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02 2012

ロバート・カークマン&チャーリー・アドラード他/ウォーキング・デッド3

ウォーキング・デッド3

「とうさんなんかいなくても大丈夫」
「最初はこわかったさ とうさんが病気になったときはね…でも今はちがう。
 ぜんぜんこわくない。」
「もう守ってもらう必要ない。ぼくは強い…成長したんだよ。
 まだ大人じゃないけど十分大人に近い。」
「とうさんなんかもう誰も守れない…守れなかったし…とうさんは…」

※本レビューは過去に邦訳された『ウォーキング・デッド2巻』の結末に触れています。未見の方は閲覧注意!

ゾンビに支配されたアメリカで、安息の地を求める終わりなき旅を続ける主人公とその仲間たち。
第2巻では、「総督」という狂人によって支配された隣町ウッドベリ―から命からがら逃げ帰ったリック一行。
侵攻を恐れながらも平和を味わうが、とうとう平和な時間も終わりを告げる。
この第3巻では、混乱の中刑務所篇が幕を閉じ、新たな旅が始まることになる。 果たしてその阿鼻叫喚を、誰が生きのびるのか!?


まさしくこれは現実なのだ。人は死ぬ。必ず死ぬ。
愛するものや自分も例外ではない。
それは、311以後のこの国に暮らす我々にとっても、
決して目を逸らすことができないリアルであるはずだ。

森達也氏(映画監督/作家)瞠目!!


2巻の刊行から早くも半年…
あまりに悲惨な展開が続きすぎて気が滅入りそうになるレベルだったのですが、
今回刊行された第3巻は1巻・2巻をはるかに上回る容赦ない展開が描かれてました。

ついにウッドベリーと完全に対立してしまったリック一行。
作中ではいよいよもって人間同士の殺し合いが始まってしまいます。
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もうなんかゾンビどころじゃない

リックの仲間たちもこの3巻でどんどん命を落としていきます。
「え!?このキャラを死なせちゃうの!?」ってな感じでどんどん退場していくので衝撃度も大きめ。
あまりにショッキングな光景の連続でもう見ていて辛い!辛すぎる!勘弁して!
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『仲間が人質にされた時、今のリック一行がどのような行動に出るのか』というのも見どころの一つ。
ちょっと前の彼らならとにかく命を救おうと尽力したかもしれないのですが…

あまりに異常な状況に慣れきったために、リック一行の倫理観や危機感が薄れ始めていたというのも見ていて少し空恐ろしい。
大きくストーリーが揺れ動き、リックを取り巻く状況も大きく変化。
本書収録の第8章で刑務所での話は一区切り、第9章からは新たな展開にシフトしていきます。
長く腰を落ち着けることができた刑務所からついに離れざるを得なくなり、またも危険な旅が始まることになるという…

3巻終盤ではワシントンを目指す3人組が新たに加わることになるのですが、その中の一人の『自称』科学者であるユージンという男はこの大惨事の原因を正確に把握しているというのです。
この3人組がワシントンを目指す目的は、インフラの整っている街で彼の知識を伝えこの惨状を未来永劫阻止するため。
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リック「それは本当か!?じゃあワシントンに行けばこの漫画完結するじゃん!」

もしユージンの言う事が事実であるのなら、次巻以降は核心に迫っていくストーリーになりそうなんですが…
原書って今103号ぐらい出てるらしいんですよね。
本書の時点で54号までの収録なので、実際の所まだまだ終わりが見えそうにないっス。

このままのペースでウォーキング・デッドの邦訳版を無事刊行し続けていってほしいですねー。
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リックが『ある人物』と電話で会話するこのシーンは3巻屈指の名場面

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