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09 2013

クリス・クレアモント&ジム・リー/X-MEN1巻 磁界の帝王マグニートー

X-MEN1巻表紙

「マグニートー、
 ほとんどの人はあなたを世界最悪のミュータント・テロリストだと思ってる。
 でもそれは誤解よ。そうでしょ。
 だけど、今みたいなことしてたら…自分でそれを認めることになるのに!」

「努力はしたさ。
 エグゼビアのように、
 人類とミュータントの平和的共存の道をたどろうとベストを尽くした。
 だが、その代償に罪も無い人々の血が流されたのだ。
 これが奴らの回答だ。こちらがどう思おうと世界は我々を受け入れまい!
 奴らは我々を滅ぼすことだけをもくろんでいる。
 個人だけではなく、種として!」


敵の名はマグニートー

天才科学者であり、磁力を自在に操るマグニートーは、ミュータントの王を夢見る男だ。
第二次世界大戦中、強制収容所で家族を失い、自分の力のみが頼りであった彼は、次第に「力」そのものを信仰するようになり、人類は超人類であるミュータントに支配される運命にあると盲信するに至った。
この為、ミュータントと人類の平和的共存を主張するプロフェッサーX率いるXメンとは、真正面から衝突し、両社は長年に渡って死闘を繰り広げてきた。
迫害による怨念を持つ一人の男が、一国の軍隊に匹敵する力を持ったとき、彼は人類規模の恐怖と化した。Xメンの活躍は、一時的にこの危機を回避してきたが、マグニートーの力は衰えることなく対立は続いた。
国連は、この恐怖に対して、幾つかの対処法案を決議した。劇中に出てくる「マグニートー議定書」とはその一つである。

そんな彼だがある「事件」を機に、プロフェッサーXと和解していたこともある。それまでの自分の非を認めたマグニートーは暴徒によって重傷を負わされたプロフェッサーXが、治療の為、地球を離れた際、Xメンの指揮を託された。また一方では、Xメン予備軍であるニュー・ミュータンツ(Xフォースの前身)の指揮にもあたっていた。
だが、ミュータント絶滅をとなえる人間たちの迫害は続き、ついにはミュータントから戦死者を出すに至った。この事で、彼とチームの溝は深まり、結果、彼はチームから離れてしまう。
その後、衛星基地アステロイドMに隠棲していた彼だったが、劇中で明かされる「ある秘密」を知り再び「力によるミュータントの保護」の為、人類と敵対することになってしまう。

かつては彼に惹かれていたローグをはじめ、一旦は志を同じくしていた仲間だった男との戦いに戸惑いを隠せないXメン。果たして勝敗の帰趨や如何に!?


◆収録作品

1991年10月:X-Men Vol.2 #1
1991年11月:X-Men Vol.2 #2
1991年12月:X-Men Vol.2 #3


◆90年代邦訳アメコミの代表作
久々にちょっと古い邦訳コミックを紹介。
90年代の邦訳アメコミを代表する1冊『X-MEN』です。
本書は1991年10月からスタートしたX-MENの第2シリーズを第1話から訳している邦訳コミック。
この第2シリーズはいきなりマグニートーと彼に付き従うアコライツとの戦いからスタート。
第1巻では、その戦いの結末が描かれる#3までを収録。

アコライツとマグ様
マグニートー「同胞を救うために、同胞を滅ぼさねばならないのか?」

本書のストーリーではなんとXメンのメンバーよりも、宿敵ヴィランであるマグニートーに強くスポットを当てています。
上記の画像のようにミュータントと戦う羽目になってしまった現状に対する葛藤が描写されたり、大暴れして街を破壊したアコライツと戦うXメンに「私への忠義心が余っての行動だ…ゆえに彼らの処罰を決めるのは私だけだ」と言ってかつての部下を救いに来たり、過去にマグニートーが幼児になってしまった時に、モイラが人生をやり直すチャンスを与えようと勝手に彼の遺伝子マトリックスをいじくったことに対して倫理を説いたりと、純粋な悪役ではない彼の魅力を堪能できるストーリーになっています。
やっぱりマグニートーは名ヴィランですな。

もちろんXメンの活躍もしっかり楽しめます。
この頃はメンバーが多いので、チームを2分して行動しているのが特徴。
サイクロップスをリーダーとする「ブルー・ストライク・フォース」
(メンバーはウルヴァリン、ガンビット、サイロック、ローグ、ビースト、ジュビリー)
ストームをリーダーとする「ゴールド・ストライク・フォース」
(メンバーはジーン・グレイ、アークエンジェル、コロッサス、アイスマン、フォージ、バンシー)

ブルー・ストライク・フォースのメンバーがマグニートーらに囚われてしまったため、ゴールド・ストライク・フォースのメンバーが救出に向かい、マグニートーと対峙するという展開。
メンバー間の会話がなかなかウィットに富んでいてこれがまた楽しいんですよ。

ハゲジョーク
あの教授までジョークを飛ばす始末

Xメンとマグニートーの戦いには政府も介入してくる上(シールドのニック・フューリーも登場。大量の武器を装備しており物凄くゴチャゴチャしたキャラデザインになっている)、洗脳されたXメンブルーチームがゴールドチームに襲い掛かったり、マグ様サイドに裏切り者が現れたりともうお話はてんやわんやのしっちゃかめっちゃかですよ。
登場キャラが多すぎて画面がとても賑やかなんで、「ちょっとしたお祭り騒ぎ」に思えてしまうほど。

爆炎に消えるマグ様と
爆炎に消えるマグ様とアコライツ

ストーリーはまだまだほんの序盤だというのにクライマックスな展開が目立つX-MEN第1巻。
ラストシーンの教授のモノローグや、同じく彼がXメンの義務について語るシーンは良識ある人間の発言そのもの。
90年代の熱いXメンが楽しめる邦訳となっているので、非常にお勧めな作品です。
それにジム・リーのアートはこの頃から抜群にカッコいいしね!

ちなみに本書、今後の続刊予定について触れられているページもあるのですが、そのラインナップが実に豪華。
『アメイジング・スパイダーマン』『インクレディブル・ハルク』『ゴーストライダー』『パニッシャー』『アイアンマン』に加え『シルバーサーファー』という堪らないタイトルばかりです。
…まあ、現実にはゴーストライダーが全3巻で半端にエピソードが邦訳されただけで終わってしまいましたが。

邦訳予告90年代マーベル
90年代に入って新展開を見せるという「ハルク」 キャラ人気は日本でも高い「パニッシャー」

古本で買って読んでいたのに不覚にも「おお!ハルクやパニッシャーの邦訳が出るのか!」とワクワクしてしまいました。
この頃に小プロのアメコミがもっと売れていたら、全タイトルがきっちり刊行されていたんだろうなぁ。
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