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06 2013

ジェフ・ジョーンズ&ジム・リー他/ジャスティス・リーグ:誕生(The New 52!)

ジャスティスリーグ誕生表紙

「WE GOT THIS!」一丁いくか!
「“一丁いくか”?ダサいかけ声だな」
「かけ声なんかどうでもいい。大事なのは計画だ」
「計画なんか立てたことないくせに」
「うるさい、バリー。非常事態なんだぞ。俺のことなんかどうでもいい」
「お前がそんなことを言うなんて世も末だな。
 まあ、実際そのとおりだけど」


世界一のヒーロー達が初めて結集する――。

それは新たな時代の幕開けだった。メトロポリスの超人スーパーマンやゴッサムシティの怪人バットマン……スーパーヒーローと呼ばれる彼らは見慣れぬ存在であり、人々は彼らを恐れていた。しかし、奇妙な事件が続発し、地球が異次元からの脅威にさらされた時、彼らヒーローは互いの壁を乗り越えて一致団結するのだった。

スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、グリーンランタン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグ。

軽率、青二才、自信過剰……彼らは欠点の多い若者かもしれないが、一人ひとりが優れた力を持ち、悪と戦っている。地球を我が物にしようと企む異次元の支配者ダークサイドに立ち向かえるのは、彼らだけかもしれない。そう、地球の運命は彼ら7人……ジャスティス・リーグに託されたのだ!


◆関連作品過去記事
【フラッシュポイント】

◆収録作品

2011年08月:Justice League Vol.2 #1
2011年10月:Justice League Vol.2 #2
2011年11月:Justice League Vol.2 #3
2011年12月:Justice League Vol.2 #4
2012年01月:Justice League Vol.2 #5
2012年02月:Justice League Vol.2 #6


ついに邦訳アメコミにDCコミックスの『NEW52』が登場!
と、その前に『NEW52』とは何なのかを簡単に解説します。
2011年5~8月に展開し、後に邦訳も刊行されたクロスオーバー『フラッシュポイント』という作品は、ある出来事によって改変されてしまった世界が舞台となっていました。主役のフラッシュが仲間と奮闘して、世界を元ある形に復元しようとするのですが、結果的には元の世界には戻らず、新たな世界が創造されることとなってしまうのでした。

これが『NEW52』と名付けられた新たなDCユニバースの世界となるのです。
そして、2011年8月31日に本書『ジャスティス・リーグ』の創刊号がフラッシュポイントの創刊号と同時に発売され、さらにそれまで刊行されていた全てのシリーズが打ち切り2011年9月以降に刊行されるタイトルはすべて#1からスタートすることとなったのでした。

要は新規読者を獲得するためと、長く続いた作品のマンネリを打破するためにとったDCの思い切った方策ですね。

設定もより現代的になり、スーパーヒーロー達が第二次世界大戦前から存在していたという設定が消え、スーパーヒーローが登場したのは5年前という設定に。
それまで描かれてきたストーリーも消滅してしまったわけですが、一部の過去の出来事は設定として残すということになっている模様です。
また、ヒーロー達のコスチュームもリファインされ、よりスタイリッシュなデザインに。

アメコミは歴史が長すぎて、どうしても続き物の話の途中から入り込むような感覚があるのがネックだったのですが、『NEW52』という大規模な再編のおかげでお手軽に第一話から楽しめるようになったため、予備知識を必要としない、むしろこれから増えていく状態というのは、僕のようなまだまだ新規のアメコミファンにとって非常に嬉しい展開ではあります。

過去の作品が無かった事になるというのは実際ちょっと寂しい気もしますけど、別に作品の面白さが損なわれるわけでもないですからね。

そんな『NEW52』の邦訳がこれからしばらく刊行されていくみたいなので、今後の邦訳アメコミ(DCコミックス)が楽しみで仕方がないです。

【小プロ「ジャスティス・リーグ特設ページ」】

◆ジャスティス・リーグ:誕生
JLAVSダークサイド
まだ話が始まったばかりなのに早くもラスボス戦のような雰囲気を漂わせるダークサイド様

地球が謎の異星人からの攻撃を受け、それに立ち向かっていくヒーロー達。
共通の敵に立ち向かうために協力し合い、ダークサイドとの決戦へ!…と、なんかもう涙が出るくらい王道を突き進んでいるヒーロー物のコミックになっています。

迫力あるジム・リーのアートで描かれるスケールの大きい戦闘シーンからも目が離せません。
今回はダークサイドとの戦いと、ジャスティス・リーグが結成されることになる#1~#6の収録となっているのですが、全編戦闘がメインのストーリー展開なため、存分にアクションを堪能できます。

また、NEW52からの新要素も注目点。
フラッシュポイント世界でもメインキャラクターとして序盤から終盤まで大活躍したサイボーグですが、なんと正史世界でも初代ジャスティス・リーグメンバーに選ばれるという大出世を遂げています。

また#1から仕切りなおしているのだから出世という言い方はあんま妥当じゃないかもしれませんが。
『ティーン・タイタンズ』のメンバーだった彼がジャスティス・リーグのメンバーになるとは…

サイボーグ
フットボールの選手だったビクは、異星人の襲撃によって重傷を負う。
しかし、スーパーヒューマンを研究している父の手によって、サイボーグとして生まれ変わったのである!
(特撮ヒーロー風の展開)

