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03 2013

スコット・スナイダー&グレッグ・カプロ/バットマン:梟の法廷(THE NEW 52!)

梟の法廷
梟の法廷コート・オブ・アウルズに、ご用心。彼らがじっと見ているぞ。
 薄暗がりの高みから、大きな岩の後ろから、
 彼らはゴッサムを支配する。暖炉にいてもベッドにいても、
 もしもその名を口にすれば……タロンに首をとられるぞ”

新たな謎解きと恐怖の物語が始まった―――。

ゴッサムシティには、「梟の法廷」という伝説が流布していた。
彼らは“フクロウ”を紋章にした強大な闇の秘密結社であり、ゴッサムの真の支配者だという。しかし、闇の騎士バットマンはそうした伝説を単なる風説として相手にすることはなかった。なぜならば、ゴッサムは彼の街なのだから――今までは……。
野蛮な暗殺者の鋭い爪が、この街の重要人物、そして危険人物にも襲い掛かる事件が起きた。闇の伝説が事実ならば、その黒幕はバットマンの想像を超える恐るべき存在となるだろう。奴らの巣はいたるところにあったのだ……。


◆収録作品

2011年11月:Batman Vol.2 #1
2011年12月:Batman Vol.2 #2
2012年01月:Batman Vol.2 #3
2012年02月:Batman Vol.2 #4
2012年03月:Batman Vol.2 #5
2012年04月:Batman Vol.2 #6
2012年05月:Batman Vol.2 #7


◆リスタートしたバットマンの物語
小プロのNEW52邦訳第2弾!

旧設定をある程度残しつつも一新し、さらに世界観も見直され、新たなストーリーで第一話からスタートすることになった『BATMAN』誌の邦訳です。
NEW52の詳しい解説は過去記事『ジャスティス・リーグ:誕生(The New 52!)』にも書いたのでこの辺にして、作品のレビューに移りたいと思います。

先に述べたように一部旧設定を引き継いだままになっているので、例えば第一話の時点ですでに新旧ロビンが揃い踏みとなっているのですが、バットマン含む彼らのオリジンを丁寧に語るような展開にはなりません。
また、リランチ前に起こったいくつかの事件(例えばゴードンの娘バーバラがジョーカーに撃たれ下半身不随となったという「キリングジョーク」事件など)はNEW52となった後でも起こっていたという設定になっている模様です。

ロビン勢揃い
余談ですが後にティムは
「一度もロビンになったことがなく、最初からレッドロビンを名乗っていた」という設定に修正されました

とはいえ様々な旧設定を知らなければ深く楽しめないかと言えば決してそうではなく、むしろ綺麗に過去の設定が整理され、新規読者にも入り込みやすくなったという印象です。
(そのためのリランチなのだから当然っちゃあ当然なのですが)
バットマン周囲の人間関係もすぐに把握できるよう上手く描かれていました。
ダミアンがいつの間にかクソガキじゃなくなりちょい小生意気な可愛い子供になってて驚き
邦訳しか追っていない身としてはどういう経緯で心変わりしたのか気になります。
(今後邦訳されるモリソンの『バットマン&ロビン』で描かれるのかな?)

新規読者や従来の読者に強くアピールするようなおもわず目を引く演出も多いです。
1話の時点で「大勢のヴィランと戦うバッツ」「ジョーカーとバットマンが共闘しているシーン」…そしてラストでは『まさかの人物が殺人事件の容疑者に挙がる』などと、驚きの展開てんこ盛り。

あとこれは終盤のシーンですが、バットマンが敵組織『梟の法廷』に精神的に追い込まれボロボロになる場面では、ホントに驚く斬新な演出が盛り込まれていました。(正直乱丁かと思った)

◆秘密結社『梟の法廷』
死刑宣告
爪(タロン)に首をとられるぞ

完全に仕切り直され、第一話からスタートしたバットマン誌で対決することになるヴィランはジョーカーなどといった有名処ではなく、なんと本作初登場の謎の秘密結社『梟の法廷』
この『梟の法廷』はゴッサムシティでは童謡にもなっており(記事上部に書いている台詞がソレ)、あくまで伝説の存在と思われていたのですが、実際は植民地時代から現在までゴッサムを支配している秘密結社。
そして何故かウェイン家の命を狙いつづけてきたという、ブルース・ウェインにとって強い因縁のある組織なのです。

高祖父アラン・ウェインの死や、強盗ジョー・チルによって殺されたブルースの両親の死の背後にもこの梟の法廷が関わっていたという可能性が示唆されるため、新人ヴィランにも拘らず物凄い大物感を漂わせております。

秘密結社梟の法廷
『大型新人ヴィラン・衝撃デビュー!!』

というか実際強大な敵なのですけどね。
もしこれがリランチ前であれば「そんなとんでもない組織が何で今まで描写されてこなかったんだよ」と思ってしまうのでしょうが、本作は新たにスタートしたNEW52世界でのバットマンのストーリー。
それもあって抵抗なく受け入れられますし、むしろ今後の展開に期待を寄せてしまう新設定ではないでしょうか

それにしても『梟の法廷』の刺客・タロン(中央で「ウィッシュ!」してる人)凄く不気味カッコいいデザインのヴィランですな。
余談ですが、人気を獲得した結果タロンは現在個人誌までゲットしている模様です。

◆感想
僕はコウモリになろう
『イヤーワン』の名シーンを想起させる場面…なのだが、
本作のキーポイント『梟』が新たに絡む演出となっており非常に印象的

この『梟の法廷』をめぐる物語は新たなバットマンサーガの第一部であり、本作の時点では『梟の法廷』との決着は着かず、また様々な謎も解決しないまま終わってしまいます。
この後に『バットマン:ナイト・オブ・アウルズ』(全てのバットマン誌を巻き込むクロスオーバー)に続き、『バットマン:シティ・オブ・アウルズ』でようやく完結するのだとか。
この続編となる原書の単行本『バットマン:ナイト・オブ・アウルズ』今月2月19日にようやく発売という、まだまだ出来立てほやほやな作品なので、日本語で続きが読めるのがいつになるのか今から楽しみでしょうがないです。


『ナイト・オブ・アウルズ』は他誌も巻き込んだクロスオーバー作品
邦訳の際はタイインも纏めたこの分厚い原書を底本にしてほしい(願望)

入り込みやすくて読みやすい、そして何よりストーリーが面白い。
あとグレッグ・カプロのアートが馴染みやすくてこれまた好み。
メチャおススメの1冊です『梟の法廷』

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しっかり続編も刊行されるみたいなので一安心。
ちなみにこれまた余談なんですが、発売前、本書の邦題は当初『梟の宮廷』になる予定でした。

【梟の法廷:ゴッサムシティの「7つの路線」について補足】(※『アメコミくえすと・ブログ』
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