ツルゴアXXX

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01 2013

スコット・スナイダー&グレッグ・カプロ他/NEW52:バットマン

NEW52バットマン第1話表紙
TUNE IN NEXT MONTH.
SAME BAT-TIME, MORE BAT-TITLES!

FLASHPOINT IS OVER, THE NEW 52 BEGINS

フラッシュと宿敵リバース・フラッシュが激闘を繰り広げた「フラッシュポイント」の結果、3つの世界が融合し、新たな宇宙が生まれた。それは、NEW52の世界。新たなスーパーヒーローの伝説が今、ここから始まる。

2011年、コミックスシーンにかつてない激震をもたらした、DCユニバースのリニューアル企画「NEW52」。75年の歴史を誇るDCコミックスの歴史をリセットし、52冊の新タイトルを一斉創刊するという大胆な試みは、あらゆるコミックファンの注目の的となり、DCコミックスの新時代の到来を告げる狼煙となったのである。

新時代の幕開けを飾った52冊の創刊号の中から、「バットマン」カテゴリーに属する11タイトルを単行本化。
DCコミックスの進化を目撃せよ!


◆収録作品

2011年11月:Batman Vol.2 #1
2011年11月:Detective Comics Vol.2 #1
2011年11月:Batwoman Vol.2 #1
2011年11月:Batman: The Dark Knight Vol.2 #1
2011年11月:Batman and Robin Vol.2 #1
2011年11月:Batgirl Vol.4 #1
2011年11月:Batwing #1
2011年11月:Catwoman Vol.4 #1
2011年11月:Nightwing Vol.3 #1
2011年11月:Birds of Prey Vol.3 #1
2011年11月:Red Hood and the Outlaws #1


◆NEW52 BATMAN!
2011年にDCコミックスから新創刊された52の作品。
その第1話をカテゴリー別に纏めた邦訳本第2弾がようやく発売となりました!
第1弾の紹介記事はこちらから。

【ジェフ・ジョーンズ&ジム・リー他/NEW52:ジャスティス・リーグ】

第2弾に纏められているのは上記の通り「バットマン」カテゴリーに属する11作品。
バットマン関連誌だけでもこんなに数があるというだけでもうビックリ。
DCコミックスを代表する有名ヒーロー、スーパーマンでも4作品と抑え目な数なのに!

「バットマン」という事で本書はどれも基本的にシリアスな作品ばかり。
早速簡潔ながら作品紹介に移りたいと思います。
バットマン#1

バットマン#1ジョーカーと共闘

“ゴッサムを知るなんて無理だ。街の方が人を見てるんだよ。
 それで、ちょっとでも気を許した瞬間に…背中からブッスリやられる。
 ゴッサムは解けない謎なのさ”


[ライター]スコット・シュナイダー
[ペンシラー]グレッグ・カプロ
[インカー]ジョナサン・グラビオン

他のバットマン関連誌同様、フラッシュポイント以前の世界観を引き継いでいる。
創刊号では、素顔のディック、ティム、ダミアンも登場。


既に小プロから邦訳が発売されており、紹介記事も作成済みなので今更#1だけで新しく語る事は殆ど無いんですけども。

【スコット・シュナイダー&グレッグ・カプロ/バットマン:梟の法廷(THE NEW 52!)】

解釈の違いによるものなのか、ゴードン本部長がパーティ会場から抜け出すシーンで言っていたジョークが全く異なる内容になっていたのは気になりました。
原書では何て言ってたんだろう…?
まあとにかく、ストーリーの続きが気になったら『バットマン:梟の法廷』を買おう!
最近出た邦訳バットマンのなかでも特におススメな一冊なので。

 

ディテクティブコミックス#1

整形中ジョーカーさん

「ゴッサムには俺様を上回る問題があるってのに…
 お前は視野が狭くて全体ってもんがまるで見えてないのさ!
 問題はどんどん大きくなってやがる!
 一歩下がればすぐ目に入るのに!」


[ライター&ペンシラー]トニー・ダニエル
[インカー]ライアン・ウィン

DCコミックス最古のタイトルが、#1から再スタート。
創刊号では、早くも宿敵ジョーカーが登場。


ゴッサムでは内臓や顔面の部品が切除されるという連続殺人事件が起こっていた。
その事件を調査しジョーカーを追うバットマン…!
ラストでは新ヴィラン、ドールメイカーの手でジョーカーが整形するという衝撃的な展開で締めくくられています。
これは大分前に結構話題になりましたね。

ただし顔を変えたジョーカーの再登場は、2012年12月に発表されたバットマン誌の一大クロスオーバー『デス・オブ・ザ・ファミリー』までお預け。
ディテクティブコミックス誌の#2以降はドールメイカーとの戦いを描くストーリーになっている模様です。
(#1-#4にかけてドールメイカーとその仲間によるゴードン本部長誘拐事件が発生。ゴードン本部長から腎臓を摘出するという出来事が)

余談ですが、『デス・オブ・ザ・ファミリー』のメインストーリーは『Batman』誌で展開していたようなので、今の邦訳アメコミの勢いが続けば小プロから邦訳が出る…と思いたい。

ところで、物語冒頭の「過去6年間に114件の殺人事件。毎年9人という部分はひょっとしなくても誤訳なんですかね?


