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12 2013

ウォーレン・エリス&アディ・グラノフ/アイアンマン:エクストリミス

アイアンマンエクストリミス表紙

「で、君はスーツだけなのか?
 彼女が軍の仕事を受けるのは、
 資金を集めて実績を積み、癌の治療法を見つけるためだ。
 君のスーツは…何のためなのかな、トニー?」


IT'S THE BEGINNING OF A NEW ERA FOR IRON MANアイアンマン、新時代の幕開け

国際的な巨大企業の経営者にして世界有数の頭脳の持ち主である大富豪トニー・スターク。
人々の耳目と羨望を集め続けてきた彼のもう一つの顔は、黄金のアベンジャーこと“インビンシブル”アイアンマン。

だが、とある先端技術の盗難事件をきっかけに、彼の人生は大きな転換を迎える事となる。
そのキーワードは「エクストリミス(死の際にて)」。

2005年1月、『ニューアベンジャーズ』シリーズのスタートと共に創刊された『アイアンマン』第4シリーズの冒頭を飾り、世界的な大ヒットを記録した映画シリーズの基礎ともなったアイアンマン史上屈指の名作を映画『アイアンマン3』公開に合わせ邦訳。

数々の名作、話題作で知られる人気ライター、ウォーレン・エリスと、映画版アイアンマンのデザインにも大きな影響を与えたアディ・グラノフのシャープなアートワークが冴えわたる21世紀のマーベルコミックスを代表する話題作である。


◆収録作品

2005年01月:Iron Man Vol.4 #1
2005年02月:Iron Man Vol.4 #2
2005年03月:Iron Man Vol.4 #3
2005年10月:Iron Man Vol.4 #4
2006年03月:Iron Man Vol.4 #5
2006年05月:Iron Man Vol.4 #6


◆新時代の幕開け
約3年ぶりにやってきたアイアンマンの邦訳本!
アイアンマン自体は過去のマーベル邦訳でも拝む機会が多かったのですが、社長個人誌の邦訳というのは本当に久々ですね。
『ウルトロン・イニシアティブ』では女体化して殆ど出番なしになってしまったり、『ロード・トゥ・シビル・ウォー』では嫌な部分を読者に見せてしまったりであまりいいカッコしていなかったので、アイアンマンがしっかり活躍する作品が来たのは嬉しい限り。

今回は映画『アイアンマン3』の公開に乗っかる形で、超人兵士血清に匹敵するという“魔法の銃弾”『エクストリミス』が登場する、アイアンマン第4シリーズ#1~#6のエピソードが収録されています。

これまでに刊行された『ニューアベンジャーズ』シリーズではすっかりお馴染みになっている『Mk-14アーマー(通称:エクストリミスアーマー)の初お披露目エピソードでもあるので、アイアンマンファンは必見の内容!
表紙にもある有名な「床ドン」ポーズはこの作品が初出。

◆エクストリミス事件
テロリストの手によってマヤ・ハンセンの研究所から超人兵士を生み出すために作られた『エクストリミス』が盗まれてしまった。
テロリストの一人、マレンはさっそくエクストリミスを自らに投与し、手にした強大な力を用いて破壊活動を開始する。

トニーは『Mk-12アーマー』を装着し、すぐさまマレンが潜んでいる逃走車両を発見して彼を追い詰めるのだが…

Mk-12アーマー
胸パン

エクストリミスによって強化されたマレンのパワーはトニーの想像をはるかに超えており、重傷を負ってしまった上に彼を取り逃がしてしまう。

何か月もかけてアーマーの反応速度を上げてきたにもかかわらず、究極の生態兵器と化したマレンには敵わない。
内臓も破裂し、死の淵に立たされてしまったトニーは治療室に運んでもらい、マヤに再調整したエクストリミスを投与するように要請する。

エクストリミス投与準備
満身創痍の社長 血ゲロを吐くシーンがあったりして本当に痛々しい

エクストリミスを活用して体内にアンダーシースを格納し、さらにそれを脳にも直結させ、考えるだけでアーマーを操作可能にする。
文字通り、内も外も超人『アイアンマン』となることをトニーは選択するのであった。

