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23 2013

ブライアン・マイケル・ベンディス&フランク・チョウ/マイティ・アベンジャーズ:ウルトロン・イニシアティブ

ウルトロンイニシアティブ

『諸君が誇る文学とポップ・カルチャーに学んでわかったよ
 この日をずっと夢見てきたのではないかね?
 今日こそがその日…最後の審判の日だ』
『もう間もなく、
 この地球はいかなる有機生命体の生存にも適さない場所へと変わる』
『諸君が暮らした場所に、私の新たな生命形態が芽生え、繁栄する
 さりとて、嘆く必要はない。
 抵抗しようとは考えるな。肉体的苦痛を招くだけだ』
『人間のためがこそ私は存在する。そして…今、この時が来た』
『愛している』
『さようなら』

CIVIL WAR IS OVER!
HERE COMES THE EARTH'S MIGHTIEST HEROES!


超人登録法を巡るヒーロー達の内戦=シビル・ウォーは登録法推進派の勝利に終わり、全ての超人は政府の管理下に入る結果となった。
同時に、全米各州に固有のヒーローチームを配置する「50ステーツ・イニシアティブ」が施行され、ニューヨーク州には、新たなアベンジャーズ、マイティ・アベンジャーズが置かれる事となったのである。

Ms.マーベルと共にメンバーの選定に着手したアイアンマンだったが、結成早々に彼らを待ち受けていたのは、思いもよらない事態だった。

アイアンマン率いる“もう一つ”のアベンジャーズ。
新たなる戦いがここから始まる。


◆収録作品

2007年05月:Mighty Avengers #1
2007年06月:Mighty Avengers #2
2007年07月:Mighty Avengers #3
2007年08月:Mighty Avengers #4
2007年11月:Mighty Avengers #5
2008年02月:Mighty Avengers #6


※ニューアベ関連過去記事

【ニューアベンジャーズ:ブレイクアウト】
【ニューアベンジャーズ:セントリー】
【X-MEN/アベンジャーズ ハウス・オブ・M】
【ニューアベンジャーズ:コレクティブ】
【シビル・ウォー】
【ニューアベンジャーズ:シビル・ウォー】
【デス・オブ・キャプテン・アメリカ:デス・オブ・ドリーム&バーデン・オブ・ドリーム】
【ニューアベンジャーズ:レボリューション】


シビル・ウォーの結果、ニューアベンジャーズはマイティ・アベンジャーズとシークレット・アベンジャーズの二つに分かれてしまった…という話が描かれたのが先月発売された『ニューアベンジャーズ:レボリューション』
ただ、こちらだけ読んでもシビル・ウォーに勝利したアイアンマンが率いるマイティ・アベンジャーズの活躍は全く描かれていませんでした。

しかしヴィレッジブックスはきっちりとシビル・ウォー後に創刊された新タイトル『マイティ・アベンジャーズ』誌もきっちり邦訳して刊行してくれました!
本作のチームは『シールドの新司令官・アイアンマン』。
『アベンジャーズの古参メンバー・Ms.マーベル』。
『脅威の力を持つ最強の男・セントリー』。
『怪力と飛行能力を持つヒーロー・ワンダーマン』。
『縮小化能力を持つハンク・ピムの元妻・ワスプ』。
『シールドの一員で様々な格闘技と武器に通じる女スパイ・ブラックウィドウ』。
『ギリシャ神話に登場する軍神その人・アレス』。

上記のようなあまり日本では馴染みのないヒーローがちらほらいる7名で構成されており、渋い人選となっています。

地下に潜り、政府に抵抗しながらヒーロー活動を行うシークレット・アベンジャーズが描かれる『ニューアベンジャーズ』誌とは異なり、本書では政府の管理下のもとでヒーロー活動を行っているマイティ・アベンジャーズの活躍を楽しむ事が出来る作品。
邦訳でも二つの視点からストーリーを追えるようにしてくれたのは非常にありがたい。

本作のアートを担当するのは女性キャラのアートに定評のあるフランク・チョウ。
ナターシャロマノフ
トニーも思わず心の中で「結婚しよう」と呟くほどセクシーなブラックウィドウ

『コレクティブ』でも一部のエピソードでアートを担当していましたね。
もちろん男性キャラも非常にカッコよく描かれています。
個人的にアレスのゴツくてムサイ感じが凄く好き。
フランク・チョウは筋肉の描き方が素晴らしいなぁ。
ウルトロン・イニシアティブ

アベンジャーズVSウルトロン

『ええっ、アイアンマンが全裸の美女に!?』とわざわざ帯に書かれるほど、『トニー・スタークの女体化』展開がやたらプッシュされている本作。

ただまあ実際読んでみると、女体化のカテゴリーに入るのかどうかは微妙なところ。
ストーリー序盤でアイアンマンが本体ごとウルトロンというビランに乗っ取られてしまい、あくまでアーマーがワスプにそっくりな女性に変化して襲い掛かってくるという展開なので。

