ツルゴアXXX

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24 2012

レジス・ロワゼル&セルジュ・ル・タンドル/時の鳥を求めて

時の鳥を求めて

「ブラゴンよ… せ…聖なる根が未来を語った… 
 か…影がアクバルに近づいとる!」
「か…影と戦うんじゃ!
 そいつはアクバルの月が地の赤色に染まるとき、滅びるであろう…」
「じゃが…
 じゃが、その日、おまえは狂気を目の当たりにし、死を願うであろう!」
「そう… し…死を…」

呪われた神ラモールの復活を目前に控えアクバルの地に緊張が走る。魔術女王マラはいにしえの神々の魔術書をひもとき、再びラモールを封印する魔法を発見した。
しかし、封印の魔法には長い時間が必要である。残された時間は少ない。マラは愛娘ペリースに、かつて恋人であった老雄ブラゴンと連れ立って、時間を止めることができるという時の鳥を探すよう命じる。
まずはラモールを封印するための巻貝を手に入れ、ついで時の鳥の居場所を探さなければならない。老雄ブラゴンは自らの娘でもあるかもしれないペリースと反目しつつも、ラモールの忌まわしき力を手に入れようと立ちはだかる魔術王たちを退けながら、アクバルを救うべく、苦難の旅を続ける…


初めてアメコミ以外の海外コミックを購入しちゃいました。バンドデシネですよ!バンドデシネ!
大分前の雑記『ピノキオを買おうかなぁ』とかぼやいておきながら、結局購入せずにバンドデシネデビューには至らなかったのですが、この作品の表紙から漂う何とも言えない『かなり濃そうなファンタジー色』に惹かれてついにバンドデシネにも手を出しました。

この『時の鳥を求めて』という作品はフランスのコミック。
1982年から1985年まで雑誌で連載され、本国でカルト的な人気を誇っているというヒロイック・ファンタジーです。

ごついキャラクター、グロい造形の生物、独特な雰囲気の世界観と、海外ファンタジーの雰囲気が好きであればなかなか堪らない内容になっていました。
一大スペクタクル
主人公は老練の戦士ブラゴン。ヒロインは美しくはないが(公式発言)セクシーな娘ラモール…
なんとも濃いコンビ

日本のRPGのように美男美女だらけってのがこの作品には皆無なんですよ。
登場する男性キャラは汚いオッサン不細工な若者、あと人外ぐらい。
女性キャラはヒロインを除けばほとんど居ない。
基本メインを張るキャラクターってのがどうも既存のファンタジーから外れたようなヤツばかりなのです。
ビュルログ&謎の男
不気味なマスクを被った体毛が濃すぎる男ビュルログ(左)と何故かペリースを助けてくれる謎の男(右)

上記の画像にいる2名もパーティーメンバー。外見だけ見ていると怪しさが半端じゃないのですが、ちゃんと主人公とヒロインの力になってくれます。
個人的にはビュルログがお気に入りのキャラクター。
最初は敵として立ちはだかるのですが、途中から心変わりして主人公たちのパーティーに加わるというRPGの王道展開のような行動を取る男です。
砂ウツボ
ファンタジーものとはいえ容赦なく血が流れるし下品な表現も多いので対象年齢層は決して低くない

世界を救うアイテムを集めるため、大きな川や広大な砂漠、広い洞窟や鬱蒼とした谷間など様々な場所を冒険していきます。
話ごとに異なった土地での冒険と戦いが描かれるため、次はどんなステージで話が展開していくのかとワクワクしながら読み進めていくことができました。
王道RPGのような設定でありながら、色々と王道から外して進んでいくストーリーには目が離せません。
『ストーリーが進行するにつれどんどんドラマ性が増していき、最後には悲劇性が加わって幕を下ろす』ため、読了後には何とも言えない余韻が残ります。

パッと見では受け入れがたい外見のパーティーメンバーも、実際彼らの活躍を見ていくうちにお気に入りのキャラクターになっていくのではないでしょうか。
やっぱりカッコよさってのは外見じゃなくて行動で示されるものですね。

この『時の鳥を求めて』本作1冊でしっかり完結していますが、現在は『時の鳥を求めて――冒険の前夜』(原題:『la quête de l'oiseau du temps avant la quête』という主要キャラクターの若かりし頃を描いた新シリーズが、全5巻予定で現在3巻まで刊行されています。
さらに、『時の鳥を求めて』の冒険後の世界を描く第3シリーズも構想中であるとのことで、本作品はまだまだ色々と展開中なんだとか。

久々にヘビーな世界観の洋物ファンタジーを堪能できました。
これが20年以上も前の作品なのかぁ…

ただ、欲を言えばもっと長い冒険であってほしかったです。
1ページに収まっているコマ数が多いので実際はなかなかボリュームがあるのですが、それでも200ページほどのストーリーでは正直物足りなく感じてしまいました。
上記に挙げた新シリーズも出来る事ならその内邦訳されて欲しいです。
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