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30 2013

J・マイケル・ストラジンスキー&シェーン・デイビス/スーパーマン:アースワン

スープスアースワン表紙

「わたしの望みを言うとしたら…ジョナサンの望みと同じよ。
 でも、あなたが自分で決めないと。できることとふさわしいことは違うわ。
 間違った道を選べば、
 何かを手に入れる代わりに、多くのものを失うことになる。
 これは大事なことよ。今言ったことを決して忘れないで。
 あなたが幸せな決断をするならわたしも幸せよ。
 たとえそれが世界一のバンジョー奏者になるというものであってもね。
 最愛の息子だもの。
 あなた自身が最高の贈り物なのよ。それを忘れないで」


新時代の“鋼鉄の男”―。
あなたはまだスーパーマンの本当の物語を知らない。


青年クラーク・ケントは普通の人間ではない。空を飛び、壁の向こうを透視し、見つめるだけで物を燃やすことができる。この世に降臨した神ともいえる力を備えていた。しかし彼は孤独を感じ、人生で何をすればいいのかもまだわからない、どこにでもいる青年だった。なろうと思えば、なんにでもなれる。スポーツ選手、科学者、実業家、記者……選択肢は無限である。ただ一つ、自分のパワーと正体を上手く隠すことができれば……。

日々を過ごすクラークに人生最大の決断が迫られる。異星人の来襲により、地球が存亡の危機に晒されたのだ。平凡な人生を歩む可能性を捨てて、自らの正体を公表して立ち向かっていくのか、それともこのまま何もせず、世界を滅亡させるのか―。

ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー・リストに入った本書は、まったく新しい解釈で綴られた“現代版スーパーマン”の物語である。

『スーパーマン:アースワン』は人物造形、神話性、アクションのバランスが絶妙であり、傑作の名に恥じない仕上がりである。すべての場面に説得力がある。天国のジェリー・シーゲルとジョー・シュスターも絶賛してくれるに違いない。
―リチャード・ドナー
 (映画『スーパーマン』監督)

本書において、ストラジンスキーはまたしてもその才能を見せつけてくれた。伝統あるキャラクターを再解釈し、新鮮で、共感できて、(そして最も重要なことだが)人間味あふれるキャラへと再創造したのだ。
―デイビット・S・ゴイヤー
 (映画『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』『マン・オブ・スティール』共同脚本家)

驚天動地のスーパーマンの誕生物語。古典的なDCスタイルでありながら、21世紀の精神とウィットに富んでいる。これを書いたのが自分だったらいいのに。
―トム・フォンタナ
 (テレビドラマ『OZ/オズ』プロデューサー)

ストラジンスキーは、大人特有の深みと子供特有の驚きを融合させる天才である。『スーパーマン:アースワン』は“鋼鉄の男”の誕生秘話を、原点に忠実に、しかし見事に再解釈したものである。
―マックス・ブルックス
 (ベストセラー『WORLD WAR Z』『ゾンビ・サバイバル・ガイド』著者)

100年近くにわたって、もっとも愛され、もっとも認知されているキャラクターを再創造するとしたら、最高の人材に頼むしかない。スーパーマンを再創造するなら、ストラジンスキーしかいない。正真正銘の傑作である。
―ハーラン・エリスン
 (SF作家)


◆収録作品

2010年10月:Superman: Earth One #1


◆異伝:スーパーマン
近年では結構貴重なスーパーマンの邦訳。
小プロではバットマンの邦訳と同時発売で邦訳される事がちょこちょこあり、今回も『バットマン:アースワン』と同時発売という形で本書が邦訳されました。

とはいっても原書の発売日は『バットマン:アースワン』よりも早い2010年10月
まだNEW52に突入する前の作品。
しかし世界観は『バットマン:アースワン』と同じものであるとの事。

本作『スーパーマン:アースワン』は、1960年代以降に存在した『アース1』『アース2』の世界とは違う、かつリランチ後の『NEW52』とも無関係である、完全に独立した世界観でのスーパーマンのオリジンが語られるという一作となっているのです。

