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26 2013

エド・ブルベイカー&マイク・パーキンス他/キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー

シビルウォー・キャップ&バッキー

「…だがな、祖国のために命を懸ける事の…何が間違いなんだ?」
「それが自分の望む道ならな。
 だが、国がそれを強制するとなると話は別だ。
 国から、入隊と個人情報の放棄を強いられたら?
 しかも、世界を良くするなんてお題目でよ。
 そんなのがアメリカなもんかよ。
 スターリン時代のソ連さながらだ。キャップも同じ考えだろうよ」

「そうだな…やっぱり俺には理解できん」


WHOSE SIDE ARE YOU ON?

個人の自由を制限する超人登録法は、合衆国建国の理念に反する。
その信念の下に政府に弓を引いたアメリカの象徴、キャプテン・アメリカ。
反逆者の烙印を押されながらも己の道を貫く彼の言動は、その周囲の者達の運命をも大きく捻じ曲げていく。

キャプテンが愛した女諜報員、エージェント13ことシャロン・カーター。
かつてキャプテンと共に戦い、暗殺者として死の淵より甦ったウィンターソルジャーことバッキー・バーンズ。
それぞれのシビル・ウォーの行き着く先とは……。

アイアンマンと並ぶシビル・ウォーのもう一人の主役、キャプテン・アメリカ。
シビル・ウォー終結直後の驚愕の事件へと続くクロスオーバー第3弾登場。
君はどちらに付く?


◆収録作品

2006年11月:Captain America Vol.5 #22
2006年12月:Captain America Vol.5 #23
2007年01月:Captain America Vol.5 #24
2007年02月:Winter Soldier: Winter Kills


◆関連作品過去記事
【シビル・ウォー】

◆キャップ視点の内戦
シビル・ウォークロスオーバー第3弾ではついにキャップのタイインが邦訳!
登録法に真っ向から立ち向かい、賛成派を率いるアイアンマンと拳を交えたキャップのサイドストーリーが描かれる一冊となっています。
ちなみに本書の収録作品は『キャプテン・アメリカ第5シリーズ#22~#24』とバッキー主役の短編『ウィンターソルジャー:ウィンターキルズ』の4作品であり、これまでに邦訳されたタイインに比べボリュームは少なめ
しかし本書はあの『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』橋渡しを務める重要なストーリーが展開されていくため、なかなかに目を惹く内容。
キャプテン・アメリカの苦闘と、己の道を探し求めるウィンター・ソルジャーの二人の視点を入れ替えながら描かれる『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』
そのストーリーを簡潔に紹介します。

◆THE DRUMS OF WAR
登録法に反対し、かつての親友、トニー・スタークにも拳を向けながら抵抗運動を続けるキャプテン・アメリカ。
シールドの諜報員であり、キャップの愛した女性でもあるシャロン・カーターはマリア・ヒルの命令により、キャプテン・アメリカを連れ戻す任務を言い与えられる。

キャプテン・アメリカを呼び出し、あらかじめ用意した隠れ家で彼の説得を行うシャロン。
しかしキャプテン・アメリカの意思は変わらない。

キャップとシャロンの会話

キャプテン・アメリカをそれ以上引き留めようとはせず、そのまま彼を見送るシャロン。
彼女は私情に流されてシールドの突入部隊に偽った場所を教え、キャプテン・アメリカをそのまま逃走させてしまった。
自分で理性が抑えられないようになったのだと考えたシャロンは、この一連の出来事を精神科医に話して診察を受ける。
しかし医師から健全な反応であると返され、今後も二日に一回診察に来ることを約束して、彼女は部屋を後にする。

ファウスタスとレッドスカル

…だが、その精神科医の正体はレッドスカルと協力関係にあるキャプテン・アメリカの旧敵、Dr.ファウスタスだった。

一方、バッキー・バーンズは地下に潜伏しているフューリーと手を組み、シールドの持つ秘密基地に潜入してデータバンクにアクセスしていた。
フューリーはあるデータをダウンロードするために、そしてバッキーは未だ諦めていない暗殺対象のルーキンの動向を探っていたのである。
シビル・ウォーの裏では様々な人物の思惑が交差していた。

