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21 2013

ジェイソン・ウォルトリップ/メタルビキニの英会話

メタルビキニの英会話表紙

「ファ~ァ!くたびれた!
 最初は車が壊されたでしょ、
 モデルのオーディションじゃあひどいカメラマンに会うし、
 今度は何が起こる事やら。
 明日はもっといい日でありますように!」


リエコはトップモデルに憧れる普通の女の子。
ところが陸軍の陰謀に巻き込まれて……

生きた英語はアメ・コミから!
ナンバー1の英会話学習法!
使えるフレーズ盛りだくさん。


◆収録作品

1990年10月:Metal Bikini #1
1990年11月:Metal Bikini #2
1991年01月:Metal Bikini #3
1991年05月:Metal Bikini #4
1991年07月:Metal Bikini #5
1991年08月:Metal Bikini #6


◆萌え系アメコミ?
ようやくブログ記事が500記事目に到達!

行きつけの古本屋にて『メタルビキニの英会話』という一風変わった邦訳アメコミをゲットしたので、久々に『古本屋でゲットした邦訳アメコミ紹介シリーズ』第4弾をお送りしたいと思います。
今まで別にコーナー名なんて設けてなかったけどね!

※過去記事
【月刊スーパーマン】
【光文社発行の漫画雑誌『ポップコーン』】
【少年画報社のスーパーマン】


表紙から受けるパッと見の印象は一昔前の国産萌えマンガ。
しかしこの作品は1990年にマリブ・コミックスという会社の『エターニティ・コミックス』というレーベルから発売された、れっきとしたアメコミなのです。

マリブ・コミックスとは1986年にスコット・ローゼンバーグという方が設立し、たった数年で一流のコミックス出版社になった凄い会社。
任天堂やセガ、コロンビア・ピクチャーズやバラマウントとも事業を行っていたとか。
マリブ・コミックスの代表作には『Ninja High School』『Robotech』などがあり、アートを見るとちょいちょい日本の漫画の影響が見受けられます。
そして現在、マリブ・コミックスはマーベルコミックスが買収済。

気になる本書の収録作品ですが、1990年10月から1991年8月にかけて発表された『Metal Bikini』#1~#6までを翻訳。
しっかり全話邦訳されている嬉しい仕様。
『Metal bikini』は本国でもTPB化はされていないみたいなので、日本語で纏め読みできるという優越感があります。
そのかわり全ページモノクロですけども。

メタルビキニ出動!

基本的には訳文が掲載されていますが、要所要所でセリフが原文のままになっており、次のページで訳文とその解説が挿入されるといった形式。
分かりにくいアメリカンジョークにも逐一解説が入るので結構ありがたい。

読んでて面白かった解説部分は『爆発音の使い分け』
『Boom!』は通常の爆発音で、
『(ZZZ)Zoom!』は速く飛びあがる音(空気を通る音)
『Choom!』は割と小さいの物が発射する時の音、
『Ka-choom!』はBoomやZoomほど一般的ではない擬音…という風に紹介されてました。
こういう豆知識を仕入れることができたのはちょっと嬉しい。

◆登場人物紹介
メタルビキニを紹介している国内サイトはほぼ皆無なようなので、メインの登場人物をざっくりと紹介。
この邦訳本では一部の登場人物の名前が日本版オリジナルのものに変更されているので、元の凄まじいキャラ名も併記しちゃいます。

リエコリエコ
本名は『黒沢リエコ』
メタルビキニの主人公で、とてつもないナイスバディの持ち主。
モデルデビューを目指してオーディションに参加するも、カメラマンにセクハラを受けそうになって逃げ出した結果落選し、今はその夢を諦めかけている。
殆ど家に帰らず研究に没頭するおじいちゃん『黒沢博士』に苛立ちを感じているが、それは彼の身体を心配しているという気持ちの裏返し。
黒沢博士の製作したバトルスーツを狙う陸軍が自宅を襲撃に来たのをきっかけに、リエコはやむなくバトルスーツを装着して反撃に打って出る。
こうして彼女は、セクシーヒーロー『メタルビキニ』となったのである!
もちろんお色気も担当しており、事あるごとにシャワーシーンや脱衣シーンなどを披露する。
ちなみに原語版でのキャラ名は『Kenji(ケンジ)』。男性名なのはあんまりすぎる。
「それじゃ、黒沢リエコ、行きます!」