現代風に解釈したスーパーマンはどのようなキャラクターとなっているのか、さっそく紹介したいと思います。

◆クラーク・ケントの選ぶ道
パッと見は普通の青年クラーク・ケント。
スモールビル短大を卒業し、とりあえずメトロポリスのホテルに泊まって就職活動に打ち込むという、まあ一見するとどこにでもいそうな人です。

しかし彼は、スポーツをさせれば他を寄せ付けない好成績を上げ、研究職に付けば行き詰まった新技術の開発もあっさり進めることができるというまさに超万能な男!
誇張抜きに完璧超人すぎ。
どの職業についても期待以上の働きを見せてくれる、まさに「世界一即戦力な男」ですね。

将来性バッチリの人材
芸術にも秀でているという事がわかる1シーン 欠点が無さすぎて嫉妬すら覚えるぜ!

やろうと思えば簡単に使い切れないほどの大金を稼ぐことのできるスペックを持つクラーク・ケント。
彼は『父親』であるジョナサン・ケントとの“母さんを頼む”という最後の約束を守るために、自分の進むべき道を必死に模索している最中なのです。

そんなクラークが『母親』のマーサ・ケントに掛けてもらった言葉が記事の一番上に持ってきたセリフです。
母親は自分が選んだ道であれば何であろうと応援してくれる。
クラークが最も望んでいるのは「普通の人のように暮らす」こと。

クラークの正体は『別の星で生まれた異星人』
彼は子供の頃から「どうすれば他のみんなと同じようになれるのかが分からない」という、孤独な悩みを抱えています。
自身の特殊な境遇もあいまってなのか、仲間を作ることもできなかった。

そんなクラークも今や成人し、自分で生き方を選ぶことができる年齢に。
世間に正体を公表する道を選べば、二度と社会に溶け込むことはできない。
幸せになるにはどうすればいいのか、自分の持つこの力とどう向き合えば良いのか、クラークは常に悩んでいるのです。

ある日、未だに自分の進路を決めかねふらふらしているクラークの住むメトロポリスで、とんでもない大事件が起こります。

それはなんと異星人の襲来。

完全新ビランタイレル
とある理由からクリプトン星の生き残りであるスーパーマンを探し、様々な星を葬ってきた異星人タイレル
ちなみに本作オリジナルの新ビラン

その圧倒的な戦力でメトロポリスの街を、そして人々を襲う異星人たち。
このままでは人々の命が失われるだけでなく、この地球まで滅ぼされてしまう。

ただ一人特別な力を持っているクラーク・ケントが取った行動は…?

◆感想
『バットマン:アースワン』と比べると、こちらも色々捻っている箇所はあるのですが、基本的には原典をリスペクトしつつ展開していくストーリーとなっていました。
悩みを抱えつつも人々の為にその力を振るう、まっすぐな姿のスーパーヒーローのお話を楽しむことができます。

また、脇役の人物描写も見所の一つ。

ジャーナリストの鑑
超ヤバい状況だけど報道のためなら命も惜しくないぜ!

ジャーナリストの鑑っぷりを見せつける(イケメン化した)ジミー・オルセンとロイス・レーンの姿も良いのですが、個人的に推したいのは、育ての親であるマーサ・ケントやジョナサン・ケントがクラークを諭すシーンですね。
スーパーマンは本当にいい夫婦に拾われたなあと思います。

本作はなんというかこう…『いい話』って感じの内容でした。
『バットマン:アースワン』とは対照的な作風。
本国では2012年10月『第2巻』が発売されているようなので、できれば邦訳刊行されて欲しいですね。


超人パラサイトが登場するエピソードとの事

本書も『バットマン:アースワン』同様、訳者の高木亮氏によるブログ上での補足解説があります。
「原文の不自然な箇所を意図的に削った&変更した」との事なので気になる人はチェック。

【スーパーマン:アースワン 補足】

素晴らしい母親

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