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11 2013

ジョン・バーン&ジム・リー/X-MEN2巻 超人兵士オメガレッド

小プロX-MEN2巻

「このにおいは!これはあの時の…馬鹿な!奴は死んだはず!」
「残念だな、ローガン。久々の再会を喜んでくれないとはな…
 とても残念だ、ローガン」

「アルケイディ!」
「いいや、確かにお前の言うとおりアルケイディは死んだ。
 今の俺はオメガレッドだ。
 そして今度死ぬのはお前だ」


超人兵士製造プロジェクト

第二次世界大戦中、アメリカ軍は「超人兵士製造プロジェクト」によってスーパーヒーロー、キャプテンアメリカを生み出した。冷戦中の旧ソ連はオメガレッドを造りだし、カナダ政府は「ウェポンX計画」によってウルヴァリンとセイバートゥースをこの世に送り出した。各国政府は、それほどまでに「スーパーソルジャー=超人兵士」の開発に夢と野望を託していたのである。

だが、超人兵士という夢を担った彼等、超人兵士のその後は必ずしも輝かしいものばかりではなかった。キャプテンアメリカは戦いの中に悩みを抱え、オメガレッドは生み出されたまま葬り去られ、30年後、復活を果たしたもののその命を長らえるためには、カーボナディウム合成機を奪取しなければならなかった。ウルヴァリンとセイバートゥースにいたっては、記憶操作を受けたため、自分が誰なのかさえわからぬまま未だに記憶が混乱しているのだ。彼等は、好むと好まざるとにかかわらず、いずれもスーパーパワーを獲得したが、その代償は余りに大きかった。

ウルヴァリンは生来持ち合わせているその驚異的な肉体回復能力のため、身体の代謝が活発でその若さを保ち続けているが、その実、彼の実年齢は80歳以上ともいわれている。それほど長い人生を歩んできたにもかかわらず、記憶の破綻した彼には定かなところも判らぬままだ。
また、彼は政府の諜報機関で特殊作戦に従事していたが、共に辛苦を切り抜けて来た、かつての戦友マーベリックに肩を叩かれても、それが誰かすらわからないといった悲劇が続いている。
「今までの自分」という過去を失い、「新たな自分」に直面した時、人は「今までの自分」を探す。だが、それがすでに取り戻すことのできない時、「新たな自分」を受け入れて歩みださねばならない。改造された超人兵士たちは強力な敵に立ち向かう前に、まず、自分自身と戦わねばならないのだ。一人の人間にとって「超人兵士プロジェクト」という夢の代償はあまりにも大きすぎたのだ。

ウルヴァリンの持つ「超回復能力=ヒーリング・ファクター」と、ちょうど相反するオメガレッドの「致死因子=デス・ファクター」、そして30年前にオメガレッドの実験を妨害した三人、ローガン(ウルヴァリン)、クリード(セイバートゥース)、ノース(マーベリック)の運命的な出会い、物語は複雑に絡み合っていく。


◆関連作品過去記事
【X-MEN1巻 磁界の帝王マグニートー】

◆収録作品

1992年01月:X-Men Vol.2 #4
1992年02月:X-Men Vol.2 #5
1992年03月:X-Men Vol.2 #6
1992年04月:X-Men Vol.2 #7


◆オメガレッドとの対決!
カプコンの格ゲー『エックス・メン』『VSシリーズ』にも出演して知名度バッチリなヴィラン『オメガレッド』との戦いを描く邦訳X-MEN第2巻。
収録作品はX-MEN第2シリーズ#4~#7。
この2巻ではウルヴァリンの過去に強くスポットを当てており、彼がストーリーの主軸となっています。

かつて政府の諜報機関に所属していたローガン(ウルヴァリン)、クリード(セイバートゥース)、ノース(マーベリック)の三人が30年前に遂行した「二重スパイ、ジャニスの回収とC合成機の奪取」という作戦は、当時対峙したオメガレッドを冷凍睡眠に追いやりました。

オサレなザ・ハンド
あれ、今のザ・ハンドよりもデザイン現代的じゃね?