◆感想
正直ざっくりとしたあらすじ解説になっちゃいましたが、作中にはスターク・インターナショナルが市民団体に軍事企業として糾弾されているシーンがあったり、トニーが自らの技術で開発してきたものの多くが軍事転用出来てしまう事に悩んだり、今回の事件には「クー・クラックス・クラン(KKK)」が関わっていたり等、社会問題、政治、経済、先端技術といった現代的な要素を多分に盛り込んだ作品になっています。

Mk-1アーマー
ダサカッコいいMk-1アーマー

また、本作ではアイアンマンのオリジンが時代に合わせて改変されています。
デビュー時はアイアンマン誕生の背景となったのはベトナム戦争という設定であり、後に湾岸戦争に改められたのですが、今回さらに時代が下って『アフガニスタン紛争』に変更されました。
湾岸戦争の頃はトニーは19歳であり、その当時はアメリカ陸軍の依頼で兵器を設計していたとの事。

アイアンマン第4シリーズ#1が発売されたのは2005年1月であるため、14年前の湾岸戦争から数えるとトニーの年齢は33歳ということが判明しちゃいます。

アメコミを読むときにはあまりキャラクターの年齢は深く意識していなかったのですが、こうして年齢がハッキリ分かると「結構いい年してるよな~」と思ったり思わなかったり。

映画『アイアンマン3』に便乗した邦訳ですが、映画前2作で見られたような社長のユーモアに富んだセリフはあまり見られず、本書のストーリーはシリアス度が高い上に若干渋め。
アディ・グラノフの描く戦闘シーンは効果音が聴こえてきそうなほどに迫力があるので一見の価値アリ。
(セリフや効果音が殆ど挿入されず、本当に『絵だけ』なのが印象的)
それと、本書単独で話は綺麗に纏まっているので事前知識が不要なのはありがたいです。

ところで、社長のエクストリミスアーマー装着シーンが正直ちょっと気持ち悪いと感じてしまったのは僕だけでしょうか。
身体に開けた穴からアンダーシースが広がっていくという絵面が絶妙にグロい。

Mk-13アーマー(エクストリミスアーマー)
Mk-12に比べやや丸みを帯びたデザインのMk-13アーマー(エクストリミスアーマー)

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3 Comments

アウル  

エクストリミスアーマーですでに活躍しちゃってる原著のThe Five Nightmaresを先に読んじゃった自分としてはなんとも言いづらい状況です(^^;
とはいえこのエクストリミスのお陰でいろいろ命拾いするシーンが今後増えると考えたら、デザインくらい大目に見てあげましょw
アイアンマン、自分も社長はロバートダウニーJrが演じてるように気さくで面白い人と
思ってたら意外と真面目なんだな~って思いました(特にウィンターソルジャー時の社長の状態は笑っていいのやら対応に困りましたw)
でもまぁ、今便乗してやっておかないと次回翻訳便乗できそうなのギャラクシーオブガーディアンかアベンジャーズ2の時しかないしちょうどよかったんじゃ(^^
個人的にはペッパーがレスキューになるとこまで翻訳してほしいが内容がどう見ても
Siege後っぽいからまだまだ時間がかかりそうで残念です(T T)

2013/04/12 (Fri) 13:33 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>アウルさん
>今便乗してやっておかないと
そういえば小プロでもアイアンマンを数冊刊行するとの事なので結構楽しみです。
(映画公開の時期に間に合うのかどうか微妙ですが)
本書の先の展開も気になるのですが、個人的には『Demon in a Bottle』のような過去の名作エピソードも邦訳されると嬉しいなあ。

2013/04/13 (Sat) 00:37 | EDIT | REPLY |   

WRRRYYYYY  

今日、ギフテッドとエクストリミスを買って読みましたけどやっぱり映画の方がデザインがいいと思います。(原作もいいけど)

2013/04/13 (Sat) 01:13 | EDIT | REPLY |   

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