バットウーマン#1

斬新な小回りバットウーマン

「住民たちはラ・ロローナと」
「何だと?」
「“泣き女”ですよ。
 都市伝説です。バリエーションは様々ですが、大筋はどれも一緒です。
 子供たちを道連れに入水自殺した貧しい農家の母親が…
 悪霊となって戻ってきた」


[ライター]W・ヘイデン・ブラックマン
[ライター&アーティスト]J・H・ウィリアムス三世

同性愛者という設定で話題を集めたニューヒロインの新シリーズ。
創刊号にはバットマンが登場し、バットマンファミリーの一員である事をアピール。


アートが素晴らしく美麗で、若干ホラーな雰囲気漂う一作。
そして百合漫画テイストな描写がちらほら。

主人公のケイトは普段はビアンバーで働き、深夜は相棒のソウヤー刑事と一緒にバットウーマンとして自警活動に赴くというヒーロー。
#1で登場する“泣き女”と呼ばれるビランは明らかにオカルトな存在なんですが、今後のストーリーに出てくるビランもこんな感じにオカルティックなキャラばかりなのかな?


バットマン:ダークナイト#1

ヴィラン大量脱獄ダークナイト

“恐怖はあらゆる曲がり角に潜む。ならば私も。
 恐怖はあらゆる暗闇に巣くう。あらゆる決断を左右する。
 その事実がお前に優位に働くのだ。
 恐怖の居場所なら知っている。
 だが恐怖は私がいつ訪れるかを知らない”


[ライター]ポール・ジェンキンス
[ペンシラー]デビット・フィンチ
[インカー]リチャード・フレンド

2011年1月に創刊されたばかりの新シリーズが、早くもリスタート。
アーカムで発生した集団脱獄に、単身、挑むバットマンだったが…


こちらも小プロから邦訳版が発売済みなので、改めて紹介するにしてもあまり書くことが…

【ポール・ジェンキンス&デイビッド・フィンチ/ダークナイト:姿なき恐怖(THE NEW 52!)】

あ、そういえばちょっとだけ気になった点が一つ。
ヴィレッジの訳では冒頭のモノローグがそのままブルース・ウェインのスピーチのシーンに繋がるよう丁寧語なセリフで書かれていたんですけど、小プロ版ではバットマンのモノローグとして翻訳されているので、スピーチのシーンのセリフとは繋がってはいなかったんですよね。
これどっちの訳し方が正解だったんでしょう…?

 

バットマン&ロビン#1

バットマンとその息子ダミアン

「これから行うのは最初で最後の命日の儀式だ。
 通りにはやがてブルドーザーが入り、再開発が行われる。
 希望に満ちた労働者に仕事を提供するためにな」
「なぜ最後なんだ?」
「胸に穴の開いた父と喉に穴の開いた母の姿を目撃したあの夜に、
 特別な意味を持たせるのが嫌になったからだ。
 記憶すべきは両親の死に様ではない…二人がいかに生きたかだ。
 だから私はこれからは両親の結婚記念日を祝う事にした。
 二人のこの星での最後の夜ではなく…」


[ライター]ピーター・J・トマシ
[ペンシラー]パトリック・グリーソン
[インカー]ミック・グレイ

ブルースとダミアンの親子タッグが引き続き登場。
ぎすぎすした関係も相変わらず。


ダミアンを最初で最後の『両親の命日の儀式』に連れて行くバットマン。すっかりダミアンを相棒ではなく息子として扱うようになったバットマンの姿は『バットマン・アンド・サン』の頃と比べるとグッと距離が縮まった感がありますね。
一部セリフを上記に引用していますが、このシーンのブルースとダミアンの会話はなかなかに良いです。
…といってもダミアンは未だに口が減らず、戦闘では敵を死なせてしまったりとまだまだ未熟な部分が目立つんですけどね。
このように、まだ微妙にコンビネーションが取れていないという描写が面白い一作。


バットガール#1

トラウマキリングジョーク

“今夜の私は…
 父親の目を盗んで警察の内部文書にこっそり目を通した行儀の悪い娘。
 今夜の私は…その懐かしのコスチュームに目を潤ませてる。
 今夜の私は…今夜の私はバットガール”