本作に登場するウルトロンというキャラクターは、昔、アントマンことハンク・ピム博士(ワスプの元旦那)が人工知能の実験のために発明したロボットだったのですが、精神的に不安定な所のあるピムの脳波パターンをプログラムとして組み込んだがために自我を得て、人類を敵視するようになったというビラン。
過去作品でも何度かアベンジャーズなどのヒーロー達に襲い掛かってきたのだとか。
しかし、ウルトロンの本体はプログラムであるため、完全には消し去ることができない厄介な敵。

今トニーが装着しているエクトリミス・アーマーは、脳波でコントロールを行うという『トニーの身体と一体化しているような状態』のアーマーなため、プログラムであるウルトロンに乗っ取られる事になってしまったのです。

さらにウルトロンはそれだけでは終わらず、世界中のネットワークを乗っ取り、人類を絶滅させるためにとある場所の暗号化システムまでも破っていきます。

その頃、この大変な時にウルトロンを生み出してしまった当事者のハンク・ピム博士は何をしていたのかというと…
大変な時にいちゃつくピム
女といちゃついてた。

…もうなんかヒーローとしての描かれ方がなされていないピム博士ですが、しっかり彼も活躍するのでアントマンファンの人は必見!
(なんにせよこの事件の原因はピム博士なんだけど)
とまあ、強大な力を持つビランとの戦いがじっくり描かれる「こういうビランと戦うような話を待っていたんだ!」とと言えるくらいにヒーロー物らしい面白さに満ちている一冊。
いきなりこんな盛り上がるエピソードを持ってきちゃって次の話はどうなるんだろう。

…しかし本作は、『ニューアベンジャーズ:レボリューション』の話と微妙にクロスしきれず齟齬が出てきてしまっているという大きなミスがあります。

『ニューアベンジャーズ:レボリューション』ではマイティ・アベンジャーズがシークレットアベンジャーズを罠に嵌める描写がありましたが、本書『マイティ・アベンジャーズ:ウルトロン・イニシアティブ』は、序盤のチーム結成からすぐにモールマンとの戦闘、その後アイアンマンが離脱してウルトロンとの戦いに移行し、ラストシーンまでトニー・スタークは復帰しないため、とてもじゃありませんが『ニューアベンジャーズ:レボリューション』で描かれたシーンが入り込む余地がありません。

その状態で『ニューアベンジャーズ:レボリューション』のラストシーンから繋がる描写で本書のストーリーが締め括られるため、どうしても気になってしまうミスなのが残念でなりませんでした。
PICK UP キャラクター アレス
アレスアイコン「人の言葉を喋れ」「英語を喋れ!」
アベンジャーズでのウルヴァリン&ソーのポジションを担当。
本作で初めて知ったヒーローなのですが、もうすがすがしいまでの脳筋キャラだったので一発でファンになってしまいました。
ちなみに上記のセリフは聞きなれない専門用語が出てきたときにアレスが発したもの。

彼はなんとゼウスの息子・軍神アレスその人。
超人的な腕力と耐久力、敏捷性、反射神経を持ち、さらにはヒーリングファクターまで兼ね備えております(つまり不死)
ソーとは異なり、現代の武器まで普通に使いこなすその姿はまさに戦神。
アレス大暴れ
剣だけでなく銃も使用

息子を人間界で養っていくために工事現場で働いていたところを、マイティ・アベンジャーズにスカウトされチーム入り。
基本的に撤退することを考えない猪突猛進すぎる性格なため、考えなしに突っ走ってはチームメイトに止められる描写がやたら多い!
そんな彼なんですが序盤からラストまで大活躍。
特に終盤では、コンピュータとかそういう専門知識は皆無なのにもかかわらず、ウルトロンと戦ううちにプログラムの穴を突いた倒し方を発見してしまいます。
ネタバレになるのであまり詳しくは書きませんが、アレスのようなキャラだからこそあの弱点を見つけ出せたのだなぁと思える名シーンでした。
アレスとピム博士の武闘派&頭脳派コンビな会話シーンがいい感じ。
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2 Comments

No Name  

だからウルトロンにはキャップの脳波データを使って居れば、こんな事には……

2013/02/26 (Tue) 00:14 | EDIT | REPLY |   

michael  

>> No Nameさん
ウルトロンとの戦いの歴史が長すぎて、こんな厄介なビランを生み出したピム博士は本当に「つくづくだよ!」と思いました。

2013/03/04 (Mon) 21:49 | EDIT | REPLY |   

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