どのヒーローにも格好良い見せ場がある本作。
チームにムードメーカ的な存在のフラッシュとグリーンランタンがいることで、絶望的な地球の状況にも拘らず話が暗くなりすぎていないのも良い

十二分にアメコミの魅力と、『NEW52』によって作られた新鮮な設定とストーリーを楽しむことができるこの『ジャスティス・リーグ:誕生』
おススメの1冊です。

ちなみに同時発売のマーベルの邦訳はヒネた展開がてんこ盛りのチーム結成譚が描かれる『アルティメッツ』でした。

NEW52ダイアナさん
世間知らず設定のダイアナさんがかわいい

◆謎の人物・パンドラ
フラッシュポイント・パンドラ登場

『フラッシュポイント』のラストシーンに登場した、フラッシュに語りかけているこの謎の人物を覚えているでしょうか?

この人物の名は『パンドラ』
『フラッシュポイント』で初登場した謎の人物で、その正体や目的、そしてこの人物の言う“彼ら”が何のことを指しているのかその全てが不明であり、かつNEW52の“顔”となるキャラクターであります。
改変前の3つの世界ヴァーティゴコミックスワイルドストームDCコミックスを把握しているようなんですけど…?

そんなパンドラ、本書『ジャスティス・リーグ:誕生』にもこの人物が登場する意味深な短編が収録されています。
この短編でようやく素顔が判明するのですが…

パンドラとファントムストレンジャー
パンドラはなんと若々しい女性キャラでした。

女性ということが判明するまで、多くの読者から老人キャラと思われていたとか。
まあ邦訳フラッシュポイントではそのしゃべり方と解説書の存在もあって性別も分かるようになってたんですけどね。
ちなみにパンドラと会話しているこのおっさんは『ファントム・ストレンジャー』という1952年に初登場した超古参キャラ。
これだけ古株のキャラなのにもかからわず本名も経歴も未だ謎のままという設定が魅力です。

彼女、パンドラはNEW52の#1全てにこっそり登場しているので、探してみるのも面白いかもしれませんよ。
『パンドラをさがせ!』って感じですね。

パンドラをさがせ!観客席に混じっとるー!

◆余談
訳者の高木亮氏は当初、ワンダーウーマンのセリフを当初はざっくばらんな男言葉で訳していたとか。

今後ヴィレッジブックスから、あの鈍器で有名な『DC Comics: The New 52』(NEW52の#1を纏めた合本)が分冊で出るようなので、高木亮氏の訳との比較もちょっと楽しみだったり。

【ジム・リーがジャスティス・リーグ:誕生に忍ばせていた愛妻カーラへのメッセージ】

◆解説訂正
解説ページでは『リランチによってスーパーマンの死は無くなった』と記載されていたのですが、2013年1月9日に発売された『ACTION COMICS #16』で、『スーパーマンが死亡したのち復活した事件があった』ことが描かれたため、サイト上でお詫びの分が掲載されました。

【スーパーマンの死】
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4 Comments

久仁彦  

ジャスティスリーグ、ストレートに面白いですよねー(『アルティメッツ』ちらちら見ながら)。
助けに来る来ないでウダウダ揉めた後に一瞬で駆けつけるフラッシュとかアクションもカッコイイし。
「ボク、ブルース・ウェイン!」「誰だよ!?」とかコントでもやってるのかという呼吸で好きです。

訳文は初めの方が原文に近い感じですねー。
結構意訳多目なので原書の単行本で読み比べても面白いかもしれませんよ。
(原書と翻訳本のダブり地獄を勧めている)

2013/01/06 (Sun) 21:38 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>久仁彦さん
まさに『熱い展開』のアメコミなんでかなり満足な作品でしたね。
ヒーロー同志の軽妙なやりとりも堪らないです!


>結構意訳多目なので原書の単行本で読み比べても面白いかもしれませんよ。
ぐっ…!またそういう魅力的な提案を…
アメコミに手を広げすぎると財布があっさりクライシスを起こすというのに…!

2013/01/06 (Sun) 22:41 | EDIT | REPLY |   

流浪牙  

それぞれのキャラクターの有名なエピソードあれこれや辿った路々を
時が一巡後のNew52世界では一体どこまで再利用再踏襲されるのか、
どこまで出来得る限りに全く違った新規別個な……とするのか? や
次のクライシスは一体いつ頃誰のせいで引き起こされるんだろうかといった点が妙に気になってしまう今日この頃です。

ついでにブースターゴールドの未来人からカナダ人への設定変更はどういうことなのだろう
(その辺りの基幹設定の継続や変更の判定基準というのは一体どうなっているので……お馴染みのあの人やこの人についてはもう、変更の機会は無いのですかね?)

2013/01/11 (Fri) 08:41 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>流浪牙さん

>New52世界では一体どこまで再利用再踏襲されるのか
それかなり気になってるんですよねー。未だにNEW52での変更点を完全には把握できてないですもん僕。
なんにせよこのリランチでグッとDC世界に入り込みやすくなったので、小プロやヴィレッジにはNEW52の邦訳を色々出してほしいところであります。

>時が一巡後
みんな一度はDCのリランチが若干ジョジョのあの展開っぽいって思うのでしょうか。

2013/01/13 (Sun) 00:07 | EDIT | REPLY |   

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