[ライター]ゲイル・シモン
[ペンシラー]アルディアン・シャフ
[インカー]ビンセント・シフエンテス

かつてジョーカーに重傷を負わされたバーバラ・ゴードンが奇跡の復活を遂げ、バットガールに復帰。
再び、ゴッサムの夜空に飛び立つ(つまり『キリング・ジョーク』はNEW52の世界でも“あった”事になる)。


『バットガール』誌の#1では見ての通り、『キリング・ジョーク』で描かれたエピソードがNEW52世界でも起こったことが示唆されています。
以前の世界ではそのままバットガールを引退して、その後はオラクルとして活動していたのですが、NEW52の世界では奇跡的に回復してバットガールを続けているのでした!

しかしジョーカーの襲撃事件は未だ彼女の心にトラウマとして深く刻み込まれており、銃口を向けられると身体がすくんでしまう模様。
…それって結構致命的な弱点じゃ?

話はちょっと脇に逸れるのですが、本書の解説にバットガールに関するちょっと面白い話が掲載されていたので一部引用。
バーバラ・ゴードン版バットガールの初デビューは、1967年1月のディテクティブコミックス#359、さらにブラウン管デビューは1967年バットマンTVシリーズの第3シーズン第1話であります。
(ちなみにバーバラ・ゴードンの初登場は1961年4月のバットマン#139)

しかしバットガールというキャラは、もっと早い1965年の時点で存在していたという可能性が最近判明したのです。
それが下記のサイトで紹介されている『バットマン対ゴジラ』という未制作の共同制作映画の『日本側のプロット』にバットガールの名前が書かれていたというのだから驚き。

【1954-2004 『東宝特撮の世界』篇】(※『電脳小僧の特撮映画資料室』様)

当時のコミックにすら存在していないバットガールが何故この特撮映画の企画に登場しているのか?
加えてまだTVシリーズに登場していないキャラも前倒しで顔を見せているというこの謎の企画。
結局詳しい事はよく分かっていないらしいのでどこかモヤモヤするのですが、なかなか興味深い内容です。


バットウイング#1

アフリカ版バットマン(おうどんさん)

“これまでに沢山の戦いを見てきた。血塗れの戦いをな。
 混乱の叫びを聞いた。恐怖の叫びを、懇願の叫びを…
 俺を目の前に俺の死を願って叫び声を上げる憤怒の顔も見た。
 そう、実に多くを見てきた。
 奇妙な…悪夢のような、超現実的な出来事の数々を。
 じきに慣れるとは思うがな…
 俺はバットウィング。
 そしてこれが、俺の選んだ人生…”


[ライター]ジャド・ウィニック
[アーティスト]ベン・オリバー

バットマンの活動を世界に広げるべく、ブルース・ウェインが創設したバットマン株式会社のコンゴ担当エージェントで、2011年5月に誕生したばかりのニューヒーロー(ちなみに日本担当は“未詳”ことMr.アンノウン)。


一部で微妙に愛されているヒーロー『バットウィング』の単独誌。
アフリカを舞台にするという意欲作だけあって、その絵面は色々と新鮮。
当然登場人物の殆どが黒人ばかり。

まず冒頭のシーンでマサカーという名のビランをバットウィング(デビット・サヴィンビ)が追いかけるシーンから始まり、そこから一旦話は6週間前に遡り、何故彼を追っているのかが描かれていくと言った展開。
結構ハードな残酷描写があり、ラストシーンも次の話が気になるくらいに衝撃的。
ただそのぉ…シナリオはなかなか目を惹くんですけどもね、キャラのビジュアルがイマイチ嵌らない所為で正直話にのめり込み辛かったです(酷い)


キャットーマン#1

バットマンとキャットウーマンのラブシーン

「バーテンと思ってたぜ」
「ええ。でも他にも得意な事があるの」
「言っとくがな、オレはあの連中ほど甘かねぇぞ」
「そう来なくちゃ」


[ライター]ジャド・ウィニック
[アーティスト]ギレム・マーチ

命知らずの怪盗というポジションは変わらないが、セクシー&バイオレンスの度合いは格段にアップ。
創刊号では、バットマンとの刺激的すぎるベッドシーンも。


これは親の目を盗んでこっそり読むタイプのヤツや!
キャットウーマン(セリーナ・カイル)やたらと下着を見せたり、服を脱いで男を誘惑したりともんの凄くセクシーな内容。
しかし標的を捕えたら爪で容赦なく肉を引き裂く!それはもう遠慮なしにザクザクザクザクと。
このとことん過激でアダルトな作風は、主役をキャットウーマンに据えたからこそですね。


