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15 2011

ビル・フィンガー&ボブ・ケイン他/BATMANオリジナル・コミック日本語版(Batman: The Greatest Stories Ever Told)

バットマンオリジナルコミック表紙
「コウモリ!!…窓から飛び込んできたのか!何かの啓司のようだ!」
「そうだ!僕はコウモリに…バットマンになろう」

「THE GREATEST BATMAN STORIES EVER TOLD」の日本語版が好評発売中!!
1940年春創刊の単独誌「バットマン」から、バットマンの生みの親、ボブ・ケインが描いた第一話を収録。
また 1983年までの代表的な傑作26編を一挙収録!!
おなじみのキャラクター、ロビン、ジョーカー、ペンギン、キャットウーマン、トゥーフェイスが活躍するエピソードから、
スーパーマンとの初めての出会いまで、見逃せないエピソードの数々…。
ハードカバー、全ページカラー、300ページを超えるボリュームと、
バットマンを 知り尽くしている方も、また入門書としても、
魅力を堪能できる一冊です。
まさにこれがバットマンの原点だ!!


◆収録作品

1939年09月:Detective Comics #31
1939年10月:Detective Comics #32
1940年春  :Batman #1
1944年10月:Batman #25
1946年   :Comic Strip Syndication
1948年06月:Batman #47
1950年10月:Batman #61
1952年01月:Star Spangled Comics #124
1954年09月:Detective Comics #211
1956年09月:Detective Comics #235
1958年06月:World's Finest #94
1963年06月:Batman #156
1965年11月:Detective Comics #345
1970年10月:Detective Comics #404
1971年08月:Batman #234
1972年11月:Detective Comics #429
1973年07月:Batman #250
1973年11月:Detective Comics #437
1974年09月:Detective Comics #442
1976年03月:Detective Comics #457
1977年12月:Detective Comics #474
1978年   :DC Special Series #15
1979年03月:Detective Comics #482
1979年06月:Batman #312
1981年03月:Detective Comics #500
1983年04月:The Brave and the Bold #197


◆TVドラマ版バットマンテーマ曲

◆無限在庫『バットマンオリジナルコミック』
アメコミは数年もするとすぐ絶版になってしまう…
そのため、『買える内に押さえておく』という気概でないと読みたくなってもプレミア化して手が出せず後悔することになってしまいます。
入手が難しく値段が高い、タイミングを逃すと絶版、というのが翻訳アメコミのお約束。
しかし、この『BATMANオリジナル・コミック日本語版』平成元年に発行されたにもかかわらず未だに本屋や通販サイトに出回っている珍しい状況の翻訳アメコミであります。
(増刷しているわけではなさそうなので在庫が無くなり次第絶版になる可能性がありますが)
しかも300ページ越えの分厚い本でありながら1800円と近年の翻訳アメコミの値段に比べれば安めの価格設定です。
で、気になるその内容ですが…

本書は1939年~1983年までに発表した作品から26作品を収録。
昔のアニメや漫画が今見ると『真面目にやってるのにギャグに見える』扱いを受けることがありますが、
この『BATMANオリジナル・コミック日本語版』に登場するバットマン達も現在映画や漫画で持たれているダークなイメージとは乖離があり、
作中で非常にシュールな光景を繰り広げる事が多いです。

110114_020513.jpg
スーパーマンの弱点であるクリプトナイト液を落とすため、
バットプレーンにスーパーマンをぶら下げて滝で洗い流すというダイナミックな1シーン。

110114_020802.jpg
キャットウーマンとその一味に捕まり、ベルトと服を取り上げられて猛獣に追いかけられる事になる図。
キャットウーマンの計らいで獣の皮の服を着せられているのがミスマッチ。

110114_021229.jpg
ペンギン(バットマンに登場するヴィラン)が悪党である事を知らない叔母さんが訪ねてくるため、
バットマンとロビンはひとまず彼に協力して口裏を合わせてやりつつもいじめるというギャグ回。

110114_022104.jpg
ジョーカーとペンギン、どちらの方がゴッサムシティーで危険な悪党なのか聞かれ、
上手く議論を長引かせて縛られた縄を切ろうとする作戦を実行するシーン。

こんな感じにシュールなシーンが散見されるエピソードばかりですが、
時代が近づくにつれて普通にシリアスなストーリーの方が目立ち、絵の書き込みも細かくなってくる為、
全部が全部シュールな作品というわけではないです。
とはいえ全体的に明るめで痛快な内容でありますが。

時代ごとに異なる味と、
バットマンの様々な有名ヴィランが登場する作品集であるため、
アメコミに興味を持った人が気楽に読むには最適な本ではないでしょうか。
1話が基本十数ページにまとまっているため再読性も高いと思います。
それにこの作品集を読んでからの方が現在のダークなバットマン作品を読んだ際の衝撃も大きくなるかも。

◆バットマンオリジナルコミック登場人物紹介
現在の設定と異なる部分も多いです。
でもその辺の違いも楽しむのがBATMANオリジナル・コミック日本語版だと思う!