しかし現代になって、秘密結社ヒドラ党創始者の双子の兄妹であるフェンリスがマツオ・ツラヤバに依頼してオメガレッドを30年の眠りから目覚めさせ、彼のその命を存続させるためにウルヴァリンのヒーリング・ファクターを人工的に引き出そうと考え、忍者集団ザ・ハンドとオメガレッドを向かわせるのでした。
ビースト、ジュビリー、そしてウルヴァリンは彼らの急襲に必死に抵抗するのですが、オメガレッドの持つデス・ファクターにより倒されてしまうのです。

ウルヴィ―VSオメガレッド
人間の生命力を奪っていくデス・ファクターは正直チートじみた能力だと思う

ウルヴァリンを捕えたマツオは彼のヒーリング・ファクターを引き出すことを試みるのですが、失敗。
仕方なく今度は30年前に紛失したC合成機を見つけ出す方法にシフト。
C合成機のありかの鍵を握る人物はウルヴァリン、セイバートゥース、マーベリックの三名。
マーベリックはある目的のために影で動き、セイバートゥースはマツオに雇われウルヴァリン達の前に敵として立ちはだかる。
30年前は政府の諜報機関の下で一緒に戦ってきた者同士が現代では記憶を失い再開、過去と現在が密接に絡んでいき、その流れに悪の勢力が加わっていくという重厚なストーリー展開が目を惹きます。

バーディーとセイバートゥース
ウルヴァリンの宿敵セイバートゥースは相棒バーディーと一緒に登場

それにしてもこの頃のX-MENは話に勢いと熱さがあり本当に面白い。
あと個人的にポイント高いのが日常シーンの描写があることですかね。
こういうチーム内の描写があってこそ、その後の戦闘シーンが輝くのだと思うんですよ。

ガチでバスケ勝負
ガチでバスケ勝負に興じるウルヴィ―、ガンビット、ローグ、ジュビリーの4人

そういえばマツオ・ツラヤバって漢字ではどう書くんだろうね(どうでもいい独り言)

◆オメガレッドがあの名作漫画に登場していた!?
余談ですがオメガレッド、実はあの週刊少年ジャンプの名作漫画『るろうに剣心』にも出演しています。

赤末有人
デス・ファクターは使わず鎖鎌と仕込み分銅を用いて戦う

るろ剣ではオメガレッドという名前をもじり、赤末有人という名前に変えて、政治屋御用達の雇われ暗殺者として登場。
(赤=レッド、末=ギリシャ文字の最後の言葉Ω)
…ですが本作での彼はX―MENでの強敵っぷりは何処かに消え失せており、仲間の斉藤一の受けた剣心暗殺の依頼を横取りして剣心に襲い掛かるもあっさり武器を破壊されてしまい、剣心に詰め寄られると「俺が悪かった!けど斉藤のヤツに脅されて仕方なく…!」と降参の姿勢を見せておき、相手が背後を見せた瞬間両腕に巻いていた仕込み分銅で襲い掛かってようやく初ダメージを与えるという小悪党のテンプレ的戦法を用いる始末。
、結局は剣心に一撃であっさり葬られてしまうのでした。
その後は剣心や斉藤に「かませ犬」呼ばわりされたり、暗殺の依頼者である渋海の持つ野望に尻込みして上海に逃亡を図るも、実は大久保利通の密偵だった斉藤に渋海ともども首を刎ねられて殺されるという悲惨な最後を遂げます。
ついでに言うと赤末は作者にまで噛ませ犬呼ばわりされています。
こうして赤末有人は、笑ってしまうほどの噛ませ犬キャラとして読者の記憶に残り続けることなったのでした。

※一応補足すると作者の和月先生はきちんと「赤末はオメガレッドをモチーフにした」という旨を発言しています。
元々るろうに剣心はこの他にもアポカリプスやガンビット、さらに格闘ゲーム『サムライスピリッツ』など色々な所からキャラデザインを引っ張ってきており、ちょいちょいどこかで見たことのあるキャラが登場している漫画としても有名なのです。
…あくまでオマージュの範疇ですよ!
それでも当時読んでいた時はやりすぎに感じないでもなかったけど。

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