リエコの弟ケンシロウケンシロウ
リエコの弟で、年相応に騒がしい少年。
リエコの友人のマリコ曰く「“台風の目”みたいなガキ」
とてもワンパクな少年だが、自宅に陸軍が襲撃してきたときはホームアローンのようにオモチャなどを用いた様々な罠で兵士たちを翻弄し、姉を必死に守ろうとした。
「お姉ちゃんはあれを持って逃げて!
 僕ができるだけここで引き止めておくから!」


黒沢博士黒沢博士
軍の新兵器『バトルスーツ』の開発者であり、海難事故で両親を失った孫のリエコとケンシロウの親代わりを務めている。
しかし毎日研究に没頭しているがために、毎月孫たちを食べさせているだけであまり家に帰れていない今の状態を憂いていたりもする。
天才ではあるのだが、バトルスーツの重要書類を家に忘れてしまったりとどこか抜けている面も。
「毎月毎月ただ食わしてるだけじゃ、とても家庭とは呼べんな」

林ツヨシ林ツヨシ
黒沢博士の助手で、バトルスーツのテストパイロットでもある人。
イケメン。
原語版での名前は『Yojo Sakatumi(ヨージョ・サカツミ)』という謎ネーミングとなっている。
博士の忘れ物を届けに車でやってきたリエコをフィールド・テストの一つだと勘違いし誤射してしまうシーンがあり、下手すりゃ博士の孫を殺害する所だったのだが、意外にもそこまでキツく追及される事は無かった。
それ以降、リエコ達によくアッシー君として利用される。
出会い方はアレだったが、黒沢博士とリエコの間に少し溝が出来ていることを心配するようないい人で、陸軍にバトルスーツの在り処について拷問されたときも決して口を割らなかった。
翻訳版ではモノクロのため判別できないが、赤毛らしい。
一応説明しておくと、彼がバトルスーツを装備する時は特製のスーツの上に着込むため、別に変態チックな格好にはならない。
残念安心ですね。
「貴様らなんかにバトルスーツは絶対渡さん。絶対にな!」

マリコマリコ
リエコの友人で、彼女が落ち込んだ時にはいつも励ましてくれる心優しい人物。
林さんに一目ぼれしたらしく、コマをよく見ると事あるごとにアプローチをかけている。
もう一人のお色気担当で、ケンシロウに着替えを覗かれたりする。
原語版での名前は『Osaku(オサク)』
「そうだ!何もかも忘れてビーチでパ~っとやろうよ」

ボーイフレンドのサトシサトシ
町で見かけたリエコに一目ぼれしたナンパな青年。
偶然の再会を装ってリエコに近づいては散々な目に遭わされる三枚目なキャラクター。
しかしラストではリエコにキスして貰えたり、モデルデビューするであろう彼女のマネージャーに任命されたりとかなり美味しいところを持っていく。
原語版では『Dosoto(ドソト)』というこれまた妙な名前を付けられている。
「あれ!君か!奇遇だなぁ。ビックリしたよ、いやホントに」

ダイタン将軍ダイタン将軍
陸軍の反逆者グループの首謀者。
黒沢博士の製作したバトルスーツを奪い、政府を転覆させて国の乗っ取りを企もうとする。
#6ではリエコが装備したバトルスーツを奪うため、最新型の対爆撃装甲を纏ったロボットに乗り込み彼女に襲い掛かる。
「火遊びは危険だといわれたことはないのかい?」