110114_013731_convert_20110114025103.jpgバットマン
知らない人は居ない有名ヒーロー、主人公である。
本名はブルース・ウェイン。
幼い頃、両親を路上で強盗に射殺された彼は、犯罪への憎しみを募らせバットマンとなる。
極限まで鍛えた身体と卓越した頭脳、そして財力と人間が所有できる能力の最高レベルを手にしている。
バットマンの現在のイメージと言えばクールな一匹狼と言った感じだが、
この作品集ではスーパーマンにパートナーを解消されて普通に凹んだり、ロビンと非常に仲良くしていたり、
相手をからかうシーンがあったり割と明るめ。
しかし両親の死は未だにトラウマとなっているようであり頻繁に回想する。
バットマンは『殺人を犯さない』というポリシーを持っていることは有名であるが、
この作品集では最初期の作品のみ殺人を犯している(拳銃も普通に使用)
とはいえ相手が怪物だったり明確に死が描かれていなかったりというのはあるのだが。
『人を殺すのは避けたいが、今回はやむを得まい!』

110114_013846_convert_20110114030936.jpgロビン
バットマンの良きパートナー。
本名ディック・グレイスン。
まだ少年でありながら警察学校に講師として招かれたり、
幻覚が出てまともに戦えなくなったバットマンを献身的にフォローしたりと
彼が居なければバットマンは本当にダメになるんじゃないかというくらい活躍してくれる。
バットマンに非常に溺愛されており、
彼が死んだという妄想にバットマンが囚われたときは後追いして自殺しそうになるほど。
少し口が悪い。
『このメス猫め…』

110114_033610_convert_20110114034053.jpgマッド・モンク
本名ニコライ・ツェペシュ(2006年の『Batman and the Mad Monk』というリミテッドシリーズで判明?)
モンクがバットマンの婚約者ジュリーを操り人を襲わせた事がきっかけで対峙する事になる。
不思議な魔力でバットマンを動けなくする事ができたが、強靭な意志の力だけで振り払われたり、
トラップでバットマンを仕留めようとしたりと魔力のレベルに疑問が残る。
しかしバットラング(ブーメラン)を目視でかわしたりと身体能力は高そうである。
『わしがこのレバーを引けば―ヒッヒッヒッ!』

110114_033320_convert_20110114034029.jpgペンギン
頭脳派タイプのヴィラン。
本名はオズワルド・チェスターフィールド・コブルポット。
頭脳派ではあるが共闘したジョーカーと仲間割れした結果バットマンに捕まったり、
善人である自分の叔母さんにはヴィランである事を隠していたり、
自分が脱獄するためのアイテムを自慢したがために他の囚人に奪われてしまったりとどこか抜けており、
あまり憎めないキャラクターとなっている。
ちなみに叔母のミランダは非常に気が強く、ペンギンは頭が上がらないようである。
『すまないが、おばさんは、オープン・バスで市内を見学したいそうなんだ』

110114_033347_convert_20110114034041.jpgジョーカー
これまた知らない人は居ないであろう、バットマンの代表的ヴィラン。
しかし本書に収録されている作品では狂気にまみれた恐ろしい犯罪者というよりは
普通の小悪党的なキャラである。
ペンギンと共闘してゴッサムシティで犯罪を重ねるが何かと口喧嘩してしまううえ、
その内容も子供の喧嘩のような幼稚さであるため何かかわいい。
しかし人気キャラであるにもかかわらず本書での出番は非常に少なく
収録作品の『KNIGHTS OF KNAVERY』『THE DEADSHOT RICOCHET』数コマだけである。
これは日本未発売の『The Greatest Joker Stories Ever Told』という
ジョーカーメインの作品集があったためだからだとか。
これも翻訳してくださいお願いします。
『よーし、どっちがゴッサム・シティの悪党か、
 バットマンに聞いてみようじゃないか』