ナイトウィング#1

ナイトウィングサーカス

“懐かしい顔が溢れてる…
 その日が終わる頃には、
 過去は俺にとって最大の弱みではなく、最大の強みになっていた。
 俺を作り上げる基礎に…
 ゴッサムが何をしかけてこようが、思い出を奪う事は決してできない”


[ライター]カイル・ビギンズ
[ペンシラー]エディ・バローズ
[インカー]JP・メイヤー

ブルース・ウェインの“死後”、新たなバットマンとなっていたディック・グレイソンは、
ブルースの本格復帰に伴い、再びナイトウィングのコスチュームを身に纏う。


バットマンの相棒、初代ロビンであったディック・グレイソンが、ナイトウィングとしてゴッサムに帰ってきた。
新しい人生が始まったかと思った矢先、思い出のサーカス団『ハリーズサーカス』が初めてゴッサムに戻ってくる。
ディックは久々に昔の知り合いの元を訪ねる決心をするのであった…という展開。

「一時期新たなバットマンとして活動していた」という、NEW52以前の『バットマン&ロビン』での設定が反映されている事も明かされています。
改めて思うのですが、NEW52に突入してもバットマン周りのストーリーは結構リランチ前の設定を引きずっていますね。


バーズ・オブ・プレイ#1

テンション高いバース・オブ・プレイ

「止まれ!死ぬつもりか!?」
「あぁもう!こっちは死後の人生が懸かってんのよ!
 こんなの…懺悔すれば何とかなると思う?」


[ライター]デュエン・スィザンスキー
[アーティスト]ヘイザス・サイス

バーバラ・ゴードンが組織した女性ばかりの特殊部隊。
バットガールに復帰したバーバラに代わって、ブラックキャナリーがチームの指揮を執る。


一度は解散したバーズ・オブ・プレイ。
しかしブラック・キャナリーは、なんとかチームを再建しようと試みるのであった!

カバーイラストでは4人の女性が描かれていますが、#1で活躍が拝めるのはブラック・キャナリーとスターリングのみ。
カタナはバーバラ・ゴードンがキャナリーに渡した写真の中に登場するだけで、ポイズン・アイビーに至っては#1の時点では未登場。
今後の展開のために色々準備中ってな感じの話で基本的に状況の説明がなされていないため、#1だけだとイマイチ内容が掴み辛い!


レッドフッドアウトローズ#1

レッドフードとゆかいな仲間たち

「認めろよ、ハーパー&トッドが…懐かしくなったってな!」
「理由なら簡単さ、もしお前に何かあったとしたら…
 俺はこの先、“最低の元相棒”の称号で呼ばれる事になっちまう」

「タンクス!」
「礼はいい」
「サンクスじゃねぇよ、タンク=戦車だ!3台、真正面!」


[ライター]スコット・ロブデル
[アーティスト]ケネス・ロカフォート

かつてバットマンのサイドキックを務めた、レッドフードことジェイソン・トッドは、
グリーンアローのパートナーをクビになったアーセナル、タマラン星の王女だったスターファイヤーと行動を共にする事になる。


2代目ロビン『ジェイソン・トッド』今やすっかりやさぐれ系ヒーローに!
NEW52世界のジェイソン・トッドはバットマンとの関係を匂わせつつも、アーセナル、スターファイヤーの2人を引き連れて世界各地で戦っているという設定になっています。

ジェイソンとアーセナル、チャラいコンビの軽妙な会話と、タマラン人である紅一点のスターファイヤーがビッ○系ヒロインなのが色々と痛快で面白い!
スターファイアー、ジェイソンの彼女でありながら、「私とセックスしたい?」とアーセナルを誘惑してすぐさまベッドインという行動は衝撃すぎる。
(タマラン人は肉体的接触により言語を取得するという特性があるためなのですが)
ジェイソンもスターファイヤーも前の邦訳で見たときからすっかり印象が変わっちゃってまあ。
シリアス満点なバットマンカテゴリに属しておりながら『軽さ』も持ち合わせていたりする作品で楽しい。本書の中では一番#2以降も読んでみたい一作でした。


◆感想
というわけで、バットマンファミリーを一気に把握できるという意味でもなかなか読み応えのある一冊でした。
今回も200ページ越えてるんで結構ボリュームがあるんですよね。
しっかし#2以降が気になる作品が多くて、読み終えた後はどうしてもモヤモヤしてしまうぜェーッ!

…あ、それとすっごくどうでもいい事かもしれませんが、本のそで部分に書いてあるFLAHPOINT IS OVER』っていう誤植、これ前巻から直ってないんですけどそういう仕様なんですかね?
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1 Comments

XXX  

>過去6年間に114件の殺人事件。毎年9人
毎年19人だと計算があうので誤植かも知れませんね

2013/06/01 (Sat) 08:35 | EDIT | REPLY |   

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