのはおそらくこの邦訳が初めてのはず。

今回はデッドプールの初邦訳という事で、折込冊子では作中の小ネタだけでなく、デッドプールというキャラクターやそのオリジン、そしてデッドプールの歴史について代表的なエピソードを交えながら詳しく解説されています。
小プロの解説は最近文章量がやや抑え気味な印象があったのですが、本書の解説はヴィレッジブックスの解説書に匹敵せんばかりに充実しているので必見。
折込冊子にも書いてあるのですが、本作品を読む前にまずデッドプールの解説に目を通しておくことをお勧めします。

本書は全13話で300ページ越えとボリュームたっぷり。デッドプールの魅力が存分に味わえる超オススメな一冊でした。
デップーはハチャメチャなだけではなく、“義理を通す”カッコいい面もあるキャラなんですよ!

本書はかなり売れ行きが好調らしいので、勢いが続けばこれ以降もデッドプールの邦訳が出版されるんじゃないかとつい期待してしまいます。
平均的な邦訳アメコミ初版の2倍刷ったにも関わらず売り切れ続出で、もう重版が決定したとか。


しっかし8月はヒットマンにパニシャー、9月はデッドプールの邦訳(片方はX-ファクターとの併録だけど)が二冊刊行と、アメコミファンにとっては非常に濃い2ヵ月でしたね…!

◆関連リンク
【翻訳者:高木亮氏による本作品の補足】
(※「顔文字」を用いた意訳についても解説されています)

【カバーアートのパロディ元(ページ下部)】
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4 Comments

アウル  

ピンで出たゲームもケーブルやX-フォースの面々とシニスターの計画を
打ち砕く・・・というゲームをプレイヤーの代わりにデップーがやるっという
最後までメタ全開な内容でしたが、やはりこの人 とことん自由人ですねw
ミュータント寄りなのにX-MEN以外との関わりも多く、なおかつアメコミ
ヒーローにしては珍しいギャグコミック、でも子供には見せられないっていう
ある意味贅沢なキャラクターですよね(^^

2013/10/04 (Fri) 00:21 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>アウルさん
アクションゲームの方も気になってはいるのですが、日本版が出る予定は全く無いんですよねー。日本でも出たら是非プレイしてみたい。
ノーラン・ノース氏のデップーの演技を存分に満喫したい!

2013/10/06 (Sun) 19:02 | EDIT | REPLY |   

加藤  

ブレないよなデッドプール
ジョーカーがヒーローだったらみたいなキャラ

2013/11/05 (Tue) 13:09 | EDIT | REPLY |   

参  

まー、ゲームはグロ描写が無茶苦茶多いし日本版はほぼ無理かと…
デップー真っ二つになるわ、バラバラになるわでこっちで発売するとなったら画面が真っ黒にならざるをえないかと

2014/05/24 (Sat) 00:29 | EDIT | REPLY |   

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