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17 2013

ジョス・ウェドン&ジョン・カサディ/アストニッシングX‐MEN:デンジャラス

デンジャラス表紙

『私の“心”は、あらゆる場所に存在している。
 プログラム、通信信号、命令ループとしてね。
 また、私の“肉体”は、さまざまに形を変えられる。
 シナリオに従い、ハードライトが世界を作る。
 私はいかなる姿にもなれるが、実体は存在しない。
 全てであると同時に無でもある…』
『制御中枢から解放された私は力を得たの。
 お前たち同様に個となり、同じ物の見方ができるようになった…』
『これでいい。これで存分に楽しめる…』
『撲殺の快感をね』

スーパーヒーローチームとして再編を果たしたX-MEN。
だがその道のりは、予想以上に険しい茨の道だった。

X-MENを種族の仇とつけ狙う異星人オルドとの対戦の記憶も覚めやらぬ中、エグゼビア高等教育院で一人の生徒が命を落とした。若き魂の喪失と引き換えに、X-MENのすぐ身近に潜んでいた強敵の存在が明らかになる。想像すらしていなかった敵…、いや、磁界王マグニートーではない。予想だにしなかった新たな敵だ。

強大なる敵の出現に成す術もなく翻弄されるX-MEN.混沌の中、自らを救いうるのは、長年、培ったチームワーク以外にはありえない。
だが、信頼を欠いた今の彼らに、それは無縁の言葉に等しかった…。


◆関連作品過去記事
【アストニッシングX‐MEN:ギフテッド】

◆収録作品

2005年01月:Astonishing X-Men Vol.3 #7
2005年02月:Astonishing X-Men Vol.3 #8
2005年03月:Astonishing X-Men Vol.3 #9
2005年05月:Astonishing X-Men Vol.3 #10
2005年07月:Astonishing X-Men Vol.3 #11
2005年08月:Astonishing X-Men Vol.3 #12


ミュータント差別
FFと一緒にマンハッタンに現れた怪物を倒してもニュースではしょっぱい扱いのX-MEN

ヴィレッジから刊行されたX-MEN邦訳二冊目となる『アストニッシングX‐MEN:デンジャラス』
前巻の『ギフテッド』はミュータントを人間に変えてしまう治療薬の『キュア』が登場したり、オルドという新ビランが暴れまわったり、死んだと思われていたコロッサスが復活したり、『S.W.O.R.D.』なるシールドの姉妹組織が現れたりと様々な新要素を盛り込み、またX-MANらの軽妙なやりとりで読者を楽しませてくれたのですが、本書『デンジャラス』は、X-MENの身近に潜んでいた強敵がその姿を現し戦うことになるという、様々な伏線を張った『ギフテッド』と比較するとわりかしシンプルな展開です。

『ギフテッド』の帯やあらすじで煽られている『X-MENの全てを知る最強の敵』
その敵は過去作に登場したビランなどではなく、まさに意外なキャラクター。
X-MENの前に立ちはだかるのは、何とX-MENが訓練施設として利用していた『デンジャールーム』なのです。
セレブラ
名前は『デンジャー』

自我を持ったデンジャールームが女性型アンドロイドに姿を変えて襲い掛かってくるというまさかの展開。
X-MENの攻撃方法は全て『知識として記録されている』ため、たった一人でチームを壊滅状態にまで追い込んでいくとてつもない強敵。
本書のタイトルは単純にX-MENがピンチに追い込まれるから『デンジャラス』なのではなく、こういう意味も含まれていたんだなぁと。
というわけで本書はデンジャーとの戦闘がメインな一冊ではあるのですが、『ギフテッド』で登場した新キャラや新組織も一応ちらっと登場します。
センチネルが本書でまた厄介な敵として現れたことで、前巻ホログラフィーで登場してたのがこの展開のための伏線だった事に気付けたり。
シドレンさん
『S.W.O.R.D.』のシドレンさんのセリフは脳内で若本ボイスに変換されてしまう

あと本書の他の見どころと言ったらアレです。教授の大活躍が拝めるという点!
デンジャーに押されていたX-MENが逆転するための一手をなんと教授が打つのですが、そのシーンがなかなかにカッコいい。
教授大活躍
まさかの特攻

…ただまあ、本書ラストでデンジャーが暴走した理由が『教授が自我を持ったデンジャーの自由を求める声を聞いていたにもかかわらずそれを無視し、自分の目的の為に施設として利用し続けた為』という事が判明してしまい、すぐ株を下げてしまうんですけど。

もはや教授はまっさらな善人ではなく腹黒キャラという事がはっきりしてしまう一幕。
デンジャーの「X-MENは…あなたの本性に気付いているの?ほんのわずかでも?」というセリフや、サイクの「我々が人間に受けたのと同じ仕打ちを、どうしてあのA.I.に…」というセリフがまあ刺さる刺さる…

教授とX-MENの間に亀裂が走った(『ハウス・オブ・M』を見る限りまだ袂を分かつには至っていませんが)ビーストが人間としての自我を失いかけたり、ラストにヘルファイアークラブとエマが通じていることが示唆されたりと、気になる伏線が新たに張られ、今後のストーリー展開が気になる要素が目白押しな本書『アストニッシングX‐MEN:デンジャラス』

帯にもあるように、この後あのクロスオーバーイベント『ハウス・オブ・M』が来て、その次に『アストニッシングX‐MEN』誌は『トーン』、そして話が一区切りとなる『アンストッパブル』に続いていくようなのですが…なんと現在邦訳がここで停止中。

2011年に『X-MEN:デッドリー・ジェネシス』ってのがイキナリ邦訳されましたけど『デンジャラス』の続きを出してほしいというのも正直な所です。
ジョス・ウェドンがライターを担当した『アストニッシングX-MEN』はあと『トーン』『アンストッパブル』の2冊だけなんだし。

ちなみにヴィレッジのX-MEN邦訳は、ヴィレッジブックスの書店用の目録や公式サイトでは『ギフテッド』『デンジャラス』の二冊が刊行済みラインナップからハブられており、どうも続編の刊行が打ち切りになった臭いのが悲しいところ…
当初はニューアベンジャーズシリーズと並行して刊行していくかのように見えたんですけどね。

【ヴィレッジブックスのアメリカンコミック一覧】
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