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28 2012

J・マイケル・ストラジンスキー&ジョー・カザーダ/スパイダーマン:ワン・モア・デイ

ワンモアデイ
“絶対にあきらめたりしない。あらゆることを試すまでだ。
 たとえ僕自身が地獄に堕ちるとしても 絶対にメイおばさんを救ってみせる。
 絶対におばさんを救ってみせる。
 絶対に”

究極の選択を迫られるも、残された日はあと一日しかない……。
あなたならどうする?

人生においてもっとも大切な人、あなたをずっと支え続けてくれた人が、病院のベッドで生死の境をさまよっている。あなたを狙った銃弾が、その女性の体を貫いたのだ。しかも、人生における悲劇は、これが最初ではない。
あなたの周囲にいる人たちは、災難、狂気、他殺といった不幸な出来事に次々と見舞われてきた。これらの不幸の原因は、あなた自身にある。あなたという存在、あなた自身の人生がすべての元凶なのだ。愛する人を救える力があるのだが、そのためには大きな犠牲を払わなければならないとしたら、あなたはどうするだろう?
もしあなたがスパイダーマンであり、残された日があと一日しかないとしたら、あなたはどうするだろう?
スパイダーマンの選択はここにある……。


◆収録作品

2007年11月:The Amazing Spider-Man #544
2007年11月:Friendly Neighborhood Spider-Man #24
2007年12月:Sensational Spider-Man Vol.2 #41
2008年01月:The Amazing Spider-Man #545


◆久々のマーベル邦訳はスパイダーマン!
ひっさびさに登場したマーベルコミックスの邦訳!
ここ最近は右を見ても左を見てもバットマンの邦訳コミックスばかりだったため、やっと他のヒーローコミックが読めたという感じですね。
そしてエピソードののチョイスがかなり評価が宜しくないと伝え聞く『ワン・モア・デイ』

ワンモアデイ
メイおばさんがピーターを狙った凶弾に被弾してしまい重体に

本作品は過去にヴィレッジブックスから邦訳出版された『シビル・ウォー』と関連しているため、いきなり本作から読んでもちょっとストーリーの流れが掴みにくいかもしれません。
というか正直『シビル・ウォー』を読んでいても未邦訳である直前の出来事が多すぎるので、本書を読む前に解説冊子で事前知識を植え付けておいた方が良いかも。

◆WHAT WOULD YOU DO... IF YOU ONLY HAD... ONE MORE DAY?!
『シビル・ウォー』で正体を明かしてしまったために、数々の悪人から命を狙われるようになってしまったスパイダーマン。
その結果メイおばさんが重傷を負う事態に陥ってしまい、『メイおばさんが死にかけている責任は自分にある』と強く後悔するのでした。
シビル・ウォーでは反政府側に付いてしまったため現在では指名手配犯。
メイおばさんの身の安全を守るために偽名を使ったり、逃亡生活でお金が尽きかけたりとどん底の状況。
おばさんを救うため、様々な知り合いの元に赴き、あの手この手でメイおばさんを救い出そうとするスパイダーマン。

過去を変える
Dr.ストレンジの元を訪れ、
精神体となって時間をさかのぼり無理矢理過去を変えようとするが…

しかしあらゆる手段を用いても結果的にメイおばさんは重傷を負ってしまう。
やはり過去は変えられないのか。このままメイおばさんの死を受け入れるしかないのか。
スパイダーマンの不幸設定を増やさざるを得ないのか。
そんなスパイダーマンと妻・MJの前に現れたのが…

契約
きたわよ

強大な力を持つ悪魔『メフィスト』
『メイおばさんを救う代わりに、代償として夫婦の絆を貰う』という取引を二人に持ちかけます。
「この手の悪魔との取引って人間との魂とかそういうのじゃないの?」と思ったのですが、メフィストによると「今の人間は自己犠牲の精神が強く、魂を売った人間は結構地獄での責め苦を受け入れるのでおもしろくもなんともない」のだとか。
そ、そうなの…?

兎にも角にも、取引を受け入れれば二人の結婚は無かったことになり、それまでの人生も喪失してしまう。
しかも魂のごく一部は喪失の痛みを覚えている。
しかし、メイおばさんを助け出すことが出来る。
スパイダーマンは、『夫婦の絆を失うか』『おばを失うか』の2択を突きつけられることになってしまうのでした。

夫婦

◆感想
『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』は、かなり大きなトラブルがあった作品でもあります。
プロットを考えた編集長、ジョー・カザーダに脚本家のJ・マイケル・ストラジンスキー「全く意味がわからない。読者にどう説明するつもりなんです?」と尋ねたところ、「魔法だから説明の必要はない」と返され、J・マイケル・ストラジンスキーが執筆を拒否するというすさまじい事件が起こりました。
結果、編集長のジョー・カザーダ自身が大部分を執筆して完成させたという一作なのです。
だから『作』の名前がJ・マイケル・ストラジンスキーとジョー・カザーダの二名になっているんですね。

この後、スパイダーマンは『ブランニュー・デイ』という設定を新たにしたストーリーで仕切りなおされることになります。

読み終えてみるとアメコミの「なかったことに精神」が発揮されてしまったあんまりといえばあんまりな展開の作品という感じでしたが、スパイダーマンことピーターの家族愛の精神は読んでいて強く印象に残りました。
グッとくるシーンは多いです。

なんだかんだで一つの区切りとなっているエピソードなので、スパイディの小粋なセリフやアクションシーンなどは殆ど見られない上に暗いストーリーではありますが、チェックするのもアリなんじゃないかと思える作品ではあります。

【スパイダーマン:ワン・モア・デイ補足】
※訳者の高木亮氏による補足。
といってもワン・モア・デイの補足というより解説冊子で軽く触れられた新聞漫画版スパイダーマンの補足がメインになってます。


◆ワン・モア・デイ刊行裏話

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