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14 2013

ジョス・ウェドン&ジョン・カサディ/アストニッシングX‐MEN:ギフテッド

ギフテッド表紙

「拍手喝采がお望みなんだろ、サマーズよ」
「それしきで終わらせるつもりはない」
度肝を抜いてアストニッシングやれ」

X-MENとは、悪の脅威から人類を守り、人類とミュータントの平和的共存を実現するために組織された、ミュータントヒーローチームである!

チーム本来の創設目標を達成し、世間の人々の目を開かせるべく、サイクロップスとエマ・フロストはX-MENの再編を試みる。しかし、時を同じくして、ミュータント遺伝子を“治療”するという驚異的新薬「キュア」完成の報が世界を駆け巡り、新生チームは活動開始早々にして、軌道修正を余儀なくされてしまう。

キュアを巡る騒動が暴動へと発展する中、X-MENは、新たな敵オルドと対峙、事態はさらに混迷の度を増してゆく。オルドの策略に翻弄されるX-MEN.その時、別れを告げたはずの旧友が、チームの危機に立ちあがった!

人気ドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜』の制作・監督・脚本を手掛けるジョス・ウェドンをライターに迎え、アーティストには『プラネタリー』『キャプテン・アメリカ』で一躍注目を浴びたジョン・キャサディを抜擢。気鋭のクリエイティブチームを迎えてスタートした新シリーズ『アストニッシングX-MEN』、いよいよ日本上陸!


◆収録作品

2004年07月:Astonishing X-Men Vol.3 #1
2004年08月:Astonishing X-Men Vol.3 #2
2004年09月:Astonishing X-Men Vol.3 #3
2004年10月:Astonishing X-Men Vol.3 #4
2004年11月:Astonishing X-Men Vol.3 #5
2004年12月:Astonishing X-Men Vol.3 #6


かつて邦訳アメコミでは『X-MEN』が大量に刊行されていました。
小プロから刊行されていたX-MEN全17巻、エイジ・オブ・アポカリプス全3巻、オンスロート全4巻、コロコロで連載されていた翻案漫画、それからしばらく期間が開いて、新潮社から2004年あたりまでアルティメットX-MENが全11巻刊行と、(色々抜けがあるけど)それはもう色々と邦訳されていたのです。

そして、2010年
6年近くの間隔を置いて、ようやく久々に邦訳が再スタートしたのが本書『アストニッシングX-MEN:ギフテッド』なのです。

この『アストニッシングX-MEN』はX-MENの第3シリーズ。リアル寄りになったキャラ造形はそのままにして、『人類とミュータントの共存を目指す』というX-MENシリーズの基本コンセプトを強く意識した“原点回帰”となる2004年7月創刊の新タイトル。
メンバーもシリーズ創刊時と同じ5人に絞られているあたり、原点に立ち返った感を強く意識しております。
リーダーのサイクロップス、サイクの恋人でサブリーダー・エマ、チームの頭脳役・ビースト、戦闘のプロフェッショナル・ウルヴァリン、マスコット的存在のキティ
ミュータントを世間にアピールするのだ
「僕らも『アベンジャーズ』や『FF』みたいな人々に受け入れてもらえるヒーローチームを目指すのだ」

彼らは再建した『エグゼビア高等教育院』教師として若きミュータントたちを指導しつつ、夜は人々を襲う悪と戦っていくのです。
全ては人類とミュータントの共存する未来のために。

新たに#1からスタートしたシリーズという事で、ストーリー的には割とすんなり入り込みやすいのが邦訳アメコミを読む身としては嬉しい点。
とはいえ結構過去の出来事『ジーン・グレイの死』『エグゼビア教授が長期休暇に入っている理由』など)が絡んでは来るんですけど解説書でフォローされているのでまあいいかな。
“ミュータントを普通の人間に変える『キュア』という治療法が世界的遺伝子学者のカヴィータ・ラオ博士によって発見された”という衝撃の展開が当面のメインになる『アストニッシングX-MEN』
キュアを発見
『キュア』が発見されたことでミュータントたちの間に激震が走る

この展開は2006年の映画『X-MEN:ファイナルディシジョン』でも見られましたね。
『キュアでミュータントを治療するべきか否か』という部分のミュータント達の葛藤をこの作品ではかなり掘り下げて描写しています。
学園の生徒たちも自分の存在意義を揺さぶられて混乱するだけでなく、X-MENの間にもヒビが入りかけたりもう大変。
ビーストとウルヴァリン
心の奥底で治療を望むビーストとメンバーが欠けることを許さないウルヴァリン

X-MENはチーム間の人間関係の描写がやっぱし面白い。
小粋な掛け合いとか、未だジーンの事を引きずって対立してるサイクとウルヴィーとか、単に仲良しチームなわけじゃない部分がね。
オルドさん
何度か戦うことになる本書のメインビラン・オルドさん

ピりピリ張りつめた空気漂うシリアスな展開が続くのですが、その中でもちょこちょこ挿入されるユーモアあふれるシーンもまた魅力。
たとえば本書で何度か戦うことになるオルドというビランがいるのですが、それなりに強敵っぽいのに毎回油断してギャグっぽく倒されてしまうシーンは思わず笑いがこみ上げてしまいます。
本書の話の中核にいるのになんか憎めないビラン。

X-MENのとあるメンバーがまさかの復活を遂げたり、本書で初登場『S.W.O.R.D.』なる異星人問題の処理に当たるシールドの姉妹組織が登場したり、エマが不審な動きを見せていたりと今後の伏線が色々散りばめられています。

まだまだ序章の『アストニッシングX-MEN』
『キュア』の問題も含め、この後どうストーリーが展開するのか気になってしまう一冊でした。

実は大分前に購入して未だにレビュー書いてない邦訳アメコミがちらほらあるので、しばらく過去の邦訳コミックの記事を投稿するかも…?
(最近邦訳アメコミの新刊がハイペースで出まくるので余力があればですが)
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2 Comments

久仁彦  

ウルヴァリンとサイクロプスの仲良くケンカしな的な関係が好きなんですが
それ以上にエマとキティのごっついドロドロ感がたまりません。
誰だよこいつら一緒のチームにしようぜって考えたの。ああサイクロプスとエマか。

X-MEN関連は明るくないので、近年出た邦訳ぐらいしか知らないのですが今後も続いてくれると嬉しいですねー。
(『デッドリー・ジェネシス』から目を逸らしながら)

2013/02/15 (Fri) 20:34 | EDIT | REPLY |   

michael  

>久仁彦さん
ホントそうなんですよね…X-MENの邦訳がパタリと途絶えてる所為で続きが気になって気になって…(-"-;

『ウルヴァリン:サムライ』に合わせてヴィレッジから何かしら邦訳が出るそうなので(映画合わせなあたり『アストニッシングX‐MEN』の続きではなさそうだけど)、『ファーストクラス』を読み返して心を癒しながらのんびり待つことにしますかねー。

2013/02/17 (Sun) 00:46 | EDIT | REPLY |   

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