◆感想
リエコのシャワーシーン
でっけぇ…

アートとストーリーも一昔前の日本の美少女アニメのようなノリだったのでなんだかちょっと懐かしい気分になりました。
現代の日本が舞台っぽい割には広がる風景がやたらアメリカンですけどね。

だがストーリーはぶっちゃけつまらん!
主人公のリエコがメタルビキニとして活躍するという展開になるまでがメチャクチャ遅いのがとにかく痛いです。
かなり長い間、研究所でのやりとりと陸軍&空軍の陰謀が描かれ、それに加えてリエコ達の日常シーンがだらだらと展開していくだけであり、その間はアクションシーンがほぼ皆無。
美少女達(といっても二人)のお色気で繋ぐにしても、この間延びしすぎな展開は本当に退屈。
ここまで話のテンポの悪いアメコミは初めて見たぞ!

#5の終盤でようやくバトルスーツが敵に奪取されそうになり、やむなく主人公が装備して戦うといった展開になるのですが、普通ならこういう描写は第1話のうちにやるべきではなかろうか。
こういうストーリーに移るのに時間がかかりすぎなのがもうしんどいぜ!
ここまでメタルビキニの活躍シーンを引っ張るとはこの海のリハクの目をもってしても読めなかった…

まあ引っぱるだけ引っぱった分、ラストの#6ではそれなりに爽快なアクションシーンが繰り広げられるのですが。
お色気とアクションシーンを毎話楽しめるような作品じゃなかったのが残念。
アマゾンでは単に『レア』という理由からとんでもないプレミア本として扱われていますが、正直「そんな高値で売りつけるほどか?」な一作でした。

ちなみにメタルビキニ、1996年に新作が#0~#6まで発表されていたようです。
この続編が日本語で読める日は果たして来るのだろうか。

それと、肝心の『英会話のテキストとしてはどうか』という部分ですが、本書は大部分をコミックが占めているので本気で勉強するなら当然普通の参考書を買った方が良いですね。

一応僕はこの本で、
“Hi! Hop in! We get to go home in style.”
(お待たせ!乗って!こいつでド派手にご帰還と行こうぜ!)

…という一文を覚えたので、いつかこのセリフを使う機会が来たらいいなと思っています。

むせるメタルビキニ
むせる

◆余談
この邦訳本を出版した『ジャパン・ミックス』という会社は結構問題を抱えていたらしく、ググると色々情報が出てきます。
こうなると再販は望めそうにないかも……(残ってたとしてもまず無さそうだけど)

【ジャパンミックス倒産関連】
【ジャパンミックス被害者掲示板】
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2 Comments

久仁彦  

機会があったので思い切って買っちゃいました!(Amazonで980円だった)
個人的にはリエコよりポニーテールでタンクトップのマリコ派ですね()。

『uh-oh』と『uh-huh』の使い分けとか色々タメになりますね。
ガッツリ勉強するには向かないかも知れませんが雑学的な使い方を仕入れるにはもってこいかもしれません。
参考書としては失格だけどそれ。

それと同出版社の『バットマンの英会話』が気になりますね。
脚本ジェームズ・ロビンソン/作画ティム・セイルのコンビの日本語版って、これ実は凄い本なんじゃ…。

2013/07/01 (Mon) 20:20 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>久仁彦さん
僕はリエコ派です(お○ぱい星人)。

学習本の体をとってますが、何気に貴重な邦訳が多いですよねこの出版社からの邦訳本。
『バットマンの英会話』はMediaMarkerに上がってた某氏のレビューでちょこっと内容を知ったんですが、ゴッサムに「カヴァリエ」というダンディな新ヒーローが出るお話らしくてちょっと気になります。
何気にカラーみたいですし。
う~ん変にプレ値がつく前に買うべきか…

2013/07/01 (Mon) 23:33 | EDIT | REPLY |   

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