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25 2013

グラント・モリソン&ラグス・モラレス他/スーパーマン:アクション・コミックス Vol.1

スーパーマンアクションコミックス第1巻表紙

『パパ、ママ。全力を尽くしたけど、今はまだこれしか言えない。
 道のりは長いよ。でも大丈夫。やり遂げる』


MAN OF STEEL RISING!

大都会メトロポリス。
喧噪渦巻くこの街を揺るがす謎の男。
強きを挫き、弱きを助ける十人力のロビン・フッドとの異名を取るこの男の素顔がついに明らかになる日が来た。

真の超人=スーパーマンの登場は、いかに世界を変えていくのか。

DCユニバースを一新させた「NEW52」イベント最大の注目作。
スタッフは、ライターに鬼才グラント・モリソン、アーティストには名手ラグス・モラレスを起用。
世界的ヒーロー、スーパーマンの新たな門出となる『スーパーマン:アクションコミックス』、ついに邦訳!

スーパーマンの新たな伝説がここから始まる!


◆収録作品

2011年11月:Action Comics Vol.2 #1
2011年12月:Action Comics Vol.2 #2
2012年01月:Action Comics Vol.2 #3
2012年02月:Action Comics Vol.2 #4
2012年05月:Action Comics Vol.2 #7
2012年06月:Action Comics Vol.2 #8


◆RE-ACTION
小プロがNEW52の邦訳『バットマン』『ジャスティス・リーグ』に着手していく中、ヴィレッジブックスはというと、NEW52で創刊された作品の第1話を纏めた邦訳本という若干変化球な1冊を出版していました。
あの本はあの本で今後まず邦訳されないであろう作品に触れることが出来て面白いのですが、「NEW52のストーリーを追いかけることができる邦訳本を出してくれるのは結局小プロだけなのか…」とちょっぴり落胆したのも事実。

…だったのですが、映画『マン・オブ・スティール』の公開に合わせ、ヴィレッジブックスからもスーパーマンの邦訳本が出版!
ついにNEW52の『アクションコミックス』の邦訳がスタートしたのでした。
DCの象徴とも言うべき代表的なアメコミ『アクションコミックス』
NEW52で再スタートを切ったその本を日本語で読めるというのだから、期待度も大きいタイトルです。

表紙がジム・リーのアートになっていて若干表紙詐欺な気がしないでもないけど気にしない!

舞台となるのは5年前のメトロポリス。
『ジャスティス・リーグ:誕生』の時系列に近いですが、本作で描かれるストーリーはあのダークサイド襲来よりも前の出来事。
スーパーマンの年齢も大きく引き下げられており、若々しいヒーローとしての彼の姿を見ることができます。
“自分の強大な力を正義の為に使う”という意志の元に行動するスーパーマン。
その力で街を蝕む悪党を懲らしめていくのですが、その桁外れなパワーを持つスーパーマンは街の人々に支持されこそすれ、警察や軍隊にはすっかり目を付けられてしまっているのです。

警察をいなすスーパーマン
Tシャツにジーンズ、その上にマントを羽織るというかなりラフな格好のスープス

んでもって、世を偲ぶ仮の姿であるスーパーマンの人間としての姿『クラーク・ケント』
旧シリーズでは新聞社デイリー・プラネットで働く『実直そうな大人』って感じのイメージでしたが、NEW52版アクション・コミックスではスーパーマンの年齢が『22歳』と大きく引き下げられたのもあって、純朴そうな、それでいてちょっと野暮ったい外見に大きく様変わりしています。

クラークとジミー
クラーク・ケントとジミー・オルセンは親友でありつつ、“オタク仲間”でもあるとか
(この1巻では描写されていませんが)いつもSFと映画の話で盛り上がっているとのこと

このように既存のスーパーマンのイメージを一新しつつも、過剰な変更はしない絶妙なバランス加減がちょうど良い感じ。
そして、ラグス・モラレスの描くアクションシーンでは、1940年代のスーパーマンをリスペクトして筋力以外の能力は殆ど使わせずに鉄球や戦車、破砕用の鉄球や本書のメインビランとなるブレイニアックと戦わせています。
『キャラクターの動きで魅せる』。これぞまさに“アクション”コミックスですな。

空を飛べないスーパーマン
空を飛べないスーパーマン。宇宙からの侵略者の本拠地へいかにして向かうのか

◆感想


だったらかかってこい小プロバットマンの邦訳でなかなかに難解なストーリー展開を見せつけてくれたモリソンですが、本作では旧シリーズや映画版、アニメ版などの様々なスーパーマン像を盛り込んで現代風に再構築し、スーパーマンが地球を代表するヒーローの座に昇りつめるまでの過程を追うという、新しくも馴染みやすいスーパーマンのストーリーで楽しませてくれます。
年相応の若者らしさを見せるスープスのキャラクターは必見。

レックス・ルーサー、ジョン・ヘンリー・アイアンズにジョン・コーベン(旧シリーズでのメタロ)、ブレイニアックなど、NEW52での彼らがどのように描かれているのかは是非本編で。

ちなみに本書、序盤の6話が収録されているのですが、底本となった原書に倣って#5と#6が未収録となっています。
これはストーリーの連続性を重視したためであり、#5と#6はまた別途(おそらくVol.2で)収録する予定だとか。

あとこれは本の内容とはあまり関係ないのですが、今回解説は折込冊子ではなく本の巻末に掲載されていました。冊子を無くす心配がなくなったのと、解説に図版が用いられるようになっているのが地味に嬉しい点。
本にノンブルが打たれているので解説の該当ページが探しやすくなったのもまたありがたい。

◆おまけ

1971年3月から10月まで日本テレビ系列で放映されたアニメ版「スーパーマン」のOP。
日本オリジナル主題歌の「スパーッ!」というフレーズが妙に頭に残る。
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2 Comments

アウル  

開幕 グレンモーガンの「SAVE ME!」とか、ドラマの要素も入れてアメコミ初心者の方々にも十分イヤーワンとして楽しめる内容になっていましたね。

でも個人的につぼったのは、巻末のモラレスのレックスを表現したこの言葉だったりもします、てか納得しちゃったw
「ルーサーはメガバイトとギガバイトの違いについて尋ねた人に、見下したような態度で接する電気屋の店員みたいなやつ」

2013/08/26 (Mon) 17:50 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>アウルさん
本編も面白かったですが、モリソンとモラレスのコメントも面白いですよねー。
細かいこだわりやキャラの裏話等を知ると、読み返す時に新たな楽しみが生まれたりして。
本作のルーサーは普段尊大な態度を取っているのに、いざ自分の身に危険が及ぶと結構オタオタしているのが人間臭くて好きなキャラです。

2013/08/27 (Tue) 23:37 | EDIT | REPLY |   

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