そしてキャプテン・アメリカはトニーの一派やシールドと戦う傍ら、レッドスカルに繋がる様々な手がかりを探し、国際的テロ組織『ハイドラ』の一味が潜伏している建物に潜入する。

◆WINTER SOLDER:WINTER KILLS
クリスマス・イブ。
バッキーは仲間たちと過ごした1944年の懐かしいクリスマス・イブの思い出を顧みていた。

在りし日の思い出

今年、人生を取り戻して初めての年末。
街を歩くと、キャプテン・アメリカの写真に『裏切り者』と書かれた落書きで溢れかえっていた。
沈み込んだ気分のバッキーの元に、フューリーから急ぎの任務の連絡が入る。
仕方なくその依頼を受け、テロ組織・ハイドラの基地の出入りの見張りに向かうバッキー。

そこには、ハイドラの基地をスタークの秘密工場と勘違いして突入しようとしていた登録法反対派の若手ヒーロー、パトリオット、2代目ホークアイ、ビジョンの3人が居た。
このままではハイドラを追い詰めようとした努力が水泡と化してしまうため、フューリーはバッキーに彼らを追い払ってもらおうと連絡してきたのであった。

3人に接近するバッキー。だが、敵と勘違いした彼らにバッキーは攻撃を受けてしまう。
フューリーの使いである事を説明し、なんとか彼らの誤解を解くバッキー。
だが、戦闘で騒がしくし過ぎたためにハイドラ達に存在がばれてしまう。

仕方なくハイドラ達の基地を破壊する作戦に切り替えるバッキー。
戦闘を手伝いたいと言い出す子供達、パトリオット、ホークアイ、ビジョンを引き連れて、バッキーは戦闘に繰り出すのであった。

バッキーとヤンアベ

◆感想
思いのほかシビル・ウォー要素が薄く、どちらかといえばこの後に続く『デス・オブ・キャプテンアメリカ』の伏線を張る事を重視している1冊。

これまで出版されていた邦訳だけだと、シャロンはいつの間にかDr.ファウスタスの催眠にかかっていてキャップを射殺してしまっているように見えてしまいましたが、その布石はちゃんとシビル・ウォーのクロスオーバーの時に打たれていたんですねー。
『キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー』でバッキーが復活し、その後にレッドスカルが暗躍する『レッドメナス』編が展開。さらにシビル・ウォーが勃発し、終結後にキャップの死が描かれる『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』に繋がっていく……と、邦訳キャプテン・アメリカのストーリーはブレずに一本の線でしっかり繋がっててとても重厚。

しっかし第5シリーズのキャップ邦訳ってよく読んでみたら「殆どバッキーが主役だコレ!」ってぐらいにバッキーの活躍が目立ってますね。
ブルベイカー先生の書く話はバッキー愛に溢れていてすごい。
今回はキャップのサイドキックだったバッキーが若手のヒーロー『ヤング・アベンジャーズ』の面々を率いてハイドラの一味と戦う短編『ウィンター・キルズ』が、読んでいて一番気に入った作品です。
後でバッキーが偉大なサイドキックである事に気付き、改めてバッキーの元に訪れるヤングアベンジャーズの面々との会話とか、ラストに現れるネイモアさんとバッキーの渋いやり取りがまた堪らないんですよコレが。

これ読んで久々に『ウィンター・ソルジャー』からキャップの第5シリーズを読み返したくなってきました。
キャップの第5シリーズは本書を加えると『#1~#14』、少し飛んで『#22~#42』まで邦訳済み。
本書を読んでキャップやバッキーに興味が出てきた方は、この機会に『ウィンター・ソルジャー』『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』に手を出してみることをお勧めします。
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