110114_032940_convert_20110114034016.jpgスーパーマン
説明不要なんじゃないかというくらい超有名なヒーロー。
本名はカル・エル。
バットマンとは互いの事を良く知る親友であるが、
本書に収録されている『ORIGIN OF THE SUPERMAN-BATMAN TEAM』では、
『パワーマン』という得体の知れないヒーローと新たに組みバットマンとロビンとの関係を一方的に解消する。
その時の発言は
女の身体に飽きた男が一方的に別れを切り出したかのようなセリフであった。
もちろん理由があってのこの行動なのだが。
余談だがこの作品のバットマンの回想シーンでは、
バットマンが本当に楽しそうにスーパーマンとの思い出を語る。
『もう終わりだ、バットマン!パワーマンが私の新しいパートナーだ!』

110114_060518_convert_20110114061051.jpgトゥーフェイス
本名ハーベイ・デント。
ゴッサムシティ随一の地方検事であったが、
数年前にギャングに酸の入ったガラス瓶を投げつけられ顔の左半分が焼け爛れてしまった。
その後、狂気に陥り犯罪の道へと走ってしまうが、
最新の整形外科手術により一度は元の顔と人格を取り戻し法曹界に入りなおす事ができた。
しかし泥棒を追跡しているときに相手が仕掛けた爆弾に巻き込まれ、
再び顔の左半分が爛れてしまい、
結局狂気に陥ってしまうというかなり悲惨な人生を辿っているヴィラン。
行動に迷うとコイントスに判断を委ねる癖がある。
『コインは決定を下した!悪の部分が勝ったのだ…
 “トゥーフェイス”の登場だ!』


110114_060429_convert_20110114061041.jpgキャットウーマン
本名セリーナ・カイル。
暗黒街の女王と呼ばれており、猫のような狡賢さで悪名を轟かせている。
本書ではネコ科の動物なら操る事ができる能力を持ち、
機内で黒豹をけしかけて宝石の入った荷物を奪ったり、
バットマンとロビンを捕らえてマスク以外の服を剥ぎ、
猛獣に追いかけさせるという恐ろしい事をやってのける。
だがその絵面はシュール。
しかし動物に優しかったりバットマンが死亡したと思われたときはショックを受けるなど
根っからの悪人と言うわけではなく、バットマンのように殺しはしないという信条がある。
それもあってか第2の地球(アース2)という
パラレルワールドを扱った本書収録の『THE AUTOBIOGRAPHY OF BRUCE WAYNE』では、
敵同士でありながら互いに惹かれあう関係となっており、バットマンのパートナーとなって共闘する。
そして最終的には…?
『猫にうるさくかまうとひっかかれるってことを教えてあげるわ!』

110428_172415_convert_20110428172611.jpgジョー・チル
バットマンの両親を殺した張本人。
強盗目的で襲い掛かり、父トーマスに発砲。
母マーサも心臓ショックで死亡してしまう。
現在はL.S.A輸送という会社を経営し、密輸で金を稼いでいる。
バットマンは調査の末ようやくチルを追い詰めるのだが、
チルがバットマンを生み出した事を彼の仲間に知られてしまい、
バットマンが手を下す前に怒り狂った仲間にチルは殺されてしまうのだった。
「そんな目で俺を見るな!」

◆感想
ここで紹介した以外にも様々な登場人物が居ますが、
とりあえず目立っていたお馴染みのキャラクターはこんなもんでしょうか。

ちなみに序文②を書いているマイク・ゴールドによると、
『何度も再録されているような作品は避けつつ、
 主要な登場人物や全体の筋に関する作品をチョイスするのには骨が折れた』

と語っています。
キャラクターの初登場話が少なめなのはこれが原因なんでしょうかね。

70年代あたりからはダークな雰囲気漂うバットマンでストーリーも面白いのですが、
本音を言うと古すぎる作品はやはり珍作品に思えてくる話運びが多いので、
貴重な作品集であり読み応えもタップリなのですが、個人的にあまり強くはオススメしません。

◆おまけ
映画『ダークナイト・ライジング』公開に便乗したのか今更公式サイト開設。
※2012年7月21日追記

公式サイト
【公式サイト】

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2 Comments

バットマン  

質問です。

質問なのですがこのBATMANオリジナルコミック日本語版には解説ページや小冊子ってないですよね?

2011/06/14 (Tue) 17:22 | EDIT | REPLY |   

michael  

残念ながら・・・

>>バットマンさん
はい、残念ながら解説や小冊子の類はありません。
この本はホント原書を丸々翻訳しただけといった感じです。
日本版オリジナルのページも存在しません。
とはいえ解説が必要になるシーンや用語ってのは殆ど無いんですけどね。

2011/06/14 (Tue) 20:51 | EDIT | REPLY |   

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